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第135話 サードステージ19

◆カーナ視点


《バックミュージック》

【魔王▪シューベルト1797ー1828】♫



え~、バックミュージックに魔王が聞こえます。

相手コートいっぱいに手を広げた怨霊顔千手観音。

目が赤く妖しく光ります。

間違いなく【目からビーム】が出るヤツです。

八犬伝玉藻バージョン機動怨霊ロボtypeマークIIです。

これは怖い。

今夜は悪夢で寝れません。


連中、黒装束では敵わないとみて、奥の手ならぬ千手の手を出しました。

例の黒子女子操る怨霊カラクリ人形です。

いや、ホラーは要らないです。


「カ、カーナ様、怖い!」

「またじゃ、また悪霊が現れたのじゃ!」

『うぬ、あのカラクリ人形は相当な何かの力で動いている。かなり危険なものだ』

『ゴゲゴゲゴケケ!?』

『コケーコッコッコッコッ!!』


皆が戦々恐々としています。

テバサキ達は何言ってるか分かりません。

奥さん、羽根バタつかせてコートの中をグルグル走り回ります。

チキンパニックですね。


「って、あんなの反則じゃない。審判!」


ここはビジッと抗議です。

すかさず審判に詰め寄ります。

当然、選手交代は却下ですよね?!


「コッチ一人。1対6。ハンデ」


黒子女子、さらっと片言でハンデとぬかします。

ハンデの意味、分かってます?

一人じゃなくて一機です!

バレー試合に機動怨霊ロボ使われたらたまったものじゃありません。

こっちだってガン○ム出したいわよ!

カーナ行きまーす。


「いやいや、あんなの、ハンデも糞も無いでしょ?!審判、しっかりして!」

「ピーチクパーチク虫、うるさい」

「虫じゃないわ?!」

「虫、虫、虫、虫、虫、虫」


ムカッ

あの黒子女子、私を虫固定でオチョクッてきます。

人を怒らせる才能があるようですね?

どうしてくれようホトトギスです。


『う~ん、俺は雇われだからな。ここは雇い主に聞いてくれ』

「フンボルトな役立たず!?」


待てや、フンボルト審判。

ルール主審が雇い主に審議丸投げしてどーするよ。

え?雇い主って?


((カメヘンカメヘン、ここは無礼講や。これがバレーの醍醐味てっ事でセーフや))


おい、糞カーメン。

フンボルト審判の雇い主ってアンタか?

無礼講に醍醐味って何?

そんなんでセーフ出しって意味分からん。

しかもよく見たらカメヘンカメヘン、下が脛毛足サンダル履で裸足です。

本当にサードステージダンジョンBOSS?

そのへんのオッサンが三頭身ツタンカーメンお面被って、手と顔に包帯巻いてるだけにしか見えません。


((ソコの虫?失礼な事考えたらイエローカードやで))


うう、じっと恨めしく睨んでいたら心読まれました。

うっかり顔に出てましたか。

しかも黒子女子に続き、カメヘンカメヘンまで虫って言ったぁ!?

私は虫じゃなく、カーナって名があるんですぅ!

妖精カスハラに汽車ポッポです。

頭のテッペンから湯気が上がります。


「カーナ様、怒らない怒らないですよね?」

「一休さん?なのじゃ」


あう、五歳児達に諭されます。

精神年齢三十路の私にこれはキツイ。

もっと冷静にならないと。



「くく、やっぱり虫。何処から見ても虫。怒っても虫」

「虫じゃねーよ?!」


あの黒子女子、腹を抱えて笑ってます。

顔が見えないのが余計に腹立たしい。

人を怒らせる天才かも知れません。




((んじゃ、第二試合の開始や。全員、メダル取れる様に気張りや))


カメヘンカメヘンの試合号令の下、ついに怨霊ロボ擁する黒子女子との試合が開始されました。

メダル?

オリンピックのメダルの事?


「メダル?メダルって何!?金メダルなの?」

なんかちょっとワクワクします。

お宝の匂いじゃない?


((カメヘン印のサードステージ記念メダルや。今だけペナントを付けるで))

「記念メダル?観光地で売ってるヤツじゃん?!要らんわそんなもん!ペナントって!?」


ペナントって今じゃ誰も知らない、観光記念に何故か必ず売ってた三角のヤツです。

昭和か!

何でカメヘンカメヘンが知ってるのよ?!


「玉藻、サーブ」


ギギギッ


黒子女子の指示に怨霊ロボにサーブを指示しました。

怨霊ロボがバレーボールを上げます!



「いけない!?皆、注意して!レシーブ体勢!」

「はい、カーナ様!」

「はい、なのじゃ!」

『任せろ!』

『ゴケケケ』

『コケーッ』



ギララララララララララッ


はい?

怨霊ロボ、背後の千手が回転です。

何アレ!?


(((((((((そーれ))))))))


バシンッ


ゴーストゾンビ応援女子達の掛け声と同時に放たれた怨霊ロボ【回転千手サーブ】。

目にも止まらぬ速さで繰り出された千手に打たれたボールは、一瞬で私達のコートに着弾します。



ズガンッ



「は?……………」

「カ、カーナ様……」

「無理……じゃ」

『これは攻撃なのだ?反撃していいか(あるじ)

『ゴケー!』

『コケー!』


誰もそのサーブには動けませんでした。

動けるはずもありません。

動けたら大惨事です。

何故ならヒューリュリ様が攻撃と認識したくらいに、そのボールは殺人級の破壊力があったのです。

その証拠にボールが着弾した場所は今だ、煙を上げて燻ってます。


こんなの、どうレシーブしろと!?



いや、無理ゲーだって………。


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