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第173話 これからの事

◆ダンジョン温泉海底

カーナ視点



カメの甲羅に乗ったペリーの上で会議なんて、親亀の上に子亀が乗って子亀の上に孫亀状態。

なんか変な気分ですが至急自分達の立ち位置を確認しなければなりません。



「さて、今はどんな状況?」

「アルタクス達が私達の先のマスにいます」

「おお、大変じゃ?!伽凛に置いていかれたのじゃ。あんまりなのじゃ!」

「織姫おねえさま、スゴロクマップはサイコロ目に従うしかないので致し方ないです」



見ると、ヒューリュリ様やイケメン軍団が二つ先のマスにいます。

やはり此方が一回休みで先にサイコロを振ったんですね。



「グルちゃん、そのマスには何が書いてあるの?」

「一回休みですけど………」

「どうしたの?」

「その理由が書いてあります」



そういえば私達の一回休み理由も書いてあって、(温泉宿招待券が当たったので一回休み)になってたんでした。

温泉宿泊招待券なんて貰った記憶は無いんですがね。



「多分どうでもいい理由でしょ?気にする必要は無いんじゃない」

「それが良くない事が書かれてるんです」

「え!?」



スゴロクだから良くない事でもそのマスに止まらないとなりませんが、グルちゃんの作ったスゴロクマップでそんな良くない事が書いてあったりするんでしょうか?

あ、そっか。

スゴロクマップはグルちゃんの能力で現実のダンジョンを元に作った実際に近いマップ。

ならば内容はダンジョンが用意したイベントに違いありません。

なんて事!



「良くない事って何です、グルちゃん!?」

「伽凛に何かあったら困るのじゃ!」

「ちょっと二人とも落ち着いて。今からグルちゃんが説明してくれるから」



大事な人達が良くない事に遭うって聞いたら心配になるのは当然ですが彼らは別のステージにいるのです。

今は冷静になるしかありません。


なお、スゴロクマップの説明文は日本語で書かれており、オルデアンちゃん達は読めません。

最も自国語もまだ満足に読み書きできてないのが実状の二人。

はなから読むつもりもなく、グルちゃんの説明に一喜一憂するしかありません。

一応二人は6歳児。

まだまだお勉強が大事な時期の子達です。

私?

国語テストなんて最悪でしたよ。

思い出したくもありません。



「その、一回休みの理由が『海で遭難して一回休み』って書いてあるんです」



へぇ、ソーナンデスね?

遭難?!



「大変じゃない!」

「そうなんです。しかもその先に書いてある遭難場所が問題なんです」

「グルちゃん、何が問題なの?」

「遭難場所が《鬼ヶ島》になってるんです」

「鬼ヶ島?!」



《鬼ヶ島》とはヤバい案件1万パーセント。

これほど不吉な響きはないでしょう。

まさか遭難先が《鬼ヶ島》だったとは!



「カーナさま、オニガシマとは?」

「何じゃ?」

「オルデアンちゃん、織姫ちゃん。何て言ったらいいかしら?角や牙のある魔物が住んでる島なの。その魔物は乱暴者で力があり《金棒》っておっきい金属の棒を放り回すのよ。現実なら大変な事だわ!」

「そんな!?」

「伽凛が危険なのじゃ!」



何にしても直ぐに彼らを助けにはいけません。

スゴロクマップは自由にサイコロ目を出す事は出来ないのです。



「一か八か、サイコロを振ってみるのはどうでしょうか?」

「そうです!アルタクス達に追い付けるかもです」

「伽凛にもじゃ!」



グルちゃんの提案は分かります。

六面体のサイコロですから二が出る確率は六分の一。

十分トライする意味はあります。

ただ、そうは言っても六分の一です。

意味もなく通り過ぎてしまう事もあり得るのです。

それに



「でもね、仮に私達が一緒にいたとして、皆の手助けが出来ると思う?」

「それは……」

「じゃがっ」

「………」



私の言葉に黙ってしまったオルデアンちゃんと織姫ちゃん。

考えてみたらアルタクスさんや近衛騎士団の人達は其れなりの戦闘職。

まして聖獣フェンリルであるヒューリュリ様が一緒です。

相手が赤鬼であれ青鬼であれ、金棒振り回すしか能がない鬼達に皆が負ける訳がありません。

もちろん私達(私とグルちゃん)が知ってる物語の鬼の話です。



「物語と同じかわからないけど、私の知ってる魔物に大した力は無いハズよ。きっと皆は大丈夫」

「本当ですか、カーナさま」

「なら安心していいのじゃ?」

「ええ」



心配がいっぱいって顔の二人。

これ以上幼児に不安感を与えるわけにはいきません。

先ずは二人に冷静になってもらい、あとは後々考えるしかないでしょう。



「カーナおねえさま」

「何、グルちゃん?」



マップを見ていたグルちゃんが突然私を呼びました。

何でしょう?

なんか複雑な顔をしています。



「アレが動いてます」

「アレって?」

「アレです」

「!」



何て事!

あの呪いのコケシが私の先、ヒューリュリ様達の更に先にあります。

つまり最悪、次に私達がサイコロを振れば、呪いコケシに合流してしまう可能性があるという事です。


ヤバいんだけど!


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