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第312話 薄暗い平原リターン6(荒野に生きる)

◆ダンジョン✹薄暗い平原

カーナ視点


さて、だだっ広い平原で引き続きお一人様中のカーナ・アイーハです。

いや?今は3羽とお一人様?

どうでもいいですが現状をお伝え致します。


現在足元には簀巻きにした雪ウサギが1羽転がっていて、その頭にはお供え餅みたいになった段重ねタンコブがしっかりと生えてます。

そして顔は依然として冷たい目の無表情ですが、それでも涙を流してるのはタンコブが痛いせいでしょう。

更に辺りに散らかる黒い部品は再組み立て出来ないように私が分解したアサルトライフルのモデルガンです。

ざまぁ。

しかし無表情顔で涙流せる器用さは只々不気味でしかありません。

近くの木の枝でツンツンしてみましたが、エビぞるだけで彼の無表情が変わる事はありませんでした。(ぴくぴくします)

筋金入りの暗殺者気分ですか。

まさに何とかに刃物ですね。

取り敢えずレオナルドに要観察を命じ、私は怪鳥に餌を与えている今日この頃です。



「てっ言うか、遭難者が寄り集まっただけじゃない?!何の進展も無いんだけど」

『おい、オレはいつまでコイツ(G13)を監視してなきゃならないんだ?何とかしてくれ!』

「一生?」

『嫌だーーーーーーーーっ!!』



はい、そうこうしてる内に再び陽は傾きました。

すぐに星が降るでしょう。

今日もオルデアンちゃん達と合流できる夢を見つつ、ジャグジーに浸かり湯けむりを味わいました。


(明日はきっと逢えるよね?)


今日も星が降り始めて流れ星に窓から願いを届けます。

流れ星は沢山有って願い事も尽きません。

何かロマンチックですよね。



『おい、さっきから1時間も念仏唱えて楽しいんか?念仏ならどっか外でヤッてくれ。次がつかえてんだ。はやく風呂から出てくれよ』

「はーっ念仏じゃなく願い事よ。間違わないでくれる?だいたいペンギンの癖に何で風呂に入るのよ!お風呂は温かいのよ!?」

『ペンギンだからだぜ。水が無いのにペンギンがいたら何だか虚しいだろうが!それにオレは頭の羽根がチャームポイントなんだ。手入れしないとヤバいだろが』

「はあ?」



レオナルドが変な価値観で頭を撫でてます。

そのツンツンした羽根がチャームポイントって、フン・ボルトペンギンの繁殖に頭羽根がメスへのアピールポイントだと誰が知ってますか?

ホントにドーデも情報に呆れるしかありません。

って、勝手に何言ってんの?

私はペンギンにジャグジーの使用許可なんて出した事はないんだけど!



「羽根まみれになるからジャグジー使用禁止」

『ああっ!?オレに風呂を使わせねー気かよ!ふざけんじゃねーぞ!』

「当然でしょ!どこの家がペンギンに風呂を明け渡す訳?あり得ないんだけと!」

(あるじ)のくせに横暴だ。勝手に使わせて貰うぜ!』

「あ!?」



ガラガラッピシャリ



「ちょっ開けない?!開けなさいよ、こらぁ!」



私が風呂場にレオナルドが入るのを拒否すると、ヤツは勝手に手拭い持って風呂場に籠もってしまいました。

なんて乱暴で身勝手なんでしょう。

それに全然(あるじ)を敬う態度が見受けられません。

従魔である事も疑われるんですけど!



「はあ、こんな奴らとずっとこの荒野に暮らせないわ。ああ、イケメンが足らない!!」



最近、イケメン欠乏症が悪化して胸を締め付けます。

ついつい亜空間収納から取り出したタモ網は既に百を越えました。

自分でも分かりませんが、私の精神安定には一定レベルのイケメンが居ないと平静を保てないようで、ベリーやレオナルドにイライラが溜まる一方で不味い事態です。

せめてイケメン予備軍の一人でも居れば良かったんですが、今の状況を嘆いても事態の好転に何ら寄与する事はありません。



おお、ロミオ。

貴方は何でロミオなの!

イケメンは生まれながらのイケメンで、ロミオもイケメンだからモンスターボールでゲットして沢山貯めておきたいわ。

イケメンのイケメンによるイケメン為の政治。

ずっとリンカーンしているけどリンカン学校とは関係ありません。

え、林間?

何の事???



ガコンッ



そうしてイケメン禁断症状が激しくなる中、私の背後で何か音がしたそうな。

めでたしメデタシ。


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