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第23話 ご褒美セット(ピチピチプリン)

さて、さて、なにやら、ステイタスに新しいスキルが加わりました。


【スキル▪▶ご褒美セット】です。


褒美(ほうび)セット……よくわかりませんね。

そもそも、誰に対してのご褒美(ほうび)なんでしょうか。

そりゃあ、ヒューリュリ様を【伏せ】のまま、ほったらかしにした挙げ句、その存在を忘れていた事は、申し訳ないと思いましたよ。

当然、ヒューリュリ様を喜ばせられるような、ボーナス的なものを期待しながら、ヒヤシンスのお花を咲かせました。

(ちな)みにヒヤシンスの花言葉は、【ゲーム▪スポーツ】です。

ゲーム?

ご褒美にゲームとは、これ如何に?

とりあえず、スキルを使ってみましょうか。


「スキル、ご褒美セット!」


ポンッ


あら?

ニンジャが使う雲隠れ的な煙が現れたと思ったら、地面に何か、ありますよ。

一体、なんでしょうか。

んん?

白い10センチくらいの……骨?

なんでまた、骨。

そもそも、何の骨でしょうか。

豚?牛?鳥?

いやいや、そんな事はどうでも良くてですね、何で骨なんですか?

意味が分からりません。

なぞが謎を呼ぶ、なぞなぞですか。

骨だけに、スキル▪トン(スキルと煙)ですかね、駄洒落ですらありません。

ん?

ヒューリュリ様が、何だか目をキラキラさせて、この骨を見つめています。

涙は…もう泣き止みましたね。

どうしたというのでしょうか。

は?!

もしかしたら、この骨はドックトレーニング的なアレですか?

すると、ボール投げ&キャッチ的なものですかね。

むむ、ヒューリュリ様がそわそわしております。

まるで、落ち着きがありません。


『ご、ご主人、そ、それは!?』

「これ?骨です。ボーン、ただの骨」


あら、ヒューリュリ様のこれは、ソワソワではなく、ワクワクかしら?

もしかしたら、ヒューリュリ様って、やっぱり只のワンコかも知れません。

やって見ましょうか。

私は骨を手に取って、持ち上げます。

私サイズの骨ですから、人間からしたら数グラムでも、いまの私からすると、数キログラムでしょうか、結構重いです。

よいしょ。

どうにか、抱き上げました。

はて、またなんか、忘れているような?

そうでした。

女の子はどこ、って後ろの端に縮こまってますね。

ああ、ヒューリュリ様が立ち上がったからでしょうか。

ちょっとバッチイから、触れるとドレスが汚れますものね。

懸命(けんめい)な対応です。


『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ』


ヒューリュリ様の息づかいが聴こえます。

あら、あら、あら、舌を出して興奮してるのでしょうか。

完全にワンコですね。

仕方ありません。

やって差し上げましょう。

私は骨を抱き上げたまま、空中に飛び上がります。

そして、空中で回転しながら、大きく振りかぶります。


「でぇええい、ハイジャンプ大回転魔球!」


どうです、私の必殺技、ハイジャンプ大回転魔球です。

きっと見る角度からすると、骨が幾つにも見えるでしょう。

ヒューリュリ様、勝負です。


「いっけぇええーい!!!?」

すぽっ


ありゃ、スッ()ぬけました。

骨は弧を描いて、ふらふらと飛んでいきます。

海老投げハイジャンプ魔球の方が、良かったでしょうか。

でも、それを見計らったように、ヒューリュリ様がダッシュです。

しっぽを巻き上げ、骨を追いかけていきました。

ヒューリュリ様、貴方は只の喋る駄犬でしたね。

成る程このスキルは、やはりヒューリュリ様のご褒美でしたか。

私へのご褒美はないのでしょうか?

でも、セットってなってますよね。

セット…やっぱりドックフードセットでしょうね、きっと半生タイプとか、カルシウム、各種ビタミン入り健康タイプとか、そんなのでしょうか。

それでは、ヒューリュリ様ご褒美セットになって仕舞います。

ちょっと試して見ましょうか。


「ぬぬぬ、アブラカタブラ、ちちんぷいぷい、私のご褒美、出ませう!」


ポンッ


再びニンジャ的なアレで、白い煙が出ました。

さあ、何が出たのでしょう。


「これはっ!キャー(☆∀☆)」


な、なんとーッ、私の好物、クリコのピチピチプリンです。

しかも、6個ボックスセット!

ああ、二度と口に出来ないと思っていた、ピチピチプリン。

表面は固めでピチピチ、しかも、ヨード卵ピカリの卵オンリーです。

このヨード卵ピカリは、厳選された鶏を使い、厳選された地場の有機飼料を使い、厳選された土地で、放し飼いで育て上げた鶏の卵なのです。

そしてクリコのピチピチプリンは、その卵と子岩井超特濃ジャージー牛乳を使用。

濃厚卵黄に、超特濃ジャージー牛乳オンリーの濃厚の海。

溺れてしまいます。

はあ、はあ、はあ、い、いけない。

ヨダレが出てしまいました。

私としたことがハシタナイですね。

誰も見ていないですよね?

とっ、ああ、女の子が物欲しそうに、人差し指を口に咥えて見ております。

こ、これは私のよ!上げませんことザマス。

思わず、ピチピチプリンを背後に隠してしまいました。

…何だか浅ましいですね。

自己嫌悪です。


ぐきゅるるるっ


大きなお(なか)の音が聴こえました。

女の子が真っ赤になっております。

そういえば、ヒューリュリ様のお腹で潰した、私の料理はどうなりましたか?

その場所を見ると、あら不思議。

地面に潰れた料理がありません。

これ、ヒューリュリ様のお腹にくっついてるんですかね?

まあ、食べられませんが。

んーっ、どちらにしても私サイズの料理では、あの女の子の体格で、お腹を満たせる筈もありません。

どうしましょう。

そうでした。

ご褒美セットを使ってみましょう。


「ぬぬぬ、アブラカタブラ、ちちんぷいぷい、ピチピチプリン女の子用、出ませう!」


シーン


あらら、可笑しいですね。

何も起きませんよ?


ピロンッ

ん?

何か、画面が出ましたね。

何でしょうか。


【ご褒美は1日一回です。但し、ティムした従魔の分は別に一回、ご褒美できます。(従魔セット)】


はいい?!

ご褒美セットの『セット』って、そういう意味だったんですか!

ヒューリュリ様とセット、の意味だったのですね。

仕方ありません。

キッチンセットから、もう一度、ご飯を用意しましょう、そうしましょう。

え、何でプリンをあげないのかって?

だって、これは私のご褒美ですよ?

せっかく私が貰ったご褒美なのに、何で人にあげなきゃならないんですか?

しっかも、限定ピチピチプリンですよ。

普通プリンが1個、80円位なのに、このプリン、200円もする高級品ですよ?

とんでもないんですからね。

それを人にあげるなんて、冗談ではありません。


ぐきゅるるるっ


は?!

また、大きなお腹の音がしました。

女の子が私の隠したプリンの方を、凝視しております。

ああ、このままでは、私は【人でなし】になってしまいます。

あら?私、今、人では無いから合ってる?

屁理屈は通りませんね。

うう、女の子用には、最低でも5個のプリンが必要ですね。



ふええーん。


皆さま、わたくし、カーナのお話しを見に来てくれて、ありがとうございます。

今後も、私の独りよがりな、恥ずかしい私生活を公開して参りますので、何卒、今後も御贔屓(ごひきき)の上、応援お願い致します。

なお、お星さまを沢山付けて頂けますと、私の生活も充実いたしますので、宜しくお願い致します。

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