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第248話 大森林4

◆ダンジョン✹大森林

バージョンUPお煎餅の家(ログハウス)

カーナ視点


何という事でしょう。

まさか、ここで28号社長に出会う事になるとは思いませんでした。

だけどお煎餅の家(ログハウス)を呼び出したのなら、普通は新しく家が構築されるものじゃなかったの?

住んでいる住民ごと呼んじゃうなんて聞いてませんよ?!

無駄に足手まといは勘弁です。 



『厶、外ノ景色ガ違ウ?ドウイウ事カネ、社畜従業員ノかーな君?』

「いや社畜じゃねーから!スキルでこの家を呼び出したら28号社長がいたんですよ」

『困ルヨ君、私ハ忙シイノダ。取締役会ニ遅レテシマウ。直グニ元ニ戻シタマエ』

「取締役会???そんなものまで作ったの?!」

『会社運営ニハ当タリ前デアル』

「そ、そうなんだ」



28号、雪ウサギなのに威厳が半端ありません。

まるで百戦練磨な経営者になってました。

私が離れていた間に一体何があったん?



「あの、カーナさま、その雪ウサギさんは?」

「さっきから雪ウサギと喋っているようじゃが、カーナたんは雪ウサギ語が分かるのじゃ?」

「ああ、人間に雪ウサギ言は分からないのだったわね⋯⋯⋯」



オルデアンちゃん織姫ちゃんに言われ、そうだったと思い出しました。

雪ウサギ言語が分かるのは妖精だけのようで、グルちゃんとアカリンは理解してると頷きます。


因みにギムレット商会(妖精ビール販売窓口)の人間にはモルト君(カーナが最初に呼んだ妖精)が通訳していて彼の就業時間はハンパない様子。

モルト君の過労死が心配です。(今更ですが)



『ダカラ元ニ戻ス事ヲ要請スル。至急ダ!』

「うわっ?!分かったからステッキを振り回さない。戻すから止めなさい!」



シルクハットに似合わないタキシードを着込んだ28号雪ウサギ。

手に持ったステッキの先端をブンブンと振り回します。

何て迷惑なんでしょう。

サッサと退場して貰います。

私はオルデアンちゃん達に一旦お煎餅の家(ログハウス)から出て貰い、家ごと《送還》する事にしました。



「じゃ、《送還》するわね」

『モウスグ有給切レダゾ。早ク出社シナサイ』

「じゃかましいわ、《送還》!」



ドヒュンッ



ドア奥から最後まで上から目線の28号。

お煎餅の家(ログハウス)と共に煙となって消えました。

達者で暮らせ、二度と戻ってくるな!



「あの、カーナさま?どちらに送還されたんでしょうか」

「ああ、多分最初にお煎餅の家(ログハウス)呼び出した場所だから神の森?かしら?」

「カーナたん、それって妾達が家の中に居たら、一緒に送還出来たのじゃ?」

「あ!?」



織姫ちゃんの指摘に私のおバカさに気づいて大後悔。

なんて事なの?!

送還可能なら私達、ダンジョンから出れるんじゃない!



「なら、もう一度召喚して再度《送還》すれば?!」

ピロン

《スキルお煎餅の家は最終召喚を終了しました。召喚スキルは消滅します》

「はい?!ちょっとタンマ。ナビちゃん、後出しジャンケン止めましょう?!」

ピロン

《スキルお煎餅の家の召喚は出来なくなりました。但しスキル自体は残りますので、引き続きの  お煎餅の家(ログハウス)のご利用は可能です。本日のスキルのご利用、有り難う御座いました》



ナビちゃんは何処かのアナウンスで淡々と召喚スキル消滅をご連絡。

蛍の光が流れます。

スーパーか!?



「終わった。私のバカバカ、最短ショートカットだったのに!」

「だけどカーナさま、その場合他の皆さんはダンジョンに残ったままですよね?」 

「え?あ」

「私達を助けようとダンジョンに来てくれたのです。アルタクス達を置いていけません」



そりゃそうでした。

オルデアンちゃんの言う通りです。

確かに一旦外に出たらここに戻るのも困難です。

やはり脱出は全員揃ってないと無理でした。



「そうじゃ、伽凜(かりん)を置いていくわけにはいかんのじゃ!」

「カーナお姉さま、お二人の言葉は当然です」

「恥ずか、しながら、私も、同じく、思います」

「皆の気持ちは分かった。私も同じよ」



こうして最大のダンジョン脱出チャンスを見送った私達。

次なる一手を考えなければならなくなりました。


先ずはこの大森林を攻略する事。

それは正確な出口の方角を見つける事に他なりません。


果たして私達は、正確な方角を見つける事が出来るのでしょうか?


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