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第357話 ダンジョン草原地帯再び2(真っ黄色)

ダンジョン草原地帯

カーナ視点



メイさん?

名産?⋯⋯⋯誰だっけ??(何だっけ??)


私が首を捻っていると、トコトコトコと草むらから現れた目が左右非対称なチワワな雪ウサギ?が私をジッ見てプルプルしています。

んん?

この特長的雪ウサギは何処かで???



カーナ「あ、制服の人!」

伽凛「制服は⋯⋯はあ、着てましたね」



名前で言われるから分からなかったんですが《制服の人》が途中から姿が見えなかったかも。

私の物覚えの悪さに伽凛さんに呆れられましたが、そーいや居たな、イケメン制服軍団に混じってた|イケメンじゃない制服の人《女の人》。

え、何処行った《制服の人》?!



テバサキ「コケケケ⋯⋯⋯」パタパタパタパタッ

テバサキ奥さん「コケコココッコケ」スタスタッ

カーナ「?!」



私と侍女さんズ伽凛さんが話ていると、空間の亀裂から人間サイズのニワトリが2羽並んで現れました。

背中には大きな風呂敷を背負っていて、そのまま草むらに座り込むと、風呂敷を置いてお互いに手ぬぐいで汗を拭っています。

自然体で夫婦の連携?


そうです。

うっかりしてましたが、テバサキ夫婦が居たんでした。

2羽は当たり前のような行動で引っ越し手順を行い、家財道具一式と産んだ卵を風呂敷に包んで運んできたのです。

まあ、魔物の引っ越し業者があればスムーズだったんでしょうが、こちらには画家(昔は猫型ロボット)も蟻もパンダも居ません。

勿論カンガルーも飛脚もです。

黒猫はやってないよね?


なので全て自分達で引っ越し作業をしなければならず、たった今になったのでしょう。

広げたはずの亀裂はジリジリと小さくなってきていたので、ギリギリ間に合ったのは幸いです。



「テバサキ、メイさんを見なかった?」

「コケ?コケケケコケケケコケケケコケ」

「自分は見てないと」



どうやらテバサキは見てない様ですね。

これはちょっと不味いです。

こうしている間にも空間の亀裂は狭まっており、このままではメイさんだけ閉鎖空間に取り残されてしまいます。



「は、そうだ、雪ウサギ!」



そうです。

さっき見た特長的な雪ウサギはメイさんが胸で飼っていたあの変態雪ウサギだったはず。

彼はきっと彼女の行方を知っているはずです。



「って?何処行った??あの雪ウサギ!」



ついさっきまで私を見つめていた変態チワワ雪ウサギ。

いつの間にか居ません?!

なんでやねん???



シュワワーーーーッ



ああ!?

どんどん向こうの暗黒空間が小さくなっていく。

ペース的にあと数分で人が通れる大きさの亀裂が塞がってしまいます。

取り急ぎは一か八か。

彼女に呼び掛けるしかありません。



「あー迷子のメイさん、迷子のメイさん、此方の草原で保護者の方々がお待ちですよ?大至急、草原の空間まで来て下さい!」



拡張器片手に最大ボリュームでお呼び出しをしましたが、私の声は届いたでしょうか?

これで来て貰えなかったら私がメイさんを暗黒空間に置き去りにしたってレッテルを貼られたあげく鬼畜認定受けそうです。

勘弁して下さい。



「おーい⋯⋯」

「は?!」



何処からかの遠い声。

もしかしてメイさん?

と、亀裂の真っ暗空間を見てみると、一人手を振って走ってくる制服があります!?

よく見たらメイさんでした。

良かった!!

これで鬼畜認定を免れそうです。



「メイさん!早く早く、コッチコッチ!!コッチが出口ですよーっ!」

「出口⋯⋯狭そうです。コレどうやって抜けたらいいです?」

「そのまま抜ければ大丈夫かと?」

「んっ、や!?んん!」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯????」

「なんかツカエて抜けられないんですが」

「はいぃ?!」



何とか亀裂まで彼女を誘導し出口を示してこちら側に来るように即したまではよかったのですが、どういう訳か亀裂を抜けられないと申されておりましてアクシデント発生です。

ただ亀裂はまだ十分な大きさを保っており、抜けられない理由が分かりません。

why?!



「あの、十分に抜けられると思うんですが??」

「つかえてるんです。先にこの子達をソチラに」

「この子達???」



あれ、メイさんの他に誰か居たの?

どうやら私の知らない誰かが一緒のようです。

彼女が不在だったのはそのせい?



「え、一体誰が?」

「さあ君達、コッチが出口だよ。ちゃんと迷子にならないように進んでね」



君達?

迷子だったメイさんが誰かに迷子にならないようにって注意してます。

説得力はありませんが要救助者が他にも居たという事でしょうか。

まあ誰であろうと真っ暗で何も無い世界に取り残したら、ヤッパリ私が鬼畜認定されてしまいますから、それを避ける為にもメイさんの行いは私にもウインウインという事で、ここは率先してアシストは当然と云えるでしょう。



「メイさん、時間がありません。私が受け止めますから早く他の要救助者をコチラに!」

「任せます。さあ、あの人に飛び移るんだよ」

「飛び移る???」



その瞬間、私は思いっきり後悔しました。


何故なら私の視界は真っ黄色のモフモフに全て塞がれてしまったのですから。


真っ黄色のモフモフって何なのよ!?


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