第200話 お姿?
◆ダンジョン温泉✹海底?
カーナ視点
織姫「ババじゃ!」鼻高々
オルデアン「いやあぁああ!!」悲鳴
グルちゃん「オルデアンおねえさま、悲鳴上げたらバレバレです」ニヤニヤ
私「何で《ババ抜き》やってんの?」呆れ
乙姫「妾が好きじゃからじゃ!」ふふん
ペリー「グワワ」解読不能
えー幼稚園慰問に向かう途中の馬車の中、何故かトランプでババ抜きです。
次期政権はトランプだけにババ抜き?
ジジ抜きの間違いでは??
取り敢えず慰問に向かう馬車内。
ペリー馬車の揺れ?にも慣れ、車内はすっかりレクレーションタイムです。
トランプゲームに花が咲いてます。
上手く一抜け出来た私。
二抜けの乙姫ちゃんと御者席に並びます。
そうだ?!重要な事を思い出しました。
私は乙姫ちゃんに聞きたい事があったのです。
さっそく彼女に聞いてみます。
「乙姫ちゃん、聞いていい?」
「何じゃ?」
「妹神様って、どんな方なの?」
「妹神⋯⋯⋯か」
「?」
あれれ?
何でか乙姫ちゃん、俯いて悩んでます。
妹神様って海の対になる陸の女神様で乙姫ちゃんの妹さんだった方です。
そして乙姫ちゃんのお願いを聞いて乙姫ちゃんと人間との愛世を実現させ、その間に乙姫ちゃんの女神の身体と海の管理を代わりにやってくれてた姉思いの良い妹女神さまのはずです。
その方の事を聞こうとしたら、乙姫ちゃんは悩んだまま考え込んでしまいました。
どういう事なんでしょうか?
「⋯⋯カーナよ、実はな、妾がこの身体に戻ってからは記憶が曖昧なのじゃ」
「曖昧?」
「うむ。なのでな⋯⋯⋯妹神の事、殆ど忘れてしもうた!」
「はあ!?じゃあ、身体に戻ってからは」
「うむ。妾の留守中はあの鯛女中頭に任せておっての。戻ってから今日まで鯛女中頭の言われるまま対応しておった。ウィリアムとの事で妾の海の権限と権能は妹神に《仮渡し》しておっての。連絡は向こうからは一方通行、この身体は何の力も無いのじゃ」
「じゃあ、妹神様とは身体に戻ってから話をしてないんですか?」
「そうじゃな。身体に戻ってから記憶が曖昧な事で、引き続き鯛女中頭が妾と妹神の間を取り持っておったのじゃ。本来の身体から精神体を抜いて別の身体で人生を生きたのじゃ。このくらいのリスクは想定しておった」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「じゃが何と言っても妾の妹、半身とも云える存在じゃ。妾の最も信頼のおける存在ゆえ何の心配もしておらんからの。今も海の管理責任まで押し付けて申し訳ないと思うておるのじゃ」
すると妹神様との直近の連絡や交渉は鯛女中頭(今はメカ鯛女中頭)が行っていて、乙姫ちゃんは一方通行の情報しか受け取っていなかったという事ですね。
オコロンボさんの話では《メカ鯛女中頭》さんは延命サイボーグ化で記憶のインストールがマトモじゃなかった筈。
ならこれで、直近の妹神さまを知る者が《居なくなった》という事です。
⋯⋯よく分かりませんが、何やらキナ臭くないですか?!
そして妹神さまが、乙姫ちゃんの全ての権限と権能をウィリアムさんとの件で、報酬として仮渡しされてます。
つまり今の彼女は海と陸、その全ての権限と権能を持っている事になります。
(それってつまり《世界全体を管理》してる?!)
「⋯⋯乙姫ちゃん、妹神さまって、どんな姿なんですか?」
「スガタ?姿か。どんな姿のう⋯⋯⋯⋯?」
「覚えてないのですね?」
「待て、早まるでないわ。うぬぬぬ⋯⋯⋯⋯」
乙姫ちゃんは今、額に汗かきながら頭を抱えて思い出そうとしています。
いや、そんな眉間にシワを寄せて《全国高校生クイズ》に無理に答えようとする小学生みたいな顔になってません?
無理強いはしませんよ。
「乙姫ちゃん、もういいですよ。思い出した時で大丈夫なんで」
「お、少しだけ思い出しのじゃ!」
「思い出せたんですか?」
「そうじゃ!あー、背中に羽根があったかの」
「背中に羽根?女神だからグルちゃんみたいに鳥の白い羽根ですか?」
「いや、違う羽根じゃった」
「違う羽根?!」
どうやら妹女神は羽根を持っているようです。
でも、日本で連想する天使の羽根系は否定されました。
じゃあ、どんな羽根?
まさかコウモリの羽根とかじゃないですよね?
「そうじゃ!確か、お主のような羽根じゃ!そんでお主のように小さい姿じゃったわ」
「え?私のような姿!?」
女神の姿で私のような姿って、どんな姿??
それって本当に女神さま?!




