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第295話 ???18(満たす魔力)

◆ダンジョン✹???

カーナ視点


バチバチバチバチバチバチ⋯⋯⋯⋯⋯⋯

シーンッ


さてさて土遁(どとん)の術を成功させ、プラズマ鳥籠から逃れようと画策した私達。

固唾を呑んで聴き耳を立てていたらバチバチいってた音も消え、そろそろカクレンボも終わらせたいなーと思っている今日この頃です。



アルタクス「カーナ様、どうでしょうか?」

ヒューリュリ『(あるじ)、どうなのだ?』

カーナ「はい、二人とも慌てない。で、バチバチ音は消えた。外の様子は分からない。ならば浮上するしかないでしょ。ナビちゃん、ノア方舟はこれより浮上よ!オーケー?」

ピロン

《了解しました。これよりノアの方舟、浮上します》



ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ



はい、ここで例の宇宙戦艦アニメのオープニングをイメージ。

地面が盛り上がり中からノアの方舟がカッコよく現れたところだと思います。

ただ残念なのは、その勇姿を私が自分で目視出来ないという事実。

乗り込んでいる訳だから当たり前ですか。



(『おおーい、聞こえるかよ、生きてるか??』)



それで頭に響くガナリ声。

私の従魔レオナルド(フン・ボルトペンギン)からの念話です。

すっかり忘れてましたがレオナルド、雪ウザG13、怪鳥ペリーは上空の安全圏で待機中だったのでした。

どうやってるのか知りませんんが、また赤外線スコープの光が挨拶代わりに額に当たります。

フザケンジャネー。



「うるさいわね、勝手に殺すんじゃないわよ。ちゃんと全員無事よ。見てたんなら外の情報を教えなさい。敵は何処にいるの?」

(『ああ、アンタぐらいの小さい変な女がいたんだが、さっき慌ててどっかに行きやがったぜ。アレ、アンタの仲間か?』)

「小さい変な女?の同類って、私も変な女認定なの?!」

(『自覚ねーのか?十分その素質があると思うが?』)

「レオ、ぶっ飛ばす!」

(『ダハハハ、言葉が悪かったな。あー、どういう訳か知らねーがあの女、アンタそっくりだったんだ。その背中の羽根も似てたしな』)

「背中に羽根があって私にそっくり???」

(『ああ、ありゃ間違いなく妖精だな。何でそう思ったと思う?お前と似た魔力の波長があったからだ。なんつーかフワフワする掴み所の無い感じっていう?』)

「は?」



何なの、その謎謎的魔力の話は?!

私は正体不明な危ない人物になってない?



「私は不審人物か!?」

(『そういう話じゃないんだが、ようはオレ達とか、この世界とは異質な存在という事さ。アンタもだが考えてもみなよ?そのアンタらが乗り込んだ船?それもそうだが何もない空間から物を取り出せ、その物もこの世界の(ことわり)から外れた規格外。従魔に物理的精神的影響を与え、ダンジョンにも少なからず影響を与えられる者。それはこの場にいる中でアンタだけだろう?オレだから判るが、このダンジョンを満たしている力はアンタが纏うその魔力にソックリだ。長年ダンジョン住まいしてたオレはダンジョンの魔力がよく分かる。間違いなくアンタの魔力はこのダンジョンを満たしてる魔力に似ているんだ。そしてそれは魔物やオレ達聖獣が纏う魔力とはまた違う。あえて言うなら、まるでソコに居ながら別世界の力が流れてきているような、か?まあオレの考えだ。忘れてくれ』)



ダンジョンを満たしている魔力が私の魔力にクリソツだと?

メッチャ混乱した私は頭抱えて悩みます。

そんな爆弾投げつけておいて、最後は《オレの考えだ》で終わりにするレオナルド。

いい加減過ぎてフザケンジャーです。

取り敢えず合流したら首根っこを押さえてやりましょう。


間もなく完全に浮かび上がるノアの方舟。

そこにやっと合流した怪鳥ペリーが甲板に着陸すべく、今まさに回りを旋回しています。

その上からベロ出しして手を振るレオナルドと、赤外線スコープを私に当てたままの雪ウザG13はいりません。

合流はお断り願います。



合流後、レオナルドをひっ捕まえて先ほどの謎考察を問いただしましたが、やはり聖獣とはいえタダのペンギンです。

腹が減ったと野生に戻り、マトモな会話が成立しませんでした。


ペンギンは南極に帰れ!


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