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第157話 ペリーボール

◆ダンジョン平原

カーナ視点


「グワーグワー」

ばくばくばくっ



「「「「…………………」」」」



えー私、オルデアンちゃん、織姫ちゃん、グルちゃんは、只今絶賛フリーズ中。


ペリー(魔獣ペリーカン)が従魔として未だ私に従ってないので、その理由を探していたら奴は只腹が減ってイライラしていただけという、何とも締まりのない理由で従魔拒否をしていたという事が発覚。

仕方ないので、キッチンセット冷蔵庫からバッテン魚をあげていたのですが、これがヤタラの大食漢。

いつまでもオネダリが止まらないので、面倒だから100匹位の一山を出してやりました。

これは喰いきれないだろうとタカをくくっていたのですが、あと数匹で食べ終わる状況に目が点になっている今日この頃です。

大食いペリカンここに極まれりで、トンデモお荷物に頭が痛いんですが?



「カーナさま、まだ足らないのでは?」

「そうじゃ。ペリーは未だ満腹にはなっておらんようじゃ」

「おねえさま、またお魚を出しますか?」

「とんだお荷物だわ。だけどペリーはお腹空いたらまた私を狙うかも知れないし頭痛いわよね」



仕方ないです。

もう100匹出しますか。

と、無限冷蔵庫のフタを開けた時でした。



ボンッ

「グエーッ!!」



「な、今度は何!?」

「分かりません。ペリーのお腹が急に膨らんでまん丸になりました」

「動けないようじゃ」



ペリーが直径3メートル位の、まん丸ポールになってしまいました。

そりゃバッテン魚100匹山を平らげたのです。

さっきまで外見変化が無かったのが異常でした。



「グワッ!グワワ、グワグワグワッ!」



ペリーが動けないまま何か言ってます。

ペリカンボールと化したペリーは、身動き取れない身体で何とか顔を上げて此方に何かを訴えているようです。



「あの、カーナおねえさま。私、ペリーの言葉が分かるようになった気がします」

「奇遇ねグルちゃん。私も今なら何となく分かるわ」

「カーナさま、なんて言ってるんですか?」

「妾も知りたいのじゃ」

「ウフフ、ペリーはこう言ってるのよ。『食べ過ぎたから胃薬をくれ』ってね」



本当にお馬鹿な魔獣ペリーカン。

お荷物ペリカン《ペリーボール》の出来上がりです。

このまま放っておきますか。



「ほら、キャベ(ジン)の胃薬!なんで在るのか私にも分かんないけど、コレを飲みなさい!」



何故か無限冷蔵庫にしまってあった胃薬。

それを一回処方分2個をペリーの口に投げ入れました。


ゲプッ


するとペリーは臭いゲップをして大人しくなりました。

どうやら胃薬が効いたようです。

素晴らしい即効性。

もしかしてコレを売り出したら私、工場パート従業員から卒業出来るのでは?



「カーナさま、これからどうするんですか?」

「そうねぇ。一応従魔になってる訳だし、このまま見捨てる訳にもいかないわ。仕方ないからペリーの側でスゴロクマップを始めましょう。そうすれば私達と一緒に移動できるでしょ」

「それがいいのじゃ」

「そうしましょう、カーナおねえさま」

「分かりました。私もみんなの考えに従います」



はい、全会一致でペリーは無視。

ペリーボール側でスゴロク大会を催す事が決まりました。

おとしどころに収まった次第です。



「では、今度こそ私の番ですね。グルちゃん、サイコロ下さい」

「はい、オルデアンおねえさま」



ずっとやりたくてウズウズしていたオルデアンちゃん。

早速名乗りを上げました。

しっかりとサイコロを握りしめます。



「オルデアン、駄目じゃ。腰が引けておる。ここはもう一度妾がサイコロを振るのじゃ」

「織姫ちゃんはさっき振ったんだから口出ししないで!また、スタートに戻るになっちゃうじゃない」

「なんじゃと!?オルデアン、妾は経験者じゃ。オルデアンは経験者の意見に従うのじゃ!」

「織姫ちゃん、ずっと織姫ちゃんだけサイコロ振ってたら私はずっと経験者になれないわ。それはズルだと思う」

「なんじゃと?妾がズルだと言うのか!」

「オルデアンにサイコロ振らせない織姫ちゃんはズルです」

「違うのじゃ!妾はズルではないのじゃ!」



あらら、オルデアンちゃんと織姫ちゃんがサイコロ振りを巡って喧嘩になってしまいました。

困ったわね。

幼いとはいえ二人とも一国の姫なのに何だか取っ組み合いになってます。

こんな姿を関係者には、とても見せられないと思います。



「ほら、二人とも。こんな事で喧嘩しない!織姫ちゃん、また次は織姫ちゃんに振って貰うから順番で待ってなさい」

「うう、分かったのじゃ」

「それでいいわね?オルデアンちゃん」

「はいカーナさま」

「じゃ、二人とも仲直り。お姫様なんだから喧嘩しちゃ駄目だよ」

「悪かったのじゃオルデアン。ちゃんと順番を守るのじゃ」

「私も怒ってごめんなさい。もう織姫ちゃんとは喧嘩はしないわ」



という事で、オルデアンちゃんがサイコロ振って前に進むという事になりました。

グルちゃんと私は安堵の溜め息が出ちゃいましたが、何とか先に進めそうです。



「振ります。えいっ!」



さて、サイコロの結果は?


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