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第178話 リターンズ?

◆ダンジョン温泉▪竜宮城

カーナ視点


「カーナさま?先ほど、せっかく貰ったブローチを投げちゃいましたよね?宜しかったんですか」

「オルデアンちゃん、宜しかったわよ。あんな魚臭くてヌメヌメしたブローチなんて持っていたら悪夢にうなされるわ」



先ほどマグロブローチを門番さんに押し売りされたのですが、糸引いてたので慌てて投げ捨てました。

気持ち悪かったです。

只でさえ死んだ魚の目が印象的な《コシナガマグロ》魚人ブロマイド入り。

ほとんど呪いのマグロブローチです。

勘弁してください。



「帰りにまた門を通るのじゃ?」

「カーナさま、ブローチ回収しないと」

「勘弁してください」

「織姫おねえさま、それは無いと思います。私の《ランドセル矢印》は真っ直ぐこの先を指してます。ダンジョン出口はこの方向に違いありません」



そうそう、此方には《グルちゃんランドセル@(アットマーク)矢印があります。

多分方位磁石よりちょっとだけ信頼できる優れものです。

ありがたやアリガタヤ。



「グルちゃん、こっちに行くとお城の中になるけど本当にいいの?」

「はい。この方向しか次のステージに抜ける方法はないはずです」



グルちゃんの指差した先は、竜宮城の本殿でした。

このまま進むと乙姫様とのランデブーは避けられません。

これ迄のパターンならファイブステージ(Ⅴ)のBOSSは乙姫様です。

新たなイベントが始まる予感がします。



「竜宮城の中ってどんなでしょう?きっと綺麗で素敵なところな気がします」

「お魚の歌や踊りが見たいのじゃ。楽しみなのじゃ!」

「おねえさま方、待って下さい!」

「……………」



皆さん、私の危惧を無視して早歩きで進んでいきます?

ほとんどレジャー施設《竜宮ランド?》だと勘違いしていませんか?

まあいいですけど。



ドォオーンッ



そして私達は、遂に竜宮城入り口にたどり着きました。

この見上げるほど大きな扉の前に茫然となる私達。

扉の大きさは全高が10メートルくらい。

コシナガ門番さんが守っていた門の2倍はありそうです。

巨人でも出入りしてんですかね?



ドォオーンッドォオーンッ



「カーナさま、さっきから聞こえるこの音は何でしょうか?」

「分かんない、ドラの音?」

「何かが近づいてくるような音なのじゃ」

「扉から離れた方がよくないですか?」



グルちゃんの言葉には聞くべきものがあります。直ぐ様私達は扉から数歩離れました。



どかぁあーん。


「ひゃああ?!」

「きゃあああ!?」

「なんじゃ?なんじゃ!」

「おねえさま方、もっと下がって!」



その直後でした。

デカイ扉が勢い良く開いたのです。

中から現れたのは更にバカデカイ生き物??

デカ過ぎで全容が把握出来ません。

一体何なの!?



((マンションはホエール))



ああ、デカイ、デカ過ぎる。

埼玉銘菓じゃなく、マンション開発業者でもない、真っ白白のクジラでした。



ギョロッ

((お前、ワシの種族を言ってみろ))



クジラの目がギョロッとして私達を睨みました。

オルデアンちゃん達は例によって私の後ろに下がります。

私、皆さんの中で本当は実年齢低くい方なんだけど?!

うう、三十路の精神年齢が邪魔をします。

やってらんねーんです。



「そしてココの連中は何故に自身の種族とか種類を聞きたがるの?!」



しかもマグロに続いてクジラもです。

こんなホエールウォッチングは願い下げです。



「はあ、やってらんない。えーと?ミンククジラ?」

「お前、我をあんなミーハーな奴と同じだというのか?!」

「ミンク、ミーハーなんだ………」



この展開はデジャブです。

クロマグロがチャラチャラしてようがミンククジラがミーハーだろうが私には全く関係ない話です。


もう勘弁して下さい。


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