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第373話 ダンジョン神殿(偽神殿4)

◆ダンジョン神殿

カーナ視点


『『『『『『『……助けて………』』』』』』』

『『『『『『『パパ、ママ怖い』』』』』』』

『『『『『『………化け物……おっかないよう……………』』』』』』



何故か黒ウサギ達が恐怖と混乱の渦中にあります?

ええっ、どういう事?!



「あの、メイさん?彼らをどうやって説得したのですか?」

「どうやってと言われても、私にも分かりません。何せ私は黒ウサギも雪ウサギも言葉は分かりませんから」

「ああ、そりゃそーですよね」



ええ、よく存じておりますとも。

聖獣である雪ウサギ達と会話出来るのは私のような妖精か、同じ聖獣達しかありません。



「なので、実際に説得にあたったのは私の雪ウサギであるテトの頑張りによるものです」

「は?」



そう言われてジッとチワワな雪ウサギを見る。


チワワ雪ウサギは相変わらず彼女の胸から頭だけ出し、焦点の定まらない斜視な目には何の光もなく死んだ魚のようで知性の欠片も感じません。


それでいて絶えず寒くもないのにプルプルと震え、何を考えているか推し量るのも困難な様子。

更に(『ゴクラク、ゴクラク』)と理由のわからない言葉を念仏のように唱えているだけ。

どう見ても目がイッているだけの不気味な雪ウサギにしか見えません。

これは考えた方が負けるヤツです。



「ま、まあ?説得出来て、情報が手に入ったならプロセスはどうでもいいかな、と。それでオルデアンちゃん達のところに行くにはどうしたらいいの?」

「前回私達が飛ばされた魔法陣の他に、実は本当の祭壇に繋がる隠された魔法陣があるんです。何故か分かりませんが、黒装束の一味は最初からその魔法陣を知っていたみたいで、その魔法陣から本物の神殿に飛んだのではないかと」

「本当の祭壇に繋がる魔法陣……!」



そう言ってメイさんが示したのは、祭壇裏に隠された小さい魔法陣でした。

つまり魔法陣は、最初から私達が飛ばされた罠として描かれていたものの他に、正規のものがあったという事だったようです。

成る程、灯台下暗しという事ですか。

とにかくこれで、オルデアンちゃん達への道が開けました。

あとはアルタクスさんに伝えて、この場を後にするだけです。


ふと、混乱していた黒ウサギ達の方を見ると、何故か混乱はすっかり収まってました。

ようやく落ち着いたのでしょう。


しかしチワワが不気味とはいえ、よくもあのスレていたギャング黒ウサギ達をあそこ迄怯えさせたものです。

あのとぼけたチワワ顔の雪ウサギのどこに、そんな怯える要素があったのでしょうか?

アレ?

そう云えば制服女子メイさん、雪ウサギと話は出来ないのに、どうやってチワワ雪ウサギから祭壇裏の魔法陣についての情報を貰ったのでしょう?

ううむ、謎が深くて面倒臭い気がします。

取り敢えず今は放っときましょうか。



「ん?」



あれ?また何か、黒ウサギ達がプルプルと震え始めました。

どうしたんでしょうか?

いっときは反目したとはいえ、元は私の知っている雪ウサギ達です。

駄犬も気にはしてましたし、この場所を私達が離れる前に彼らを解放する方が良いでしょう。



「アルタクスさん、出発前に黒ウサギ達を簀巻きから解放してきます。あのままでは食事も取れないと思いますので」

「分かりました。私も手伝います」

「いえ、アルタクスさんはまだ出発の準備中じゃないですか。全体指揮の事もあるし聖獣である彼らは私の管轄です。私の眷属達で彼らを解放しますから大丈夫ですよ」

「分かりました。カーナ様にお任せします」



はい、アルタクスさんに申し訳ないイケメン顔を頂きました。

その眼福の余韻に浸りながら、黒ウサギ達の解放に向かいます。



『うむ、黒ウサギとて元は神の森の同胞、我も解放の手伝いをしよう』

『しゃーねーな。やってやるか』



まあ、連中は20羽もいますから、そのロープを解くのも一苦労。

さらに再び暴れられても困ります。


ただ人手が多い必要はありませんから、私とレオナルド、ヒューリュリ様で彼らの解放に向かいました。



『おい、コイツらは何なんだ!?勘弁してくれ!』

「何を騒いでるのよ、レオ??」



えーと、簀巻きになっていた連中にいち早く近づいたレオナルド。

そのレオナルドが何か混乱しています。

どういう事?



『小奴らは呪いにかかっているのだ!』

「は?ヒューリュリ様まで??」



何か黒ウサギ達に近づこうとして、手前で立ち往生のレオナルドとヒューリュリ様。


呪いって、どういう事?!


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