第167話 言い訳
◆ダンジョン温泉三保の松原?
カーナ視点
「で?ゴーストゾンビ男から只の小太りロリコン犯罪者に落ちたジャージ糞変態さん?オルデアンちゃんを襲った事は万死に値するわ。死になさい。変態ロリコンに生きる価値無しよ」
((突然蹴られた上に犯罪者認定でのクズを見るような痛い視線?!妻の行方を聞いただけなのにこんな酷い扱い、あんまりだあ))
「嫌がる幼女の水着スカートの裾を引っ張ってる時点で情状酌量の余地はないわ!」
ゲシッ
((そんな一方的なあ………))
現在私はロリコン野郎を足蹴中。
オルデアンちゃんは震えながら私の背後に隠してます。
体格差で隠しきれませんがね。
((うう、おっかあ、何処にいっただ?おっかあの羽衣はこうしてまだ木にかけてあるっていうのに。おっかあ!))
私の足蹴に諦めたのか、一人苦悩するロリコン男。
羽衣ってコイツ、まさかあの話ヤツ?
「カーナさま、何か可哀想になってきました」
「いや、放っておこう。どうせこれも何かのイベントなんだろうし」
基本、ゴーストゾンビはエキストラ。
このロリコン男も何かの役を演じてるに過ぎないハズで下手に関わるのは時間の無駄です。
もしかしたら運営の目的は時間潰しか何か?
「どうしたのじゃ?」
((ああ、我が奥さん。こんなところに!))
「あ!?」
「織姫ちゃん!」
何と!
そこに織姫ちゃんが松林から現れました。
無事に合流できました。
良かった、良かった。
ん?我が奥さん???
「おお、オルデアンにカーナたん。無事だったのじゃ?会えて良かったのじゃ」
「織姫ちゃんも無事で良かった!」
「今までどうしてたの?」
「うむ、この海岸に三日前に流れ着いたのじゃが二人はおらんし右も左も分からん。暫く歩き回ったら疲れてしもた。そしたら、ソコの松の木に綺麗な布が掛かっておったので、その下で休んでおったのじゃ。そしたら、そこの男が『二人を見た』って言って共に捜す事になっての。海岸におっても寒いしお湯に浸かってる訳にもいかん。暫しコヤツの家?に一緒におったのじゃ」
三日前???
おかしい。
私の感覚では別れたのはつい今しがたです。
時間の感覚が違う?
いえ、其れよりもっと重要な事があります。
「それより織姫ちゃん、今ソイツが織姫ちゃんの事を《我が奥さん》って言ってたんだけど……?」
「おお、カーナたん。ココでは女性の事を《我が奥さん》って言うのじゃ。そうコヤツに教わっての。だからそう呼ばせておる」
ギョッとした私とオルデアンちゃん。
ロリコン野郎を睨みます。
ヤツは後ろめたさ満点で私達の威圧に後退りしてます。
確信犯だなコノヤローっ!
「どうゆう事なのかしら?」
((その、つい出来心で……幼いとは分かってたんだがあまりに奥さんに雰囲気がそっくりで、あの、奥さんは天女だから、もしかしたらオデを試す為に幼く化けてるのかと))
「カーナさま、この人気持ち悪いです」
「オルデアンちゃん、まったくだわね」
「どうしたのじゃ??」
オルデアンちゃんは理解してるみたいですが織姫ちゃんは《奥さん》の意味を知らなかった様子です。
コイツはそんな純心幼女を子供じみた理由で騙し家に連れ込んだ極悪人です。
もはや言い逃れ出来ません。
「織姫ちゃん、コイツに何かされてない?」
「何か?はて?特に変な事はなかったじゃが??水や饅頭を振る舞ってくれて、いろいろ助かったのじゃ」
ピロン
《彼女は一度ゴーストゾンビ化しましたが(妖精女王の加護)により効果は解除されました》
何て事でしょう。
ナビちゃん連絡によれば、あれほど言っておいたのに、織姫ちゃんはゴーストゾンビの出した食事に手を付けていた様です。
幸いにも加護が発動して無効化できたようですが危ないところでした。
コイツ、間違いなく織姫ちゃんを狙っていたに違いありません。
「アンタ、ギルティは免れないわ。最後に言い残す事がある?」
((オデは無実だあ!何もしてないだあ。ちゃんとルールに従ったんだあ!))
「ルール??」
((「YES!ロリータNO!タッチ」だあ!))
カキーンッ
キラン
私は亜空間収納から何故か入っていた金属バットを取り出すと、ヤツをホームランしてやりました。
残念ながら50―50ではないですが見事に星になりました。
二度と会う事もないでしょう。
犯罪者許すマジ、です!




