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第352話 ダンジョン異空間16(拮抗)

◆ダンジョン異空間

カーナ視点



黒アゲハ「ぐ、ナビ、この兵器を撃ち合った場合の想定結果は!?」

カーナ「ナビ?」

ピロン

ナビ《双方とも分子分解して消滅するリスクが最大値です》

黒アゲハ「くそぉ!」



黒アゲハが独り言を言って苛立ち紛れに悪態をついてます。

あ、今、ナビって言った?!

ナビってまさか、彼女にもナビちゃんがいるの???



ギロッ


「はひ?!」



えらいキツい目で睨まれました。

よっぽど思うようにいかないのが腹立たしいのか、相当に憎しみがこもった感じに睨まれてます。

そんなの知らんがな。



「撃ち合いは無っしだ。こうなったら腕力勝負で葬ってやる!」

「お互いに分かり合う選択肢は無い訳?物理で殴り合いなんて最近の青年漫画でもやらないわよ」

「黙れ!」



はあ、どちらにせよ、最悪の展開は無くなったという事。

向こうの申し出に従う道理は無いんだけど、このままではずっと睨み合いが続くだけだし、時間の無駄だからここは申し出を受ける事とします。



「いいわ。殴り合い上等じゃない。受けるわ。で、どうするの?」

「同時に《トールハンマー》を離す。その後に殴り合いだ!」

「はいはい、黒アゲハは熱血なのね」

「っ、10数える。10に達したら離せ!」

「分かった」



私が同意すると空中にモニターのような物が表れカウントを始めました。

この数字が10で兵器を離す。

それは同時に殴り合いの開始でもあります。


3→4→5→6→7→8→9→

カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

カシャ

「10!」バッ

「10!」バッ



空中に投げ捨てられる二つの《トールハンマー》!

それが全ての合図だったのです。

ここに赤パワードスーツを着た妖精美少女VS黒パワードスーツを着た黒✕3妖精女の火蓋が切っておとされたのでした。



黒アゲハ「うおおおっ、この死にぞこないがぁ!サッサと消えろや!」

カーナ「ザケンなコノヤロー、テメェが死ねやぁー!!」



ガシィンッ

ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカバカンバカンバカンバカンバカンバカンバカンバンズガガガガンズガガガガンズガガガガンズガガガガンガスン



刹那、1秒の二分の一以下で繰り出されるパワードスーツの拳はお互いに激しく打ち合いが始まったのでした。

ほぼ同等の速度で繰り出される拳は力も速さも一進一退、赤と黒の光は空中で何度も激突しつつ、それでもお互いに退く事はありません。

私は絶対負けられないし彼女の憎悪は相当なもの。

もはや話し合う事なぞ遥か彼方。

私も相手が消しにきている以上、その力を緩める訳にはいきません。

負けられないのです。

だって負けたら貴重なタモ網級イケメンとイケメン予備軍達を奪われたままになってしまいます。

アルタクスさん達は私のモノですので、ここは断固徹底抗戦しかありません。

大体、人のイケメン奪っといて私に消えろとか、あり得ないしふざけんじゃねーです。

顔が私ソックリなのも納得出来ないしサッサと皆んなを返しやがれと言いたい。

どちらにしてもこの殴り合い、勝つのは私しかありません。

負けねーからなコンチクショー!!



それから打ち合う事数十分、お互いに譲らないまま時間が推移していきました。

繰り出される拳は双方共にパワーダウン。

パワードスーツのエネルギー枯渇が顕著です。

元々パワードスーツの性能は拮抗していました。

当然ながら戦力的に差がつくはずもなく、決着がつかないと気づくのは当たり前でした。



「ハアハアハアハアッ、くそぅ決着がつかん」

「はあはあはあ。そりゃそーでしょ、戦い方だってAIに丸投げだもん。ほぼ同じ戦い方になるのは当たり前だったから⋯⋯⋯何で私を消そうとするのよ」

「目障りだからだ。お前の存在が私の再生計画を狂わせる。これ以上、お前の活動を認める訳にはいきないのだ」

「サイセイ計画??」

「『再生』だ!!」

「何の再生なの???」

「うるさい、お前が知る必要はない!」

「あっそ、ならどうするの?私は消えるつもりは全く無いからね」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

「そんな事より、アルタクスさん達を解放しなさいよ。彼らはアンタのその計画とは関係ないじゃない!」



さあて、お互いに打つ手無しで一旦距離を取りました。

その間に黒アゲハを説得しようとしたのですが、彼女からは折れるような雰囲気はありませんね。


どうしても黒アゲハは私を消したいようですが、私は彼女に恨まれるような事をした覚えがないんです。


困りましたね。


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