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第359話 ダンジョン草原地帯再び4(出発)

◆ダンジョン草原地帯

カーナ視点



「また真っ暗?!私、亀裂の中に戻っちゃった?錬金ちゃんは??」

んペっ

「ひゃう!?」ドサッ

「カーナ、大丈夫かよぅ?」

「⋯⋯⋯あまり、大丈夫じゃ⋯⋯ない。何が起きた、の?」



気づいたら錬金ちゃんが逆さまに浮いていました。逆さまなのは私ですか。

やっと状況が分かりました。

錬金ちゃんは私のお願いを聞いて《ピヨコ押しくら饅頭》からちゃんと助けてくれたのです。


ただスライム羽根妖精の錬金ちゃんは、私を受け止めるのに飲み込むしかなかったと言う事。

そしてたった今私は、錬金ちゃんに吐き出され逆さまになっていたのでした。

これは致し方無かったという訳です。

でも、もうちょっと優しく吐き出してほしかったんですけどね。



「錬金ちゃん、とにかく助けてくれて有り難う。お陰で《ピヨコ押しくら饅頭》から抜け出せたわ」

「カーナの助けになったなら良かったよぅ」



錬金ちゃんにお礼を言いつつ逆立ち状態から立ちあがった私。

制服女子(メイさん)の方を見れば、さっきまで私の回りにいたピヨピヨ達が彼女の回りに群がっています。


それで色々と疑問。

こんなピヨピヨはあの空間の何処に居たんでしょう、黒アゲハがどっかで飼っていたとか?

あと、やたら制服女子のメイさんに懐いているようですが、その理由も知りたいところです。



んん?

よく見たらこの子達、テバサキ達に似てません?

思い出しましたが前世夏のお祭り、出店でヒヨコやミドリカメを売っていたんです。

その時のヒヨコが今回のピヨコ達にソックリ。

つまり鶏のヒヨコにソックリなんです。

そしてテバサキ達はその親鶏にソックリ。

この事を考えると、このピヨコ達はテバサキの同族ではないかと思えるのです。


しかもテバサキ奥さんは最近卵を産んでます。

それを先程まで簡易シアターホールの座席に1個づつ乗せて、大事に温めていた様子でした。

この事からピヨコ達はテバサキ達の子供達ではないかと考えるのは極めて妥当な事だと云えるでしょう。

それで単刀直入、制服女子メイさんに聞いて見ました。



「えーメイさん?そのピヨコ達は何処で??」

「実は椅子に卵が幾つか乗せてあったんです。食糧に良いかと思い確保したのですが、私が覗き込んでいた時に孵ってしまいスッカリ懐かれてしまいました。以後はこんな状態です」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」



成る程。

椅子といえば、あの空間にあったのは簡易シアターホールの椅子。

そして簡易シアターホールといえばテバサキ達が卵を温めていた場所という事になります。

つまりテバサキ達の子供では??



「テバサキ、あの子達、アンタらの子供じゃないの?」

「コケケケ?」

「知らない?いやさ、メイさんが椅子の上から移動した卵が孵ったって言ってるんだけど、卵の数は合ってるのかって話。どうなの?」

「コケー?コケケケコケケコケケケコケ」

「卵の数はだいたい合ってるから大丈夫?ねぇ、まさか卵の数を数えてないの?」

「コケケケコケケケコケケケ」

「算数は苦手だから大体合ってればいい???」



おい、親として、それでいいのかテバサキ夫婦。

算数が苦手だから丼ぶりって、トンデモない夫婦だな。

結局テバサキ夫婦はピヨコ達の今後について、自分達の子供との認識はなく、もはや忘れられた子供達となってしまった様子でした。



「あのコッコドゥ達の卵だった可能性はありますね。それじゃあコッコドゥ達に子供達をお返ししましょう。え?彼らは子供として認知しないって言ってるんですか?じゃあ私が面倒をみないといけないという事ですか。まあ情も移っておりますしペリーカン達を育てた経験もあります。なんとかなるでしょう」



という事で、ピヨコ達の保護者には制服女子が決定のようです。

刷り込みも済んでる訳で、文字通りの親子体制の出来上がりです。

変顔の雪ウサギも、いつの間にか彼女の胸に入っていたし、それでいいのか制服女子メイさん。


何にしても無事に暗闇空間から全員が脱出を成功。

さっそくログハウスに向け出発です。


従魔に聖獣にヒヨコ達と侍女さんズ+制服女子。

何ともいえない混成団体ですがアルタクスさんに合流出来れば何とかなるでしょう。


こうして私達はペリーに先導させ、レオナルドに監視されたG13を抱えての出発となりました。


目指すは荒野にある私のログハウス。

先ずはアルタクスさん達に合流し、オルデアンちゃん達救出を目指します。


はい、レッツお煎餅の家!


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