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第210話 ダンジョン??

◆ダンジョン??

カーナ視点


エレベーターが落下するような感覚が過ぎると、私達の目の前にはまったく別の世界が広がっていました。



「ここは、外?」

「カーナさま、雪や氷が見えません??」

「これは妾達が知らぬ国なのじゃ!?」

「おねえさま方、私の測定ではまだダンジョン内のようです」



辺りはテータニア皇国みたいな中世ヨーロッパの古い街並み。

遥か遠方には、どっかで見たようなメルヘンチックなお城があります。

え、ここって、私が知ってるところ???



※※※※



少し遡って、ダンジョン温泉海底の幼稚園内。



「皆のコマが動かない?!」



私の言葉に、グルちゃんが無言でスゴロクのコマのところに向かいます。

そして確かめるようにコマをイジったあと、私達の方を振り返りました。



「カーナおねえさま、新ルールが設けられてます」

「新ルール?」

「はい。コマが個人のコマになっているのは分かりますね?それで、その個人のコマは本人でないと動かせません」

「え、なにそれ?!めんどくさい」

「しかも一定時間に他メンバーのアプローチがない場合、グループを外れます」

「どういう事?」

「時間にして数分でしょうか。自身のコマを動かしてから次の他メンバーが自分のコマを触らない場合、別メンバーとしてカウントされてしまい、別れ別れになってしまうんです」

「それはさすがに不味いわ」



つまり、今グルちゃんが自身のコマを触ってるからいいようなもの、そのまま触らずにいたら私だけ生き別れになっていたところでした。

ルール変更ならちゃんと連絡して下さい。



「カーナおねえさま、最悪の事態は避けられて良かったです」

「まったくよ、危なかったわ」

「カーナさま、生き別れは嫌です」

「冗談じゃないのじゃ」

「うむ、コントロールできぬ力は厄介じゃな」



とにかく私に動かせないコマを其々自身で触って貰いました。

移動すると転移してしまうので、私以外はまだマスの移動はしていません。

そして最後に羽根玉が残ります。

言わずと知れたペリーです。



「おねえさま、まだ全員移動しないのはペリーがいるからですか?」

「うーん、それもあるけど、乙姫ちゃんにちゃんとお別れの挨拶したかったからよ」



やっぱり礼儀は大事でしょう。

まして乙姫ちゃんは女神で元海の支配者です。

事実上の神様でオマケに色々お世話になったのです。だから敬意を払うのは当たり前ですよね。



「ほう、妾にちゃんとしたお別れの挨拶とな?お主にしては中々殊勝な事じゃ」

「乙姫ちゃんには私がどんなのに映ってるの?」

「うむ。幼稚園に慰問に来て、その慰問対象の園児達をサビキで釣り上げる奴じゃ」

「その通りだから反論出来ない⋯⋯⋯あれ?そういえば子供達が居ない?」



ふと見れば、辺りを好き勝手に泳いでいたお魚子供達が居ません。

先生に呼ばれてお遊戯始めたのかしら?

と部屋を見回したら、いつの間にかあるデッカイ羽根玉?!



「この羽根玉はペリー?」



まんまるペリーがいつの間にか部屋の片隅で寝てました。

気づきが遅れたのは、私達がスゴロク問題でワイワイやってたからでしょう。

しかしこんなにデカいのに、よく気づかなかったな私達?!



カーナ「これ、ペリーだよね?」

グルちゃん「そうですね、カーナおねえさま」

オルデアン「ペリー、いつの間に幼稚園内に入ったんでしょう?」

織姫「入ってるのじゃ」

乙姫「これはカーナの従魔ではないか。何故にここにおる??」

カーナ「ペリー寝てるね」

グルちゃん「はい、寝てます」

オルデアン「寝てますね」

織姫「寝てるのじゃ」

乙姫「お主達、子供達がおらんのじゃが??」

カーナ「口ばしの袋、膨らんでるね」

グルちゃん「はい、膨らんでます」

オルデアン「膨らんで、ます」

織姫「膨らんでるのじゃ」

乙姫「馬鹿者共?!子供達はあの口ばしの中じゃ!」



ドゴッ

おげぇええっ

(((((((((((((((((わーい!)))))))))))))))))



そして、乙姫ちゃんの両足ダブルライダーキックがペリーの後頭部に炸裂。

お魚子供達は無事に救出されたとさ。

メデタシメデタシ。



スパーンッ

「オウチッ」

「馬鹿者、何がメデタシメデタシじゃ?!お主の従魔であろう。ちゃんと管理せんか!」

「ハリセンで叩かないで下さい。勝手に従魔になってたんですよ?酷くないですか?」

「妾の預かり知らぬ事じゃ!はあ、ちゃんと連れて出て行くのであろうな?」

「⋯⋯⋯⋯ソウデスネ」

「その間と片言は何じゃ?お主、アレを妾の海に置いて行くつもりではないじゃろな!?」

「トンデモナイ」

「お主、絶対に信用ならん!ペリーとやら、コッチにこんか!」

「グワワッ!」



あああ、置いて行く満々のペリーが乙姫ちゃんの機転でスゴロク前に来てしまいました。

そのまま自身のコマを移動してます。

うぐぐ、残念無念。



「ところでカーナさま、3マス先は何で書いてあるんですか?」

「あら?肝心な事を忘れてたわ。今見るからオルデアンちゃん、ちょっと待って」



うっかり八兵衛、マスの内容を見忘れてました。

と、??



「あらら、もう皆のコマでマスが見えないわ。取り敢えず行くのは強制だから着いてから確認しましょう。グルちゃん、ヤッちゃって」

「はい、カーナおねえさま」



カタン

という事でマスの内容を未確認のまま、最後にコマ移動を触った状態で止めていたグルちゃんが自身のコマを動かしました。

これで全員のコマが移動完了です。



乙姫「それでは行くがよい。皆、達者でな」 

カーナ「はい乙姫様。色々お世話になりました。ここでの事は忘れません」

オルデアン「ずっと楽しかったです」

織姫「ご先祖様、また逢いたいのじゃ」

グルちゃん「有り難う御座いました」



こうして乙姫ちゃんの世界にお別れしました。

転移はゆっくりと進み、手を振る乙姫ちゃんとその世界がセピア色に変わっていき、最後に透明になって消えました。

何か後ろ髪引かれます。

ダンジョン温泉と竜宮城は、また来たいと思える場所になりました。



❇❇❇❇



で、冒頭に戻ります。



オルデアン「カーナさま、ここは何処ですか?」

カーナ「うーん多分、遊園地かしら」

織姫「ゆーえんちとは何じゃ?」

グルちゃん「織姫おねえさま、子供が遊ぶところです」

ペリー「グワワ!」



はい、という事で、着いた場所は私が前世に行った某遊園地似の、なんともいえない世界でした。


運営さん、あんまり人の潜在意識をイジらないで下さい。


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