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第198話 箱

◆ダンジョン温泉✹竜宮城

カーナ視点


ガキョンッガキョンッガキョンッ

ピカッピカッピカッピカッ

ウィーンッガチャガチャガチャガチャガチャッ



ピロン

✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶

⚫メカ鯛女中頭スペック

設計※※※※※▶サイボーグ1号タイプ

表面装甲※※▶ブリキ1・2mm程度

遠距離攻撃 ▶光子力ビーム(目からビーム)

動力※※※※※ ▶アトム型魔石原子炉(手塚さん監修)

メモリー※※▶MINISDカード128G

✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶


頼んでも無いのに、またいつもの様にナビちゃんからメカ鯛女中頭のスペックデータがステイタス画面に表示されました。

表面がブリキで目からビームって、戦略兵器か何かですか?

メモリーがSDカードって、ソレでいいのか乙姫ちゃん⋯⋯⋯。



「あの、メカ鯛女中頭さん、メモリーはSDカードですよね?SDカードでは圧倒的に記憶容量不足では?」

((そうなんだよ。なので鯛女中頭の脳から記憶を引き継ぐ時、かなりの記憶がインストール出来なくてさ、抜け落ちてるって事だね))

「それってつまり⋯⋯⋯!?」

((そう、つまり被害者は舟盛りにされた時の犯人像、その前後記憶が曖昧で印象に残る強い記憶をいいように繋ぎ合わせた結果、奇しくもアナタの姿が最も犯人に適合しやすかったと」

「私は断固、無実を主張します!」

((アリバイ的に無実なのは決定だよ。でも今回の問題は、民衆がどちらを支持してるかって事なんだよね))

「はい?」

 


そう言いながらオコロンボさんが指差す先は、何故か取り調べ室上段にある観覧席。

そこには多くの魚女中達がコチラを眺めていたのでした。



((アレが私達の女中頭を舟盛りにした鬼畜虫よ!絶対に許さないんだから))

((捕まっても無実主張とか、あり得ないんだけど))

((絶対に悪は滅ぼされるべき。はやく極刑にして欲しいのだわ))

((そうよ、ギルティなんだから極刑よ!))

((((((((ギルティ極刑、ギルティ極刑、ギルティ極刑、ギルティ極刑、ギルティ)))))))



女中達はギルティを叫んで横断幕を掲げてます。

横断幕には《ギルティ一択》と書かれ、悪意が私に向かって放たれてます。

アウェイ感いっぱいの取り調べ室。

ナンなんですか、コレは?



((海の者は基本、弱者が多い。そういった者達は群れの首長を時に神格化する。女中達にとって、女中頭の言葉は絶対に信じるに値する価値あるものなんだろうね。こんな状態では、その上役である乙姫様と云えど覆すのは困難なんだよ))



何ソレ!?

完全に暴徒化してません?

勘弁して下さい。



((ここで万が一、乙姫様がアナタを擁護したとしよう。するとどうなると思う?アナタに向いている悪意が乙姫様に向かう事になる。それはアナタも望まない未来だよね?))

「そりゃあ、そうですけど」

((じゃあ、そういう事で))

「そういう事?」

((黙って極刑になって下さい))

「お馬鹿さんなの?!」



冤罪って分かっていて何で私が極刑になる訳?

アホかーい!



((ああ安心して下さい。極刑と言っても竜宮城では死刑や懲役刑は無く、主な罰は奉仕活動や追放刑だけです。直ぐに終わりますよ))

「え、そんなのが極刑なの?楽々じゃん」

((ではそういう事で))

「仕方ない。奉仕活動くらいならヤッて上げるわよ」

パカッ

「へっ?」



私がそう言うと虫カゴのフタが開きました。

年季入り竹製カゴが遠隔自動ドア付きなの?!

変なところに金が掛かってるんですね。

ちょっと感動です。



「解放?」

((そうですね。取り敢えずコチラをどうぞ))



オコロンボさんが手招きした場所には、私サイズの小さい箱が置いてアリマシタ。

おい、ソレッて?



「えーオコロンボさん?私、ちょっとおトイレ行っていいかしら?」

((箱を開けたらいいですよ))

「開けたく無いんですが」

((それは困りましたね。これを開けないと解放されないんですよ))

「⋯⋯⋯だってソレ、玉手箱ですよね?」

((当たりです。ご褒美に飴をどうぞ))

「要らんわ!」



玉手箱って知って開ける訳ないじゃない。

馬鹿過ぎでしょ!



((ああ、因みに中身は《年末ジャンボ宝くじ》の当たりくじが入って⋯⋯?))

パカッ

ボフンッ「ぎゃふん!??」



あーっ、バカバカバカの私のバカ!

思わずフタを開けてしまいました。

だって《年末ジャンボ宝くじ》1等前後賞の当たりくじでしょ!?

前世しがないOL時代の夢は当選金で《湾岸億ション一人住まい》だったのよ!

普通開けるでしょ、って煙に包まれる私。


終わったわ。


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