第305話 ???28(てんい?店員?転移!)
◆ダンジョン✹???
カーナ視点
えーグラサンの黒ウサギに一箇所に集められた私達。それを離れて見ていた羽根スライム妖精、錬金ちゃんでしたが、私達が一箇所に集められたのを見て気になって戻ってきました。
と、いうのもこの子、好奇心が随分強いらしく、神殿に入った早々に私達から離れ、神殿内のアッチコッチを一人で見て回っていたのです。
なんていうんですかね、まだ遊び盛りの落ち着かない5歳児みたいな感じで、まあ、そこが以外と可愛いもんです。
ここまでの行程では仲良し侍女さん達に気に入られて、二人の周りをクルクルと回ってましたね。
年上女性に人気みたいです。
そんな錬金ちゃんですが、突然に私に話かけてきました。
それも《皆で何処かに行くのか》です。
どういう事でしょうか?
「錬金ちゃん、何処か行くって私達が?」
「うん、そう」
「どうしてそう思うの?」
「⋯⋯⋯分かんない」
分かんないって、分かんないのに聞いてきたんですかね?
この子、幼い感じだから感受性は高いんですが、其れだけに感覚で物事を判断する事が多いようで、その発言も感覚的で所謂幼子の戯言として聞いた方がいいのかも知れません。
「だって魔法陣に乗ってるから」
「え?」
その時、足元がピカッって光るとそこに浮かび上がるのは床一面の魔法陣。
え、これって前に見た事がありますよ。
そう、チラっと見えただけですが、あのメカ鯛女中頭さんが使っていた転移用魔法陣にソックリなんです。
という事はどっかに飛ばされるじゃん!?
グワンッ
と、思った瞬間でした。
某浦安ランドシーのアトラクション、タワーオブなんちゃら(二度と乗らねー)みたいに心臓バクバクもんの落ち込みを感じたと思った途端、視界が180°回転して天地逆さに反転しました。
そして悲鳴を上げる間も無く世界は暗転したのでした。
ナンノコッチャ。
※※※※※
「んん?」
そして目が醒めると?
辺りは再び薄暗い平原のど真ん中?!
360°何処を見ても薄暗い地平線が続く、もの悲しささえ感じる夕暮れの世界。
またココに逆戻り???
スゴロクやって無いんだけど!
グワングワングワンッ
「って、頭痛!世界がぐるぐるで、まだ転移の余韻がたっぷりと!?」
いやいや勝手に転移はご法度です。
ちゃんと本人に許可を取って下さい。
とー其処でハタッと気付く私は鈍感??
辺りに誰も居ないじゃん!
私が一人になってるって事なの???
「いやはや私が一人はキツいでしょ!せめてスーパーイケメンのアルタクスさんプリーズ!」
((そこは仲間妖精の名前とか呼ぶところじゃないんですか?))
「???」
と、私の叫びに応答があって慌てて振り向く私。
どーして皆背後から声掛けするんですか?!
などと思いながら見ると、そこに居たのはあの謎の強奪犯の茶髪ゴーストゾンビ少女?!
「あ、強奪犯人ゴーストゾンビ少女!」
((誰が強奪犯人ですか?!先に盗んだのはアナタなのに?))
「盗んだ?私が?」
((記憶にないんですか?そこで首を傾けないで下さい!))
そーいえば少女配下のゴーレム達も盛んに私達を盗っ人呼ばわりしてましたね。
メンバーの誰に言ってるか分からないから、ああ、誰か恨みを買ったのかしら程度の反応で他人ごととして聞いてました。
じゃあ、私に対して言っていたという事?
((⋯⋯ホントに記憶が無いんですね?))
「⋯⋯ホントに記憶が御座いませんね」
えー思いっきり頭を傾けて分からないをアピール。頭重いんかって思われてもおかしくないくらい傾けました。
それをジト目で見つめるゴーストゾンビ少女。
見つめちゃイヤン。
((はぁーーーーーーーーーーーーーっ))
うっわぁ。
ゴーストゾンビ少女がメッチャ長い溜め息をついて、ガックリと頭を下げました。
そんな長い溜め息したら思いっきり幸せが逃げてしまいます。
止めた方がいいのに。
しかも眉間にシワがあってヒューリュリ様みたいに悩み多し??
まだ若い(小学生低学年くらい?)のに今から悩み多かったら長生き出来ませんよ。
人生相談でものりましょか。
あれ?
ゴーストゾンビって既にお亡くなりなっているから長生きも人生相談も要らないんじゃない??




