第281話 ???4(ブラック・スター三兄弟参戦)
◆ダンジョン✹???
カーナ視点
((ドワハッハッハッ《赤いの》、苦戦してるじゃねーか))
ゴーレム軍団VSメカ鯛女中頭さんの戦闘も佳境になった、その時でした。
何と、あの黒いゴーレム三体が現れたのです。
つまりゴーレム側に増援です。
という事は6体から4体まで減らせていたゴーレム軍団は増援によって、7体に増えてしまったという事になります。
というか、あの3体はメカ鯛女中頭さんに倒されたのとは違う個体でしょうか。
量産型なら十分に考えられます。
赤ゴーレム大佐((今更何しに来た?貴様達は負けて破壊されたのではなかったのか))
黒ゴーレムG((ふん、ライラ様に復活して頂いたのだ。ライラ様は可憐であるから、我らは絶対の崇拝をしておるのだ))
赤ゴーレム大佐((チッこの幼女趣味が⋯⋯))
黒ゴーレムG((おい貴様、今オレ達を馬鹿にしたか?所詮、貴様には分かるまい。我らの崇高は想いを))
赤ゴーレム大佐((分かりたいとも思わん。そんな話はどうでもいい。重要な事は、お前達が私の指揮下に入るかどうかだ))
黒ゴーレムG((不本意だが、それがライラ様のご指示だ。入ってやる。だが勘違いするな。我らはブラック・スター三兄弟。貴様の指揮能力が我らを指揮するに値しないと見定めたなら、何時でもその指揮下から離脱すると思え。分かったか))
赤ゴーレム大佐((そっちこそ、足手まといなら何時でも切り離してやる。では其処から援護でもしていて貰おうか))
黒ゴーレムG((足手まといだと?!いいだろう。その時は勝手にヤラせて貰う。いいな、野郎共!))
黒ゴーレムO((おおGの兄弟、いつでもいいぜ!))
黒ゴーレムM((ふふん、腕が鳴るぜ))
何なの何なの?!
あの黒ゴーレムはどうやら敗者復活組のようです。
ちょっと厄介ですね。
それでも一時いがみ合ってたから、まだつけ込む隙があると思ったけど、アイツら結局協力して右側後方に下がり援護に徹するみたいです。
左側は緑ゴーレム達がバズーカ?抱えてメカ鯛女中頭さんを完全にマーク。
つまり、赤ゴーレムとメカ鯛女中頭さんを中心に、その左右に黒ゴーレム3機、緑ゴーレム3機が展開。
半方位体制を敷きつつ、赤ゴーレムとメカ鯛女中頭さんの一機打ちを見守ります。
これはいくら何でもメカ鯛女中頭さんが多勢に無勢過ぎ。
私達に援護出来る術があればいいのですけど、流石にあの頂上決戦のような舞台に上がるには私達はあまりに非力です。
何か方法はないものでしょうか。
赤ゴーレム大佐((で、海の守護者よ。私の戦略は完成した。如何に守護者が強くとも先ほどまでのようにはならんよ))
メカ鯛女中頭((⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯))
赤ゴーレム大佐((今のうちに降伏して盗っ人共を差し出すなら、これ以上の攻撃はしない。本来我らの立ち位置は対等であった筈だ。このように敵対するのはおかしな状況だと思う。元の関係に戻れないだろうか))
うーん、念話オープン回線の弊害でしょうか。
ここは何だかメカ鯛女中頭さんのプライベートを盗み聞きしてる気分です。
元の関係⋯⋯そうですよね。
彼らゴーレムが妹神の守護者なら、海の女神である乙姫ちゃんと妹神は姉妹女神。
その守護者は元々協力関係であったはずです。
だから当然顔見知りだったわけで、本来は共に主神を守る立場。
このような対立はあり得ない状況なのでしょう。
メカ鯛女中頭((嘗てはそうであったとしても私は海の女神の意向を受けています。つまり、彼の者達を守る事は海の者達の総意なのです))
赤ゴーレム大佐((交渉決裂か。お互いに不器用なものだな。残念だ))
メカ鯛女中頭((⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯))
赤ゴーレム大佐((⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯))
ガシャンッ《赤ゴーレムがバズーカ発射体制》
カシャンッ《メカ鯛女中頭、目からビーム発射体制である目のシャッターオープン音》
暫しの沈黙後、再び戦闘体制に移行する二人?
呼応して半方位体制のゴーレム達も戦闘体制に移行します。
メカ鯛女中頭さんに向けられる大型バズーカ?の数は7。
どう考えても圧倒的にメカ鯛女中頭さんが不利。
どうすれば!
「ヒューリュリ様、今回はメカ鯛女中頭さんを援護しないとヤバいかも」
『主に言われなくとも分かる。間違いなく鯛女中は死地にあるぞ』
「ヒューリュリ様、援護出来ないの?」
『出来るのならとうにやっている。我の風魔法ではあのゴーレムの強力な防御力を突破するのは無理なのだ』
「囮くらいは出来るよね」
『主、奴らは我など眼中に無いと思うぞ』
「駄犬が役に立つチャンスよ!」
『主、あんまりなのだ』
アレレ?
囮のお願いをヒューリュリ様にしたら、また足元に水溜りが出来ました。
私、ヒューリュリ様に何かしましたか?
レオナルド(『お前、無自覚に酷いからな』)




