第215話 ミミランド
◆ダンジョン✹ミミランド
カーナ視点
えーと?
整理すると、ここは〇〇ニーランドではなくミミランドというアミューズメントパークで、メインキャラクターは◯ッキーマウスでなくミミ(耳)マウスになってました。
何かどっかの海賊版みたいで安っぽいです。
それで改めてクッキーおばちゃんにミミマウス等身大クッキーの食べ方を聞いたら、ご近所さんを集めて一気に齧るんだそう。
一人で食べる人は居ないんだそうで、確かに一人で人間サイズクッキーを食える人は居ないよなって納得したところです。
現実的ですね?
((これを原型を保ちながら食うのが流行りさね))
「そんな流行りは要らんさね。おばちゃん説明有り難う。じゃ、皆行くよ」
「カーナさま、待って下さい。コッチ持って、下さい。一人じゃ運べませ、ん」
「カーナたん、手伝うのじゃ!」
「?!」
二人娘の声に振り返ると、耳デカいネズミが仲間に加わってました。
いつの間にか等身大を買ってたのね。
勘弁して下さい。
ガシガシガシガシガシガシ
「カーナさま、耳が取れました」
「食べちゃって下さい」
「カーナたん、左足が取れたのじゃ」
「食べちゃいましょ」
うん、これはアレです。
《人間に群がるピラニア気分が味わえます》状態でしょうか。
アチラコチラでそんな状況が繰り広がる今日この頃です。
ガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシ
はい、当然ながら胴体の大部分が残りました。
取り敢えず勿体ないので亜空間収納しちゃいました。
二人にはお金の無駄使いを説教しました。
だけどオルデアンちゃん、どっから白金貨出してるのでしょうか?
あれは結構重いので子供のオルデアンちゃんじゃ何枚も運べない筈なんですが、それが何枚も出てくるので本人に聞いてみました。
そしたら腰に付けてるポーチがあって、そこから出してるとの事でした。
え?本人の手のひらサイズのポーチからどうやって?!って思っていたら、そのポーチはマジックバッグなんだそうです。
マジックバッグは私の亜空間収納の劣化版。
入る量は限られていて、彼女のは普段から白金貨が百枚入っているんだそう。
は?子供のお小遣いに白金貨(日本円で一千万円)が百枚って、それでいいのかテータニア皇国?!
因みに私の妖精印ビール工場は一ヶ月分のパート代フル出勤で銀貨(十万円)二枚+ビール券一枚付き⋯⋯⋯⋯。
28号、ユルサン。
抗議だストライキやりませう!
しかしクッキーを見る限りココのメインキャラは《可愛くない》でした。
顔が汚いネズミ顔でやたらに耳がデカいだけ。
期待外れも甚だしく、訳わからんキャラで失敗した何処ぞの不人気ユルキャラ並みの不出来なキャラ。
勘弁して下さい。
「と、とにかくパークの出口に向かうよ!これから寄り道しない、二人共いい?!」
「「はーい、のじゃ!」」
返事はいいけど《寄り道しない》は難しいでしょうね。
だいたい反対側出口が近づくほど出店が増えるこのパーク。到底子供が誘惑に負けずに辿り着くには無理があります。
はあ、とにかく早目に進んでくれる事を願うばかりですかね。
((はい、そこのお二人さんと虫さん))
「「??」」
「虫じゃねーよ?!」
((OHこりゃ失礼。三人ともベッピンさんだったよ。たまげたなぁ))
「あらぁ」
「当然じゃ!」
「分かってるじゃない」
呼び止めたのは出口方角途中にある、怪しい装飾品を売る店の店主。
髪の毛ボヘミアン、ヒゲがボウボウの明らかレゲエのオジサンです。
装飾品はガイコツのネックレスとか、汚し加工した指輪とかでした。
何処ぞの先住民族御用達ですか??
((て、そのベッピンさん達にお願いだ。そこのイベントに参加して貰えないかい?))
「「「イベント参加???」」」
((今、参加者が足んなくて困ってんだ。もちろん誰でもって訳じゃない。ベッピンさんだから頼んでんだ。どうだい?参加してみてくれねいかい?))
「イベントって、どんなイベントなの?」
((ああ、聞き取りクイズ大会なんだ))
「「「聞き取りクイズ大会?」」」
((司会者が出す質問に答えるだけの簡単なもんだ。優勝者には全アトラクションが並ばず楽しめる特典が貰えるんだ。どうだい?))
「いや残念だけどコッチ急いでるから無理かな」
((アンタら、ゲートウェイで連れと離れ離れになったんだろ?))
「どうしてソレを??」
「「!」」
((ゲートウェイ係員に知り合いがいるのさ。もし大会に出てくれたら、ゲートウェイから外に出るのを手伝ってやるよ。どうだい?))
「「「?!」」」
なんと、イベント参加すればゲートウェイ逆走パークアウトが可能だとの話。
これは乗るしかありません。
オルデアンちゃん、織姫ちゃんも同意で、直ぐ様イベント参加が確定しました。
ハードルが参加だけだから殆ど楽勝モードです。
当然といえば当然の成り行き。
さっそく参加チケット貰ってレッツゴーです!




