第232話 ミミランド15
ダンジョン✹ミミランドシー
カーナ視点
ザバッ
((めえぇ〜っ))
「あ、羊さん!?生きてた!」
爆発して木っ端微塵になったと思った羊さん。
チャッカリ海に落ちて生きてました。
良かった、良かった。
だけどモフモフの毛は刈り取られたみたいにありません。
爆発で毛だけ燃え尽きたのでしょうか?
((この羊達は《ノーズシープ•ニトロ》って種類。その毛はニトログリセリンという気体爆弾の結晶で出来てるんだ。だからちょっとの衝撃で爆発する。あと、叩いたら一発だね))
はい?!なんて物騒な羊を飼ってるんですか。
さっき迄乗る気満々だった三人娘もめっちゃ引いてますよ?
勘弁して下さい。
「黒こげは嫌です」
「黒こげは嫌なのじゃ!」
「黒こげ、たら、恥ずか、しい」
「黒こげじゃ済まないと思うけど、乗らないのが正解ね」
という事で、新設アトラクションは諦める事となりました。
皆は残念そうです。
まあ、私は飛べるからたいして残念じゃないですけどね。
アカリン、随分残念そうだけどアナタも飛べるよね?
因みに黒こげ女の子はその後、何事も無かった如く海?から上がり羊飼い少年と口論してました。
頭はボヘミアンでした。
そして件の羊は女の子に悟られないように群れの中に紛れ込んで姿を消しました。
逞しいな羊。
「は?何か忘れていると思ったら、グルちゃんと合流しないといけなかったんだわ!」
「カーナさま、それ以前にこのパークからの脱出が先でしたよね?」
「早くグルちゃんと合流してスゴロクのサイコロを振るのじゃ!」
「仲間を、忘れたら、恥ずか、しい、です」
ああ何てこと。
グルちゃん、ホントにゴメンなさい。
私達が今頑張っていた全ては、グルちゃんと合流する為のものだったのに。
「はあ、自己嫌悪だわ。情けない⋯⋯⋯でも、改めて初心に戻れた。皆、グルちゃんの為に力を貸して!」
「もちろんです、カーナさま」
「当然なのじゃ!」
「新参者、ですが、私も、恥ずかしながら」
こうして私達は円陣を組み、手と手を取り合ってシッカリと握手しました。
そして団結を確かめあう合言葉を言うのでした。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために!」
「「「一人はみんなのために、みんなは一人のために!」」」
キラーンッ
アレに見えるは希望の星?
私達はその星に誓い、強固な団結を決めたのでした。
ティンクルティンクルリトルスター♫
((俺は今モーレツに感動している。必ずや新しい大リーグボールを完成させるとあの星に誓おう))
((星〜っ!!!))
途中何故か野球のユニホームを着たウザい大の男達が泣きながら抱き合ってました。
ジャンルが違うのでサラッと無視しました。
とにかく初心に戻った私達。
直ちにミミランドシー出口に最短で向かいます。
※※※※
「は?ミミランドのゲートウェイには戻れない?どうしてよ!」
ミミランドシーのゲートウェイでインホメーションお姉さんにミミランド入口へのルートを聞いたら、戻れないって言われてちょっと逆ギレしてしまいました。
何でよ?!
((只今モノレールはメンテナンスに入ってまして次の運行が決まっていません。ついては次の運行が決まるまでご案内を停止させて頂いております))
「いやモノレールとか使わないし私が言ってるのは単にミミランドまでのルートを教えてって言ってるの!お姉さん言葉が分からないの?」
何なんでしょうか?
このインフォメーションお姉さん、さっきからモノレールの運行の事ばかり言ってます。
マンホールで繋がる位近いんだからモノレールなんて使わないです。
はあ、でもゴーストゾンビはエキストラ。
役柄的にお姉さんは、このセリフしか権限を与えられてないのかも知れません。
一般ゴーストゾンビはゲームのNPC的存在なのでしょう。
これ以上はカスハラになるので止めておきます。
「弱ったわね。これだとインフォメーションまで来た意味がないわ」
「カーナさま、モノレール?も乗り物の一種でしょうか?」
「オルデアンちゃん、さっきニューヨークエリアで電車の事は説明したわね。同じような乗り物って思っておけばいいわ」
「あれはとても便利そうでした。出来れば皇国にも欲しいです」
「妾の国にも欲しいのじゃ!国民の皆の生活が楽になれば嬉しいのじゃ」
「うーん、私は技術的な詳しい事は分からないのよね。ああして動く乗り物としか知らないし」
確かにこの自動車すら無い世界では鉄道はとても魅力的です。
それを真っ先に国民の為と考えるあたり、幼くとも一国のお姫様だからでしょうか。
でも魔法なら何でも出来そうな気がします。
ダンジョンから出れたら考えてみますか。




