第278話 ???
◆ダンジョン✹薄暗い平原
カーナ視点
コーンッ
リンリンリンリンリンリンリンリンリンリンッ
は?
何ですか、この異音は?
私達が予定通り行軍していると、何処からともなく鈴のような異音が聞こえてきました。
ハッキリ言って音源が分かりません。
と、いうのは、音源が全域の四方八方から聞こえていて、音源を絞る事自体が無意味な状況。
全員がアッチコッチに振り向いて、訳わからず戸惑っているといったところでしょうか。
「カーナ様!この音は一体なんでしょうか?」
「アルタクスさんメンゴ、私にも分かんないわ。あ、メカ鯛女中頭さんなら?!」
えーせっかくタモ網級イケメンのアルタクスさんに頼られたんで、頑張って考えましたが音の正体が分かりません。
仕方なく、答えをお持ちの一番可能性のある、メカ鯛女中頭さんに話を振ってみました。
はい、メカ鯛女中頭さんインタビューをどうぞ。
((強大な魔力を感じます。何者かが大きな魔法を発動しようとしてますね))
って、其れだけかーい!?
何の解決にも至りませんでした。
こうしている間も鈴のような異音が鈴なりです。
煩くて叶いません。
誰か耳栓を持ってきて下さい。
(《おい、気がついているか?》)
はい、何でごさいやしょうレオナルドさん?
突然の通信は耳が痛いので事前通告をお願いします。
(《おい、こっちは真面目なんだ。ちゃんとした念話で返せ。それにお前、本当に気付いてないのか?足元を見てみろ!》)
(《あぁ?》)
レオナルドが喧嘩売ってきたんで一瞬殺意が湧きましたが、足元がどーたらこーたらって何言ってんだかです。
『主、これは魔法陣だ。それも特大だぞ!』
「はあ?」
と、ヒューリュリ様が乗り物の癖にペラペラとレオナルドと連携して何だと?
陸戦遊撃戦闘車両ヒューリュリの癖に勝手に人語を喋るなです。
中古車販売店に売ったろかって思いましたが、流石に軍用車両の引き取りは無いでしょうか。
と、渋々地面を見たら、何かライン状に地面が一部光ってますね。
ナンジャコリャってラインの先を見てみたら、枝分かれする光るラインがアッチャコッチャって、これ、誰かが蛍光塗料で地面に落書きでも描いてるって事なの?
何だかこんな人っ子一人も居ない平原に描くなんて、ナスカの地上絵ばりの絵と同じに描いてくれなきゃ誰も気付けないじゃない、って思いつつ見上げたら、怪鳥ペリーの上からレオナルドが◯のゼスチャーをしてたりします。
成る程。
つまり何処ぞのお馬鹿さんがナスカの地上絵をここに再現して、レオナルドが発見したという何とも下らない結末になってる次第です。
で、◯?丸?まる?マル?、そんでもって真っ直ぐな一本線も幾つかある???
何だ、そのゼスチャー?
どんな図形やねん!
(《だから言ってんじゃんか。お前らは今、バカでかい魔法陣の上にいるんだってよ!》)
魔法瓶?でなく魔法陣です???
はいぃ?!
ビカァーーーーーーーーーーーーーーッ
ヒューリュリ『うおっ、魔法陣が発動しただと!?』
カーナ「だーっ、眩しさ、迷惑級だわ!」
テバサキ「コケケー!?」
テバサキ奥さん「コケケー!?」(似たもの夫婦)
アルタクス「こ、これは!」
女騎士「うわっ、は?テト、大丈夫か?」
雪うさテト『キュイキュイッ(極楽極楽)』(女騎士の胸に搭乗中)
イケメン予備軍5人「「「「「うわぁ!」」」」」
ペリ鳥馬7羽「「「「「「「グワーッ!」」」」」」」
怪鳥ペリー「クワワ、グワーッ」
レオナルド『うわお、コッチまで魔法陣効果が発動するのか?勘弁してくれーっ!』
雪ウサG13『⋯⋯⋯⋯⋯⋯』カチャ
オルデアンちゃん侍女「きゃああ!?」
織姫ちゃん侍女「テリア、掴まって!」
メカ鯛女中頭さん((これは妹神様の魔法陣⋯⋯⋯))
こうして突如光に包まれた私は、再びエレベーター急降下のような気分を味わい、口を押さえつつ健気に吐き気に耐えたのでした。
矢田あきこ。




