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第237話 ミミランド20

◆ダンジョン✹ミミランド???

カーナ視点


シュタタタッ

ダダダッ

バタバタッ

バサバサッ


「カーナさま、身体が軽いです」

「足が速いのじゃ!」

「羽根、が、軽い、です」

「私もよ」



結果からすると、お菓子の家で飲んだ栄養ドリンクは私達に強いドーピング効果がありました。

お陰で私達は疲れ知らずにアチコチあったマンホール滑り台を次々と攻略していきました。

結果、私達はミミランドシーのほぼ全てのエリアに出没し、その度にミミマウス軍団に追われたり、ミイラ軍団が現れたり、ラプトルの群れに襲われたりしました。

ですが難なくそれらを回避した上、大差をつけて逃げれたのです。

オルデアンちゃん、織姫ちゃんは時速50キロ以上で走り、私やアカリンも同じ速度で飛んでも疲れません。

この世界の栄養ドリンク、やべーでごぜーます。


そして外れマンホールを大方攻略した頃、ついにミミランドのゲートウェイ前に飛び出ました。

つまり《当たり》を引いた訳です。



「や、やった!?当たりよ!」

「カーナさま、当たりで良かったです」

「早くグルちゃんを捜すのじゃ」

「恥ずかし、ながら、やっと当たり、です」



やりました。

ある意味振り出しに戻った感ありますが、これで直ぐ様グルちゃんを捜して合流すればバッチグーです。



「それでグルちゃんは何処かしら?」

「あ、あそこに何やら家があります」

「おお、きっとあそこにグルちゃんが居るのじゃ!」

「恥ずかし、ながら、助けに、いきま、しょう」



そうして家の前にやってきた私達。

家は某住宅メーカーの建売でした。

何で?



「ここにグルちゃんが?」

「あ、あそこに何か書いてあります!」



オルデアンちゃんが見つけたのは看板でした。

何々、ミミランド警備員待機所?



「ここ、警備員の待機所って書いてある。という事は、あの時ランドセルを取り上げた警備員がいるのかも。グルちゃんはランドセルを取り返そうと警備員を追いかけて行ったのだったわ。という事は、ここに彼女がいる可能性が大よ!」



頷き合い意気投合した私達。

さっそく警備員待機所のドアを叩きます。



「こんにちは。警備員さん、いらっしゃいますか?」


ゴゾゴゾゴゾッ


「「「「?」」」」



返事がないです。

ないのですが、中に人の気配があります。

明らかに《いやっしゃる》でしょう? 



「カーナさま、これはどういう事でしょう?」

「うーん、これはアレかな?対応が面倒で居留守を使われてるのかも」

「いるす?なのじゃ??」

「恥ずかし、ながら、居るのに、居ない、ふり、をする、方法です」



困りました。

居留守だと中の様子が分からないし、相手の情報も出てきません。

ならば



「えー、ママゾンですが商品のお届けにまいりました」

((は?玄関置き配でお願いしたんけど))

「そー何ですか?でもせっかくご連絡がついたので手渡しでもと思いますが」

((いや、そうゆうの要らんし玄関置き配でいいから。コッチ忙しいから出ないよ))



チッ

なんちゅー出不精なヤツ何でしょう!

中に居ながら置き配依頼なんて身体にカビ生えてるんじゃありません?



「カーナさま、どうしますか?」

「うーん、どうしようか。このままだと埒が明かないわね」

「出てくるまで待ってるのじゃ」

「待って、るのは、恥ずかし、いけど、それがいいかも?」

「他の案がないし、そうしようか」



という事で、適当に亜空間収納から出した物を置き配する事にしました。

何を置き配しましょうか。

あ、丁度いいのがあります。



「カーナさま、あの黒い塊は何ですか?」

「何を置いたのじゃ?」

「恥ずかし、ながら、分かりません」

「アレはね、お菓子の家のドアの一部よ。チョコレートだったから上の綺麗な所を割って持ってたのよ。それでちょっと味見したんだけどカナヅチでしか割れなくて文字通り歯が立たなかった。なので要らないから置き配したのよ」



ちょうど不要品となって処分に困ってたところです。ちょうどよい処分先になりました。



「そうだったんですね。カーナさまは私達には汚いから食べるの禁止と言っておいて、自分ではコッソリとお菓子を確保していたと」

「ズルいのじゃ!」

「恥ずかし、ながら、あんまり、です」

「みんな、ゴメンちゃい」



思わず皆から責められてしまいました。

今後、食べ物の事だけはちゃんと皆と共有した方がいいと肝に銘じた次第です。



ガチャリ



「「「「?!」」」」



その時でした。

僅かに玄関のドアが開き、手がチョコレートに伸びたので御座います。


チャーンス!


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