第143話サードステージ23
◆カーナ視点
((((((((((((そーれっ)))))))))))
タタッ
バチンッ
たった今始まったイケメン軍団VS怨霊ロボのバレー試合は、イケメン軍団のサーブ先行でスタートしました。
そして最初のサーブはあの私の推し、イケメンSが打ちました。
見事なジャンピングスパイク!
かなり強烈なサーブが相手コートに放たれました。なんかキラキラしてイケメンSがカッコいい。まるでパリオリンピックの日本代表を見てるみたいです。
ブルマでの見苦しさも推しイケメンならご馳走です。
心なしか、応援ゴーストゾンビ女子達の声に力がこもります。
さあ、ボールの行方はどうなるのでしょう?
ぽすんっ
ああ?!
難なく怨霊ロボにレシーブされてしまいました。オルデアンちゃん達ガッカリです。
やっぱり千手は卑怯過ぎです。
こんなの、スポーツマンシップと呼べるのでしょうか?!
|IOC《国際オリンピック委員会》に訴えてやるです。
ん?
ヒューンッ
あれ?
怨霊ロボがレシーブの緩いままイケメンコートに返しました。
殺人スパイクどうした!?
ピロンッ
《同じ選手が2回連続でボールに触れる反則はダブルコンタクトと言います》
ナビちゃん、うんちくアリガト。
あ、そうかぁ。
怨霊ロボは一人換算。
手がいっぱいでも二度打ちはダブルコンタクトになるのね。
なーるほどザ▪ワール○
は?!
それってある意味チャンスでは?
ようは怨霊ロボは殺人サーブ以外は役立たずって事じゃん。
これはイケメン軍団に勝機有り!?
「メイ、チャンスだ。トスを上げてくれ!」
「はい、アルタクス殿!」
ダッ
ポスッ
「今です!」
「いいトスだ!!」
おお、見事なイケメン連携!
イケメンAのレシーブが最良の位置にボールを上げてます。
合わせてハイジャンプするイケメンS!
もう、カッコいいわん。
これは確実に決まったかぁ?!
「な!?」
なっ!?て、イケメンSの声に瞬時に同意しかありません。
だってコートネット全域に広がる手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手って、数えらんなんないわ!
《千手ブロック》って、馬鹿なの?!
卑怯者━━━━━━━━━━━━━ッ!
バシンッバスンッ
ピィ━━━━━━━━ッ
『怨霊チーム、ブロックアウト!』
「「「「「「わあああ━━っ!」」」」」」
((((((((((きゃ━━━━━━━━━っ!)))))))))
な、何が起きたの?
フン▪ボルト審判がイケメンチームに手を上げました。
イケメン達が歓喜し、ゴーストゾンビ女子達が黄色い歓声を上げています。
え、一点先取!?
やったぁ!
なんという展開。
あの鉄壁の防御と思われたネット全てを覆う千手観音ブロック。
イケメンSが、そこに大きな風穴を開けてやりました。
まさかまさかのブロックアウト。
その手がありましたか。
ピロンッ
(バレールール▶ブロッカーに当たったボールがアウトになることで味方チームが得点を得る事を《ブロックアウト》といいます)
はい、ナビちゃんのお約束。
でもこれは、もしかしたら必勝パターンを得たも同義?!
怨霊ロボは意外と鈍重?
細かな動きに難があるのかも知れません。
操縦士の黒子女子がプルプル震えていますから私の予測は当たっているのでしょう。
つまり、これはロボの致命的欠陥。
パターンを積み重ねれば試合は頂きです。
やっちゃえ、イケメン軍団!
『0━━2』
『0━━7』
『0━━10』
『0━━15』
『0━━24』
ピィ━━━━━━━━━━━━━━━ッ
『0━━25!ワンセット、虫チーム!』
((((((((((きゃ━━━━━━━━━っ!)))))))))
オルデアン
「アルタクス━━━━━!」
織姫
「おお、オルデアンの騎士は中々なのじゃ」
テリア
「オルデアン様、乗り出したら危のう御座います!」
伽凛
「織姫様、お茶をお入れしました」
遂に遂にやりました。
オルデアンちゃん達、ワンセット先行ですっかり観戦モードに切り替わりです。
いやいや一応ココ、ダンジョンの中なんだけど。
と言いつつ、学生服ゴーストゾンビ女子達の声援に負けてらんない私です。
「うおおーっイケメン軍団ガンバレーッ。私の推しが大活躍でウレシ━━っ!」
『主、その肩に掛けてる布はなんだ?それにその三角旗は?』
「ヒューリュリ様、これは推しを応援する為の《たすき掛け》。(推し命)って書いてあるの!三角旗はピラミッド▪スキー場で買った《ペナント》。振るのにちょうどいいのよ!」
『おし?よく分からん』
『コケケ?』、『ケケ?』
「いや、なんでヒューリュリ様とテバサキ夫婦二羽、同じ方向に首傾げて固まるの?!って、とにかく応援の邪魔よ!頑張れーっ、フレー、フレー、私の推し!」
バレーイケメン軍団推し
ゴーストゾンビ女子ファン約数十名
((((((((((きゃ━━━━━━━━━っ!!)))))))))




