第283話 ???6(散らばって?)
◆ダンジョン✹???
カーナ視点
とにかく一気決着は有り難い事。
これで邪魔が取り払われ、オルデアンちゃん達捜索に弾みがつくというものです。
「メカ鯛女中頭さん、お見事です。そしてご無事で何よりでした」
((エネルギー損耗率60%。流石に疲れました。暫くは充電に励みます))
「充電?メカ鯛女中頭さん??」
えーどうやってるのか分かりませんが、メカ鯛女中頭さんは電気で稼働してるようで、これから充電に励むそうです。
いや電気って、あの戦いでどんだけ電気使ったんやん?
ピラッ
と、何処からともなく1枚の紙切れーーー?!
これは何ですかいな?
手に取ってまじまじと見てみます。
《龍宮電力株式会社使用電力請求書》
待てや。
龍宮電力株式会社って何?
そして紙キレが空中から現れた怪奇現象は置いておくとして、ソコから私に届いたのが電力使用請求書って???
と、金額を取り敢えず確認して目が魚っとしてビックリです。
¥63000
え、何で日本円?
しかも一般家庭の一ヶ月使用料金より高いですが、アレだけの破壊ビームを使用したのに何とも微妙な金額です。
謎謎過ぎて意味不明です。
えーと?
保険の説明書的下の米印に、皇国貨幣でも代替え支払い可能って注意書き?!
はいっ??
「えーと?取り敢えず払えばいいかしら?」
私は妖精ビール社長時代に脱税したヘソクリから、小銀貨六枚と大銅貨三枚を出して請求書に添えました。
日本円で同金額の価値になります。
するとキラキラした光と共に貨幣と請求書が消えました。
最後に1枚の領収書が残りました。
そこにはこう書いてありました。
《電気は大切にね。BY、でんこウナギちゃん》
どっかの電気会社マスコットみたいな絵でお尻からウナギのシッポが生えたキャラが吹き出し付で言ってます。
何なの、このキャラクター!?
って、メカ鯛女中頭さんを見たら、空中に現れたコンセントに着物袖から伸ばしたプラグを挿してました。
イヤイヤイヤ、絶対に謎過ぎでしょ、そのコンセント!
「あのメカ鯛女中頭さん、そのコンセントは?」
((亜空間コンセントです。便利ですよ))
「⋯⋯はあ」
サラッと便利という言葉で流されました。
私も欲しいと突っ込むところですが、合う家電を持ってないのでこの話はココまでにします。
って、請求書を私に回さないで欲しいんですが。
「カーナ様、守護者の方は何をされてるんです?我々の為に戦ってくれたあの方に代表してお礼を言いたいのですが」
「アルタクスさん、メカ鯛女中頭さんは只今休憩中です。私の従者になりますので、お礼は私が受けておきます。気にしないで下さい」
タモ網級イケメンのアルタクスさんが律儀にメカ鯛女中頭さんにお礼を伝えたいと言ってきました。
近衛隊の面々と侍女さん達は、アルタクスさんや女騎士と違い積極的に私やメカ鯛女中頭さんには近寄ってきません。
何となく壁を感じますが、その壁の理由は面倒くさい気がするので深く聞くつもりはありません。
とにかくその気持ちだけ受けとると伝え、アルタクスさんには引いて貰いました。
まあ、メカ鯛女中頭さんは寡黙ですので会話が成立しないと思いましたからね。
怪鳥ペリー「グワワーッ!」
ペリ馬鳥達「「「「「「「グワワ、グワグワ」」」」」」」
レオナルド『おい、コイツら飯だってよ!出してやれよ』
「はあ、やれやれだわ」
さっそくペット達の腹減ったコール。
けたたましく泣き喚くペリカン達に辟易したレオナルドが怒鳴り声を上げました。
私、コイツらの主なんだけど、こき使われています。
あーどっかの河川敷に捨てたいと思って《それは犯罪です》っていう政府広報を思いだし、ガックリして亜空間収納を開いている私。
めちゃくちゃ不幸だと思いました。
因みに同じ従魔のテバサキ達は《その辺の草》で自給自足してました。
埼玉県民並に逞しいテバサキ達。
偉いなぁと思いました。
ふと見ると、メカ鯛女中頭さんがうつらうつらしています。
頭に赤いランプが点滅し、その上に《充電中》の文字。
ああ、という事はメカ鯛女中頭さん、只今スリープモードに入っているようです。
暫く起きそうにありませんね。
という事は、この場所で暫く休憩となる見込み。
取り敢えずアルタクスさんに事情を伝えに行きましょう。
私はペリカン達に餌を与えレオナルド達に後を頼んだあと、近衛隊と侍女さん達のところに出向いて休憩時間が必要な事を連絡しました。
それで戻ってきたんですが、何かレオナルドが騒いでいます。
ペリー達がまた腹を空かせたのかしら。
だとしたら勘弁して下さい。
『大変だ主、大変なんだ!』
「はあ?何が大変なのよ、レオナルド」
『あ、あれを見ろよ!』
「はあ?」
と、言われてレオナルドが指差す方向を見てみると、何かが地面に散らばってます。
はい?




