第260話 大草原9(合流のナウシ◯?)
◆ダンジョン✹大草原
カーナ視点
ズズンッ
ズズンッ
ズズンッ
なおも近づく巨大物体?歩行音。
このままこの場所に留まる事は、ソレ事態がリスクになりそうな雰囲気です。
そんな訳で、メカ鯛女中頭さんの転移エネルギーが貯まるまでペリーを捜索しつつ、デカ目玉からの逃避行と相成りました。
ガサガサガサガサッ
進む方向の草原は1メートル以上の葦がメイン。
歩き出せば私達の姿はその中に紛れ、あのデカ目玉の視界からは見えなくなってるはずでした。
にも関わらず、正確にコチラを見据え追い縋ってくるデカ目玉。
私達を捕捉したまま正確に追いかけてくるのでした。
デカ目玉よ、なんでやねん。
目玉おやじのストーカーは勘弁して下さい。
そんな時です。
私の髪の毛がピンと逆立ち立ちました。
妖怪レーダーに反応です。
前先から強い妖気を感じます。
ヤバいわ、待ち伏せされてる?
私はチャンチャンコを脱ぎ、部下の妖怪達に戦闘準備を指示しました。
妖怪犬又『主、我は犬でも妖怪でもないぞ?』
妖怪隊長『隊長って何だ?隊長って??』
妖怪鳥又雄「コケケ?」
妖怪鳥又雌「コケコケコケケ??」
妖怪兎又『⋯⋯⋯⋯⋯』カチャッ
妖怪鯛ブリキ付喪神((私が妖怪ですか?違いますよ))
私の妖怪レーダーがメッチャ尖ってます。
前門の虎、後門の狼ですかね。
さあ妖怪大戦のクライマックス、決戦といきましょう。
どんなBOSSキャラが待っているのか?!
ガササッ
「あら?皆さま、ご無事で!」
「グワワッ」
「はいぃ??」
『ぬ、貴様であったか』
『うおっ、驚かせるんじゃねーや』
「コケケケ!」
「コケ?」
『⋯⋯⋯⋯⋯』カチャッ
((お仲間ですか?))
現れたのはトリウマ?に股がる風の谷の住民??ではなく、あの、皇国近衛の女性騎士でありました。
肩ではなく胸元?にはキツネリスのような雪ウサギが顔を覗かせております???
メーヴェは無さそうです。(無いのか⋯⋯)
彼女とはサードステージ体育館以来の合流となりました。
そして乗るのはトリウマ?ではなく、ペリカンのデカいの。
ペリーより一回り小さいサイズながら、大きさは馬並みのペリカンでした。
ナンノコッチャ。
「良かった。皆さんにやっと合流出来ました。それで、その、姫様方はどちらに?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
彼女の言葉に返答を窮しましたが、事実を伝えなければなりません。
その後、オルデアンちゃん達の再誘拐の事実と現状の状況を伝え、今後の私達の行動をどうするのか共に話し合う事となりました。
「⋯⋯状況は理解しました。色々困難な事態。全員一体となり対処するのが良いと考えます。取り敢えずは私達の本体に合流下さい」
「分かりました。ところでその、ペリカンは?」
「ペリカン?という鳥なのですか?とあるダンジョン階層で見つけた卵が孵り懐かれた結果です。今では他の兄弟も含め、私達と行動を共にしております。このように馬代わりにもなり結構助かってるんですよ」
さしづめペリーの親戚かご家族とか?
兄弟おるんかい??
どちらにせよ、ペリーと同種族のペリカン仲間ではないかと推測致します。
意外と世間は狭いんですよね。
あと、その胸元の雪ウサギは何?
「とにかくアルタクス殿に合流しましょう。付いてきて下さい』
「ですが、空中に浮かぶデカ目玉を何とかしないとならないんです。あの背後にあるデカ目玉、森からずっと追い回されてます」
ズズーンッズズーンッズズーンッ
やや離れたので音自体は小さくなりましたが、デカ目玉は今だコチラを見据え、追いかけは続いています。
このデカ目玉ストーカーを何とかしないと、このままではアルタクスさん達まで巻き込んでしまうでしょう。
「成る程。つまりあのデカ目玉を何とかすればいいのですね」
「ええ、そうです。ただ近づくにつれ、バカでかい音がして振動があります。霧で隠されていますが恐らく巨大な何かなんだと思います。戦って勝てる相手ではありま?」
その時でした。
私が言い切る間もなくデカ目玉に向かっていく近衛女騎士とトリウマもどき?!
「はいぃ!?」
「では私が倒しましょう。テト、カイ、共に行ってくれるか」
『キュイキュイィ』
「グワワ!」
「よし!ではヤッつけてまいります。ゆくぞカイ、テト!」
待てや。
戦って勝てる相手じゃねーって私が言わんとしてたらこの女騎士、聞かずにヤッつけに向かいやがりました。
しかもそのペリカンの名前が《カイ》だと?
某ヒロインが可愛がってたトリウマと同じ名前なん?
私はペリカンだったから安直にペリーでしたよ。
あとその胸元の雪ウサギ、極楽極楽って何?(女騎士には翻訳されない)
そんで名前がテトって⋯⋯⋯⋯⋯⋯。
焼き払え!
って言いたくなった今日この頃でした。




