第258話 大草原7(助っ人)
◆ダンジョン✹大草原
カーナ視点
チャカチャカチャンチャンチャカチャカチャンチャンッ
桜吹雪が舞いメカ鯛女中頭さんが踊りを披露。
それをスタイリーに乗り3Dメガネで眺めるヒューリュリ様とレオナルド、テバサキ夫婦。
更に、その前には御膳にのった見事なご馳走。
私が出した妖精ビールに舌鼓な従魔達です。
何で宴会始まってんの?
因みに前世の実家に埃の積もったスタイリーがまだあります。
スタイリースタイリー、スタイリースタイリー。
要らんわ。
❇❇❇❇
えー事の始まりは玉手箱から助っ人に現れたメカ鯛女中頭さん。
私がカクカクシカジカ、これまでの経緯を伝えると彼女からは
((では追いかける為の作戦会議です。飲食は可ですので持ち寄りたい物があればお出し下さい))
との事。
ならばと亜空間収納に入っていた妖精ビールや皇国エール、ツマミのホップ天ぷら等などを大盤振る舞い、そしたら全員出来上がってどんちゃん騒ぎに突入というわけです。
オルデアンちゃん達が誘拐されてる中で、作戦会議を騙ってどんちゃん騒ぎは不謹慎過ぎるでしょ、って私が苦言を言ったら、全員に《何を今更》みたいな顔をされました。
そこで今更の今更で気づきました。
あ、ビールやツマミ出したの、私だわ。
❇❇❇❇120分後❇❇❇❇
「うぃっ、それでメカ鯛女中頭さん、どうやって追いかけるのーっ?」
((私がココに来れたのはどうやってでしょう?))ガキョン
「ヒック、ナゾナゾ分かんなぁい」
((仕方ないですね。転移です。つまり私は転移で追いかける事が可能なんです))
「きゃはは、てんぐだって。誰が天狗になって追いかけるの?鼻高々ってか?きゃは」
((⋯⋯⋯酔っ払い過ぎですね))プシューッ
「頭から湯気出てるーっ。ヤカンだヤカン」
『主、飲み過ぎだ。もう止めるのだ』
「あにおーっ、駄犬だけに駄犬じゃねーっきゃはははは」
『あ、主、やはり我の事を駄犬と思って?!あんまりなのだ』
「泣いちゃう?また泣いちゃうのーっ?駄犬さーん。きゃはは」
『おい、お前ら悪酔いが過ぎるぞ?!こりゃひでぇな。絡み酒に泣き上戸に笑い上戸かよ。最悪だぜ』
「あーエセ芸術家ペンギンがなんかいってるーレオナルドナルド?ハンバーガー屋じゃん。きゃはははは」
『オマケに寒いギャグの乱発かよ?おおい?そのギャグは訳分かんねえぞ?!』
「コケコケコケケ?」
「おーテバサキじゃん。元気?あ、奥さん、こないだ旦那のテバサキ、他の鳥にチョッカイ出してたからご報告ね。きゃは」
「ゴケー?!」
「ゴケゴケゴケケケケ?!!」
「ゴケゴケゴケケ!」
「ゴケーッゴケケケッゴケーッ!!」
「あらら、修羅場じゃーん?まさに鳥つく暇もなしだねーっ」
『駄目だこりゃ。おい、駄犬!主がポンコツ極まれリだぜ?どーすんだよ!』
『貴様に駄犬呼ばわりされる云われはない』キリ
『いや、その《水溜り》前で姿勢を正して云われも威厳がまったく無いからな?』
コケコッコー
こうして会議は踊りましたとさ。
※※※※
ーーーーーーーーー数時間後ーーーーーーーーー
「いったあ!?頭ガンガンするっ」
アレ?
何で頭が痛いんでしょうか。
えー次の日?に草むらで起きたら、頭がガンガンに痛かったんです。
そもそも何で草むらに寝てたんでしょうか?
私達はオルデアンちゃん達救出の為、作戦会議をしていたはずです。
辺りを見回せば、大の字で寝てる駄犬とトゲトゲペンギンが居るばかり。
よだれタラタラやたらに気持ち良さげです。
オルデアンちゃん達が誘拐されて緊急事態なのに、私の従魔は緊張感のキの字もありません。
どっかにハリセン無いかしら。
「は?!」
殺気です。
突然の事ですが何者かが私を狙っています。
しかもこれは、間違いなく殺し屋の殺気です。
辺りに冷気が漂います。
パチんっ
「痛?!」
ヤラレました。
シッカリと額の急所に何かが当たりました。
一体何が!?
コロコロコロコロッ
「⋯⋯⋯⋯オレンジ色のビービー弾?」
ビービー弾です。
只のオモチャのビービー弾です。
良い子は人や動物に放ってはいけません。
コンチクショーに痛いです。
少し離れた草むらに、アサルトライフルモデルガンを向けてる冷たい目の雪ウサギを発見しました。
奴はやり切った顔で、勝ち誇るようにタバコに火を付け一服しようとしておりました。
私は殺意が湧いたので、亜空間収納から出した雪を糞ウサギにぶっ掛けてやりました。
遊ぶんじゃねーっ!!




