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第271話 薄暗い平原5(濡れ衣)

ダンジョン✹薄暗い平原

カーナ視点


「テリア、何かの見間違いでは?それに子どものゴーストゾンビだったとして、本当にアナタの幼馴染みだという確証はないでしょう。あんな朧げ(半透明)な状態でハッキリ顔が分かる訳も無いと思います」

伽凜(かりん)、でも⋯⋯⋯⋯」

「今は私もアナタもお仕えする姫様を救い出す事が最優先の使命です。こんな所で滅入っている時間はありません。しっかりしなさい、テリア。オルデアン様はアナタが助けに来るのを待っているのですよ!」

「⋯⋯⋯!!」



あら、座り込んでいた侍女さんは同僚の侍女さんの励ましで、どうやら立直れたご様子です。

私の出る幕は無かったのですが、問題なのはそのゴーストゾンビの子供です。

アルタクスさんの話によれば、そのゴーストゾンビの子供を目撃したのはイケメン予備軍の一人と、今目の前にいるオルデアンちゃんの侍女のテリアさん。

それでイケメン予備軍の方の話によれば、私達の物資を物色したのは、どうもそのゴーストゾンビ子供だったとの事。

何でゴーストゾンビ子供が物資を物色したんでしょうか?

謎が謎過ぎて私には理解不能です。

ただ、幸いにも?盗まれた物は無かったとの事。

これがゴーレムと連携されたものなら、新型ゴーレムを三体同時投入し、その間に私達の物資を物色して何も取らないなんて、あまりに非効率でナンセンスな話です。


そもそも最大の謎は、そのゴーストゾンビ子供が《何を盗もうとしたか》という事でしょう。

盛んに襲ってくるゴーレムの言葉も気になります。

彼らはなんて言ってました?

私達を《盗っ人》と言っていたのではなかったでしょうか。

つまり私達のメンバーの中に、ダンジョン運営側の何か、大事な物を取った方がいらっしゃると?

あくまで可能性の話です。

ですが、意図しての盗みなど、このメンバーに出来る人物が居るはずもありません。

あとは不可抗力的に盗んだか、運営側の濡れ衣の可能性も捨てきれません。

圧倒的に後者ですかね。


どちらにせよ冤罪であると考えますがダンジョン脱出を目指す私達にとっては、元々敵対関係にある運営側と馴れ合いをする必要はなく、その冤罪を晴らす必要もありません。

もちろん一方で、運営との接触で和解出来る事があれば、スムーズなダンジョン脱出が可能となる?という判断もあるのかも知れませんが、これまでの運営側の対応を見る限り、その可能性は限りなくゼロに近いと思います。


だいたい、このダンジョンという存在は何でしょうか。


前世ゲームや書籍の世界なら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

❶人間に有害な魔物を生み出すシステムがダンジョンで、人々は定期的に魔物を狩る事で魔物がダンジョン外に溢れるのを防ぐようにしている。

❷宝物の採掘がダンジョンのメリット。

❸ダンジョンは生きていて人間の侵入を誘い、魔物に殺られた人間を吸収して糧にしている。

❹ダンジョンコアが存在し、それを破壊されるとダンジョンの機能が消滅(死ぬ)する。それを防ぐ為、魔物やトラップなどダンジョンは様々な防衛手段を取る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

等など、様々な捉え方がありました。

どちらかと云えば、ダンジョン自身が自己保存の為に存在するという事でしょうか。


では、私達が囚われているこのダンジョンは何なんでしょう。


仕組みとしては至ってシンプルで

❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇

①ダンジョンが侵入者を中心部に進めないように様々な嫌がらせで対応している。

②死霊系ダンジョンで魔物としてゴーストゾンビやゾンビが存在し、ゴーストゾンビは加護無しでは触るだけでアウトで、低階層から現れ難易度高め。

③ダンジョン中心にコアに変わる何かがあり、それを取られる事を恐れている。

④運営側が存在し、乙姫さんの妹である妹神(いもしん)が関わっていて、元々は姉である乙姫さんの身体を守る為に作り上げたダンジョン。

⑤多次元多層化で守りに特化していて、最大の効果は広大な事。

❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇


という事に尽きます。


つまり乙姫さんの身体を守る為にダンジョンが生まれ、目的を達成された後にゴーストゾンビなどの魔物が増えて暴走してしまった。


って事ではないの?!


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