第303話 ???(宗教?)
◆ダンジョン✹???
カーナ視点
とにかくテータニア皇国皇家行事である《雪ウサギ狩り》、その被害者達が無事?に生きていたのが分かったのは良かったのですが、その当事者達が何かやべぇ宗教に集団入信して訳の分からない事になっているのだけは判りました。
それで、この状況に一番心痛めてるであろうヒューリュリ様に目をやると、何だか眉間にシワがシワシワしていて何だか大変眩しそう?
大丈夫でしょうか。
「ヒューリュリ様、何が眩しいの?」
『違うのだ主。我はずっと此奴らを心配しておったのだ。神の森の守護者としては当然な事で、他の雪ウサギ共からも捜索を頼まれていたからな。だが此奴らを見たら今の神の森にいる雪ウサギ達と何ら変わらん様に見えてしまい、何だか混乱しておるのだ』
「神の森の雪ウサギ達と変わらない?」
『つまりだ。何を言いたいかと言うと、此奴らからは悲壮感とか抑圧的雰囲気などが感じられない。しかもまるで主に感化された神の森の雪ウサギ達みたいに非常識に見えて、同じ様に不安を感じて混乱しておるのだ』
「私に感化された雪ウサギは非常識なの?!」
ビクッ
『い、いや主、別にそういう事を言ったわけではないぞ。奴らは我にもよく分からない行動を取るのだ。だからな、けっして主のせいだとは?!』
「ほほう、雪ウサギの異常行動は私が全ての元凶だと?なるほど。ヒューリュリ様は素晴らしい見識をお持ちだというわけですね。感服致しました。政治家を目指せそうですね」
『あ、主?』
あーそーいう事ですか。
日頃からヒューリュリ様が私にどんな事を思っているのか、今日はハッキリ致しました。
ちょっと腹が立ちましたので、駄犬さんには駄犬なりの処罰を後で与えようと思います。
何よ、非常識って!?
駄犬様の常識が世間一般の常識と同等なんて誰が分かると思うのですか。
神の森で長きに渡り引き篭もりをヤッていたヒューリュリ様です。
その常識が世間一般の常識と同じなんて証明出来る訳ありません。
《駄犬の駄犬による駄犬の為の政治》
BYエイブラハム・ヒューリュリカーン
駄犬が政治を語ってもそれは何処までいっても駄犬政治。(そもそも駄犬政治って何?)
上手くいくわけありません。
もういいです。
それで従魔の性か、私の表層意識を汲み取り涙目になりましたヒューリュリ様です。
ですが私は知りません。
暫く放置プレイとさせて頂きます。
ガチャッガチャッガチャッガチャッガチャッ
「うえ!?」
その時でした。
彼ら黒ウサギ達が私達の包囲を完了させた後、突然どこから出したか分かりませんが全員がR国製トカレフ&マカロフのモデルガンを出し、その銃口を此方に向けたのです。
三角サングラスに黒黒でRマフィアさながらです。はいぃ?!
『ワレワレハ黒ウサギ団ダ。オ前達ハ既ニ包囲サレテイル。無駄ナ抵抗ハ諦メ直チニ降伏セヨ』
(実際の音声▶きゅい、きゅきゅい、きゅいきゅいきゅいきゅいきゅい)
ええ、いわゆる降伏勧告というヤツですかね。
言いたい事は分かりましたが、残念な事にアルタクスさん達人間には雪ウサギ語が分かりません。
スマホが無いから同時翻訳アプリも活用出来ないし殆ど一方通行です。
しかもこの世界には基本的に銃はありません。
だから多分皆さんには黒ウサギが棒を持ってナンジャラホイ?くらいにしか思ってないと思います。
因みに雪ウサギ言語が分かるのは、ココにいるメンバーでは私とヒューリュリ様、そして女騎士の胸元に埋まる雪うさテト(たぶん♂)だけです。
つまりですね、アルタクスさんやイケメン予備軍、女騎士と仲良し侍女さん達は可愛い黒ウサギが棒を持ってダンス踊ってるくらいの認識しか無いのです。
ギャップ半端ねーであります。
『ソコ動クナ、撃ツゾ!』(きゅきゅい!)
「やばっ、アルタクスさんストップ!」
「カーナ様?」
チュインッ
マジにやべぇ。
たった今アルタクスさんの耳を掠め、ビービー弾が通り過ぎました。
危なかった。
スーパーイケメンがキズ物になるところでした。
アレは当たると結構痛い。
額に当たると《赤デコ》になります。
お陰でオデコの肉厚は普通じゃありません。
経験者はカク語レリです。
G13許さん!




