第249話 大森林5
◆ダンジョン✹大森林
カーナ視点
方角についてはひとまず後で考えるとして、今回は取り敢えず厄介者を追い出せた事で良しとしますか。
はあ、只でさえ身体バッキンガムで疲れてるところ、更に過重労働でもうさすがに飛べません。
ララちゃんくんの腹に逆もどりです。
ポプッ
はー、癒される〜っ。
ララちゃんくん「モキュキュ??」
オルデアン「カーナさま、それで拠点のお話は⋯⋯」
カーナ「そうなのよ。その拠点になるはずのお煎餅の家が無くなってしまったので何か別の方法を考えるしかないのだけれど」
織姫「ならば妾達で作るというのはどうじゃ?」
カーナ「織姫ちゃん、それは簡単じゃないわ。材料の調達から考えないといけないし設計図に組み立てにと様々な工程をクリアーしないといけない。少なくとも日が暮れる前には無理ね」
織姫「そうなのじゃ?なら、探すのはどうじゃ」
カーナ「拠点を探す?ああ、その考えは無かったわね。でも問題もあるわ」
オルデアン「問題ですか?」
カーナ「やはり日が暮れる前に探す必要があるし、その前に私達は休息を取らないといけない。まだ身体がマトモに動かないでしょ」
グル子「お姉様方、カーナお姉様の言う通りです」
アカリン「で、でも、恥ずかし、ながら、夜は、私が、明るく、出来ます、から、慌てなく、とも、いいので、は?」
カーナ「あ、それもそうか」
オルデアン「それにペリーもおりますし、イザとなれば逃げられるのでは?」
ペリー「グワワ?」
カーナ「そうなんだけど、ペリーは燃費が悪いからね。またバッテン魚を沢山出さないといけない。出せばいいだけなんだけど⋯⋯」
実は最近キッチンセットが調子が悪いんです。
いくら無尽蔵とはいえバッテン魚を出すのに時間がかかるようになりました。
いや時間がかかると言っても従来よりスムーズじゃない程度なんですが、今まで普通に出来た事が出来なくなるってヤッパリ不安になるじゃないですか。
なので守銭奴じゃないですが、ちょっとバッテン魚を出すのを減らしたかったのが本音です。
減らしたかったのですが、どうやらそれは無理のようで致し方ありません。
「では出来る限り安全であるような洞窟とかを探しつつ、見つからない場合は最悪野宿という事になるので、その時はペリーに護衛をお願いするという事でいいわ。ペリー、宜しくね」
「グワワッ」
という事で、明るいうちに拠点となる場所を探しつつ、野宿覚悟で一定の方角を探索する事となりました。
「で、どちらの方角に向かうのかしら?西も東も分からない。グルちゃんの出口方角を見つける矢印@も無くなってしまったようだし⋯⋯⋯」
あの警備員待機所で回収したグルちゃんのランドセル。
ララちゃんくんの捜索で忘れていましたが、ランドセルから矢印@が失われていたのです。
つまり今の私達は出口方角を見つける事が出来なくなった訳で、これが私が闇雲に突き進む事になったと仮定している最大の理由。
私の言葉に慌ててランドセルを見直しているグルちゃん。
もしかして気づいたのは今だったようです。
大事なランドセルが壊れていたのを知って彼女の気持ちはどんなでしょうか。
ショックだよね。
「カーナお姉様、それは大丈夫です」
「グルちゃん?」
彼女はランドセルを眺めながらポツリと私に言いました。
え、それはどういう事?
矢印@は壊れていないとか?
「実は矢印を動かしていたのはララちゃんなんです」
「はい??」
「モキュ、モキュキュ」
グルちゃんはニッコリ笑いながら顔を上げました。
それに呼応してウンウン頷くララちゃんくん?!
はいぃ?
グルちゃん、それはどういう事なの?!
「実はララちゃん、昔から出口を探すのが得意で、それで矢印を持たせて方角を決めて貰っていたんです」
「えーつまり?アレはグルちゃんのランドセル機能や能力ではなく、ランドセルの中にいたララちゃんくんが指示に従い矢印を動かしていただけだった?!」
「はい、その通りです」
「モキュモキュモキュキュ!」
なんて事でしょう。
今更ですが矢印@は、ララちゃんくんの《動物の感》で運用されていた何ともファジーなシステムだったようです。
いやララちゃんくん、そこで《僕偉い》みたいに熱弁されてもハムスター語は分からないから。




