第146話 真あじ?
◆ダンジョン異空間
カーナ視点
「おお?その声はカーナたんとオルデアンではないか。逢えて良かったのじゃ!」
な、何とーっ!
織姫ちゃんが、あのバンジーブランコに乗ってました。
ヤバいじゃん?!
いや、何がどーしてそうなった???
と、とにもかくにも止めないと!
「織姫ちゃん、そのままストップ!ブランコを漕いじゃ駄目!!」
「おお、オルデアン。このブランコは楽しいのじゃ!」
「織姫ちゃんズルい、私も乗りたーい!」
「オルデアンちゃん、違うでしょ?!」
「カーナたん、さっきペッターに《バク宙》ってブランコ技を教わったのじゃ。今から見せてやるのじゃ!」
「いや、ペッターって誰?って、其処で《バク宙》したらエライ事になるじゃん?!止めなさーい!!」
「きゃあーっ、織姫ちゃん、私もヤるぅ!」
「オルデアンちゃん、私もヤるぅじゃないでしょ?!ここで《バク宙》したら、さっきのヤギ飼い女の子と同じ目にって、聞いてない!?わわっ!?近づきすぎーっ!」
ひゃああっ!?
織姫ちゃんのくるっと《バク宙》が私の目前に迫ります。
もうアカン!!
おかんが焼かんでお湯沸かしてたら阿寒湖 でマリモが転がりサー大変。
おとんが出てきてこんにちは。
おかんと一緒に落ちましょうって、訳分からんわ!
「きょわ?」
「はゃあ?」
「ぶほぉ?!」
そして私とオルデアンちゃんはプロレス技の如く《バク宙》を決めた織姫ちゃんにお尻アタックされ、三人揃って谷底に落ちていったのでした。
アホか━━━━━━━━━━━━━━!?
◆◇◇◇
(カーナさま、カーナさま?)
うーん、誰ですか?
気持ち良く寝てるんです。
邪魔しないで下さい。
(カーナさま、カーナさま、起きて下さい)
いや、久方ぶりに有給もらったんで、本当に起きたくありません。
今日は1日食っちゃ寝ですからアシカラズです。アシカラズでアシカ要らず?
ところでアシカとオットセイの違いが分かりません。どーでもいいですか?
そうですか。
では、お休みなさい。
ZZZZZZ
「カーナさま、起きて下さい!」
「カーナたん、朝なのじゃ!!」
「はひっ!?あ?オルデアンちゃん、織姫ちゃん、おはよう。二人とも元気?」
「カーナさま、寝ぼけてます?」
「うーん、多分?」
「目を開けるのじゃ!そして回りを見るのじゃ!!」
「んん、回り?」
ふわぁーっ、良く寝ました。
ん?回り回って周り?
『オロロロロ炉?』
『ロロロロ炉炉炉オロロロロ』
『ロロロロ炉ロロロロロロロロロ』
「ぎゃあああ!?ゾンビ、マジにゾンビ!!私はホラーとスプラッタはダメだめ駄目!」
ひゃああっ!
ゾンビが辺りをさ迷い歩いてます?!
ゴーストゾンビと違い、明らかに実体があるヤツです。
おまけにSFXからほど遠い、お化け屋敷に出るレベルの金がなくて一般人がエキストラしてるB級映画的ゾンビで、仮装大会的だけど、だからこそ怖いって感じのヤツです。
ピロン
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種族▶真ゾンビ
ゾンビの代表各的存在。
特徴▶やたらコッチ見てくる事/カツラ被ってる事/肌が青白い事/目に光がない事/ボロボロの服を着てる事/化粧で腐ってるを表現の事/骨は見えない事/ゾンビ歩き(さ迷いふらふら歩き)してる事。
能力▶人を驚かせる/怖がらせる/襲う/回游性アリ/他は不明。
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亜種▶まるゾンビ/むろゾンビ/しまゾンビ/ひらまさゾンビ/その他、約40種類アリ
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真ゾンビって真アジ的な!?
回游するん???
いや、どんな種類とか要らないから!
ゾンビはゾンビだから!
それから化粧してカツラ被ってんかい!?
「怖いよオルデアンちゃん?!」
「私達も最初は怖かったんですが、大丈夫ですカーナさま。何故かこれ以上は近寄って来ません」
「そうじゃカーナたん。お化けごっこしてる恥ずかしい大人なだけじゃ」
「いや、その恥ずかしい大人がギョロギョロ見てきて何考えてるか分からないのが怖いんじゃない?!二人共、絶対近寄っちゃ駄目だからね!」
そもそもココは一体どういう所なんでしょう!?
全体が薄暗くて先がよく見えません。
新しいステージなのは間違いないのでしょうけど運営側の意図がまったく理解不能です。
まさか、ただ私達を驚かせたいだけの正真正銘にお化けヤーシきとか?
ドッドッドッドッドッドッ
「こ、このエンジン音みたいな音は?」
「カーナさま、分かりません」
「初めて聞く音なのじゃ!」
変なエンジン音が聞こえてきました。
だんだん近づいて来るようです。
一体何が来たのでしょうか?
そして私達はどーなるの?




