第369話 ダンジョン薄暗い平原9(神殿再び3)
◆ダンジョン薄暗い平原(神殿)
カーナ視点
という事で神殿前まで来た私達。
相変わらずのタールマン達の熱い歓迎に、必殺のアルタクスさん防虫効果が物を言います。
タモ網級イケメンだけでなく防虫効果まであるアルタクスさん。
その価値とイケメン株は否が応でも爆上がり。
よっしゃー!
そうして難なくゾンビ関門を突破した私達は、当然のように神殿内部に侵入。
やはり当然のように現れる三角サングラスRマフィアな黒ウサギ達。
性懲りも無く現れやがったな?!
『ワレワレハ黒ウサギ団ダ。オ前達ハ既ニ包囲サレテイル。無駄ナ抵抗ハ諦メ直チニ降伏セヨ』
(実際の音声▶きゅい、きゅきゅい、きゅいきゅいきゅいきゅいきゅい)
えーと?
前回同様、雪ウサギ語の脅し文句にまたまたフリーズしてましたが、件のグラサン黒ウサギ達が再び祭壇脇の小さいドアから現れました。
そして例のウンバルンバみたいな踊りを披露しながら私達を囲むように円を描きます。
ココまでは全く前回と同じで代わり映えしません。
そして引き続き、雪ウサギ語で例の変な唄を歌いだします。
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ウサギウサギ何見て跳ねる♪
じゅうーごやお月さーん見てハーネール♪
ウサウサウンパ♫
ウサウサウンパ♪
ウサウサウンパ♪
ウサ!
悲しいお話ししてあげようウサ♫
お利口さんなら聞きなさいウサ♫
世の中正直者はバカを見るウサ♫
マジメに働く?お馬鹿さんウサ♪
国会ギインは嘘つきだウサ♪
開示資産が少な過ぎウサ♪
資産ゼロの議員はどーやってるウサ?
普通預金の開示義務は含まれないウサ♪
なんだ、ただのザル法だウサ♫
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ウサギウサギ何見て跳ねる♪
じゅうーごやお月さーん見てハーネール♪
ウサウサウンパ♫
ウサウサウンパ♪
ウサウサウンパ♫
ウサ!
悲しいお
「シャラップ、もうその変な歌は要らんわ!」
『『『『『『『?!』』』』』』』
『『『『『『きゅいきゅい!???』』』』』』
はい、奴らの下らない唄を私が大声出して、唄の途中で止めてやりました。
黒ウサギ達は私のデカい声に面食らったのか、唄を中断してフリーズです。
『『『『『『ぶーぶーぶーぶーっ!』』』』』』
『『『『ブーブーブーブーブーブー!!』』』』
どうやら唄の途中で大声出される事は想定して無かった様子で、我に返った黒ウサギ達が私にブーイングを示しています。
仮面のヒーローがポーズをキメて、お馴染みのセリフを吐いている最中に攻撃してきた悪の組織に出会ったみたいな?
アレはヒーローが喋り終わるまで待っているというルールが現実には有り得なく、敵対する間柄には本来ルールもへったくれもありません。
つまりアンタらのブーイングに何の正当性もないだわさ。
ざまぁ!
おっと!?
奴らが背中の毛皮をまさぐり出しました。
恐らくトカレフのモデルガンを探しているんでしょう。
前回はそれで言いなりにされましたが、今度はそうはなりません。
パパパンッパパパンッパンパンッパパパンッ
『『『『『『『????!!!!』』』』』』』
はい、大きく吹き飛ぶ奴らのモデルガン。
すかさずイケメン予備軍達がそれを上手くキャッチします。
ビックリしたでしょう。
連中の驚きようは計り知れません。
それもそのはずです。
前回同様、奴らは私達を包囲してモデルガンで追い込み、床に書かれている転移陣の中央に誘導するのが本来の目的です。
ところが、その大原則であるモデルガンを使う追い込みが何者かの狙撃にあって阻止された。
そのせいで彼らは、私達を転移陣に誘導するという本来の目的を遂行出来なくなるという大失態をしてしまったのです。
これで黒ウサギ達の存在意義は、完全に失われたと云えるでしょう。
当然ながらこれを演出したのは私です。
予め尖兵を潜ませていた私の作戦勝ちといったところでしょうか。
もちろんこれを成したのはG13という特異な存在のお陰であり、奴にはご褒美と称して新しいモデルガン供給を約束するという私としては禁じ手を使った結果だったのでした。
やべー橋渡ったけど結果オーライ?
しっかし相変わらず狙撃技術だけはすげぇな!
G13は間違いなく今だ上空を旋回する怪鳥ペリーに居る筈であり、狙撃はその移動する拠点から正確に行われました。
合計20羽の黒ウサギが狙撃により無力化され、奴は見事に私の依頼をこなしやがりました。
多少の失敗を期待し、それを口実にG13との約束を反故にするという私の当初の計画は根底から崩される事となったのでした。
勘弁して下さい。




