第270話 薄暗い平原4(飼育員は辛いぜ)
◆ダンジョン✹薄暗い平原
カーナ視点
ペリ馬鳥1「グワーッグワーッグワーッ」
ペリ馬鳥2「グワワッグワーッグワワッグワーッ」
ペリ馬鳥3「グワワッグワーッグワーッグワーッグワーッ」
ペリ馬鳥4「グワワッグワーッ」
ペリ馬鳥5「グワワッグワワッグワワッグワーッ」
ペリ馬鳥6「グワワッグワーッグワーッ」
ペリ鳥馬7「グワーッグワワ」
怪鳥ペリー「グワーッグワーッグワーッ」
レオナルド『おい、またメシの時間だとよ。あと俺も飯くれ。従魔だから主が飯を用意するのは当たり前だよな!』
テバサキ「コケコケコケケケ」
テバサキ奥さん「コケコケ」
ヒューリュリ『本当に小奴らは大食漢だな。呆れたものだ』
雪うさテト『ゴクラクゴクラク』
雪うさG13『⋯⋯⋯⋯⋯』カチャカチャ
女騎士「カーナ殿、いつも給餌をすみません」
イケメン予備軍「「「「「すみません」」」」」
アルタクス「私達にまで物資の提供、いつも助かりました」
はぁ、すっかり動物の飼育員と化した私ですが、イケメン達の感謝の言葉を頼りに前向きに取り組みますか。
《私は異世界の片隅で飼育員に生きる》
とか、新しい小説のタイトルが浮かびましたが、どう見ても異世界の動物園で骨を埋める話にしかなりそうにありません。
⚫カーナ回想、係員宿舎にて
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A飼育員(「カーナさん、きょうは聖獣フン・ボルトペンギンのお世話係ですよね?何でまだ部屋に居るんですか?朝からペンギン飼育小屋が煩くてほかの飼育員から苦情が出てますよ?」)
カーナ飼育員(「いや、あいつら、朝はいつもペンギン体操とかやっていて、ラジオをつけて変な動きをしていてウザいし、その後の絵画大会とか引率が大変で嫌なんです。最後は必ず絵の具まみれになるんで」)
A飼育員(「カーナさん!飼育員なんだから好き嫌いでの対応は困ります。ちゃんと仕事して下さい。でないとお給金が出ませんよ。だいたい先日のペリカン飼育が嫌だから飼育動物の変更してくれって言って、ペンギン飼育に変えて貰ったばかりじゃないですか。仕事に我儘過ぎます!」)
カーナ飼育員(「いやアイツら、バカみたい食ってばかりで餌やりが蟻地獄、すぐに補給しないとけたたましく鳴くし無理だったから⋯⋯⋯」)
A飼育員(「とにかく仕事なんですから、ちゃんとしないと駄目ですからね。サッサとペンギン小屋に行きなさい。もう少しで開園ですよ。今日はテータニア幼稚園の園児引率案件もあるんです。グズグズしてる暇はありませんよ!」)
カーナ飼育員(「ランプスタッフに電話します⋯⋯⋯⋯⋯」)
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とか、になりそうです。
勘弁して下さい。
(動物園スタッフの方、ゴメンなさい)
と、脱線しましたが、今は一人の侍女さんの問題です。
えーと、先ほどまで凄く取り乱していたんですが、今は落ち込んで座ったまま身動きもありません。
確か、オルデアンちゃんの侍女さんでしたよね?
何やら背中に《闇》が見えてますが色々と気のせいでしょう。
私は先ほどからイケメンの感謝で《飼育員の闇》から立直ったばかり。
彼女の闇まで面倒は見れません。
取り敢えず同僚の侍女さんが彼女を気遣ってますので、ソチラに彼女の立直り支援をお願いします。
詳しい話で私に振られても対応に苦慮しますので、あまり妖精使いを荒く扱わないで下さい。
「カーナ様、少しお話をいいですか?」
「はい!アルタクスさん、何でも言って下さい」
「は?何でも?あの?」
「住まいの相談から恋の占いまで、よろず相談受付ます。報酬は《1日アルタクスさんとデート券》で手を打ちましょう」
「?いえ、ちょっとご相談がありまして、実はあそこに座り込んでるテリアの事何ですが⋯⋯」
「人生相談ですか?アルタクスさん限定でゲフンゲフン、テリアさん?一体どうしたんですか?」
「その、彼女の話によれば、どうやら過去に行方不明になっていた幼馴染みがいたらしいのですが、その幼馴染みを直近で目撃したらしく、それ以来、あんな感じになってしまったんです」
「直近?直近って事は、このダンジョン内って事でしょう??彼女の幼馴染みはダンジョンに住んでいた、って事なんですか?」
へぇ、人間が長くダンジョン内で生きていたって事でしょうか。
まあ、多次元多層ダンジョンだから全く不思議じゃありません。
フン・ボルトペンギンのレオナルドやペリーの世界もあった訳だし、この世界で迷子で生きていたという事も十分有りえますから。
「その、住んでいた、という事になるかも知れませんが、どうやらその幼馴染み、ゴーストゾンビになっている様なんです」
「はい?」
ゴーストゾンビの幼馴染みって、それって⋯⋯もしかしなくとも故人では?




