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第238話 ミミランド21

◆ダンジョン✹ミミランド

ミミランド警備員待機所

カーナ視点


「でぇえい、獲ったドーっ!」

((わわっ!?))



手がチョコレートに伸びた瞬間、私はその手に齧りつきました。

驚き慌てる手の(あるじ)

だけど放すものかです。

更にドアが大きく開いたところでオルデアンちゃん、織姫ちゃんが掴みかかります。

そして(とど)めにアカリンが10000ルクスをお見舞いしました。

もちろんこれも予定通りです。




((ぐわぁーっ?!目が、目が見えないんだな!!な、な、何なんだな?強盗なんだな?!))

「んな訳あるかい!アンタが引き籠もってるから捕まえたのよ。ちょっと話を聞きなさいよ!オルデアンちゃん、織姫ちゃん、このまま引きずり出しちゃいましょ!」

「分かりました」

「任せるのじゃ!」

((や、止めるんだな!?勘弁なんだな!))



そして二人は難なくデブい警備員を家の中から引きずり出しました。

本来幼女が大人の、それも太った巨体を難なく引きずり出すなんて、そんな事は不可能なんですが今だ続くドーピング効果は凄まじく、私達はアメコミヒーロー並みにパワフルです。

あの栄養ドリンク凄すぎでしょ!

警備員は念の為、二人に簀巻(すま)きにして貰いました。

ちょっとヤリ過ぎ?



((ぐわああっ?だすゲテ!!))

「私らの知りたい事を聞ければ何もしないわよ」

((な、何を知りたいんだな?おでは無実なんだな!))

「アンタ、私の仲間からランドセルを奪った警備員よね?私の仲間を知らない?アンタを追っかけていったはずだけど」

((⋯⋯⋯知らない、んだな。僕は何も知らないんだな))

「知らない?そんな訳無いじゃない!確かにアンタを追いかけて行ったのよ。本当に知らないの?))

((⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯))

「ちょっと黙ってないで何か言いなさいよ?」

((黙秘権を行使するんだな。もう何も喋らないんだな))

「何ですって?!」



男は黙秘権宣言をした後、ずっとダンマリになってしまいました。

しかし自分で黙秘権宣言するヤツは決まって何かを知ってるに決まってます。

それにこの男、どうも何処かで見た事があります。

あの織姫ちゃんの海岸に居た??



「アンタ、もしかして⋯⋯⋯」

((し、知らないんだな。黙秘権なんだな!))



私が男の正体を見極めようと、深く被った警備員ハットを取ろうと動いたその時でした。



「カーナさま、家の奥からグルちゃんの声がします!」

「?!」



オルデアンちゃんの言葉に慌てて家の中に駆け込んだ私達。

そこで見たのは、籠の中で水着みたいに露出の多い服を着て泣いているグルちゃんでした。

エエっ!?



「グルちゃん!」

「シクシク、カーナさまァ?」

「その姿はどういう事?そしてグルちゃん、何で泣いてるの?!」

「その、ランドセル⋯⋯取られて、警備員さん、に追いついたんですが、どうしても返して貰えず、どうしたら返してくれるかのお願いをしたら、この服を着て籠に入れと」

「何ですって!?」



グルちゃんの姿はおヘソが出ていてピンクと赤のミニスカート、何かどっかの魔法少女系やり過ぎコスチュームになってました。

殆どオタク好みのスタイルです。

かなり恥ずかしい?



「でも言う通りにしたのに元の服を隠された上、籠に鍵を掛けられたんです」

「何ですって?それは監禁じゃない!」

「あと、返して欲しければコレに署名しろと」

「え?」



と、見せられたのは妖精サイズに縮尺された一枚の書面。

それは警備員『小山田太郎(おやまだたろう)』、『グル子』の婚姻届でした。

小山田太郎があの警備員の本名?って、それより婚姻届ーっ?!!



「あの自宅警備員、グルちゃんに無理やり婚姻を迫ってんじゃない!」



明らかに小学生低学年グルちゃんに、どう見ても三十代ド中年おデブがランドセルを人質に婚姻届にサインを強要って、それは完全に犯罪です。

そしてやたらに幼女を妻にしたがるあの感じ、あのダンジョン温泉海岸にいた浦島太郎みたいな漁師姿だったロリコンきもデブ犯罪男じゃん!?

あんのヤロー!



「ぶっ飛ばす。腕がなるわ!」

バキバキバギッ

「カーナさま、待って下さい!ランドセルが見つかりません」

「ランドセルが?」

「カーナさま、あっちに何かあります!」

「オルデアンちゃん?」



オルデアンちゃんが何かを見つけたようです。

私はとにかくグルちゃんを籠から出すと、彼女とオルデアンちゃんの声のする方に向かいました。

奥は別の部屋があり、そこにオルデアンちゃん、織姫ちゃん、アカリンが待ってました。

部屋奥は倉庫?のような棚が沢山あるんですが、暗くてよく見えません。

ここはアカリンの出番です。



「400ルクス!」

「「「「!」」」」



そこにあったのは沢山のランドセル。

それも赤やピンクの使い古された物ばかり。

何なの、これ?


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