表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/430

第129話 サードステージ13(種目?)

◆ダンジョン体育館?

カーナ視点


試合に勝たないとダンジョンから出れない?


意味が分かりません。

なら、その試合は一体何の競技なんでしょう?


「えーと、踏ん張るとペンギンさん?」

『妖精?踏ん張ってない。レオでいい』

「いや、それだと白ライオン……」

『ああ?何だそれ?』

「気にしないで下さい」

『そうか。とにかく試合に勝たないと出れない。俺たちはずっとメンバーが足らなくて、試合参加が出来ずに困ってたんだ。あんたらにもいい話になるはずだぜ』

「話は分かりました。種目は何ですか?」

『種目はバレーだぜ!』

「バレー?!」


「カーナ様!」


私が踏ん張るペンギン?から話を聞いていたらオルデアンちゃんが声をかけてきました。

その後から織姫(おりひめ)ちゃんとヒューリュリ様も近づいてきて私の後ろにつきます。


「カーナたん、結局話を聞くのじゃ?」

(あるじ)、どうするのだ?』

「仕方ないの。試合に勝たないと前に進めないんだから彼らに協力するしかないわよ」

「でも、私達に出来る事でしょうか?」

「うーん、それが問題かも」



バレーの試合、バレーの………

ハッキリ言って私達は、妖精、犬、幼女二人の混成チーム。

バレーなら六人なんですが、踏ん張るペンギンが二羽入ったとしても頭数(あたまかず)だけの戦力外と言っても過言ではありません。


「相手にもよるけど、このメンバーはないわね」

『あと二人必要だな』

「は?今何て?」

『あと二人、メンバーが足らないんだ』



聞き違いでしょうか。

踏ん張るペンギンが何か言いましたね?



「あと二人って何?アンタともう一羽、いるんだよね?!」

『俺はコーチだから試合には出ない。ペンギンがバレー出来る訳ないだろ?仲間もこのサードステージには居ない。そういう事だ』

「おい待てや」



いや10センチの妖精、犬、幼女二人にバレーやれって言っておいて自分はペンギンだから試合に出ないは理解できません。

仲間が居ないのもそうですが、人に何か頼む時はそれなりに条件を揃えてから声を掛けるべきもの。

ましてこの人不足の中、言い出しっぺが参加しないのはフザケンナです。

このウンコ垂れペンギン、殴っていいですか?

そもそも相手チームはどんなチームなんでしょうか。



「相手チームは、と?!」



ガチャガチャガチャガチャガチャガチャッ

ゾロゾロゾロゾロゾロゾロッ



「あ、虫いた」

「何か、デカイ犬がいるだっちゃ!」

「「「「「ひいい、これから何がはじまるんだ!?」」」」」

「閣下!」

「姫は……無事か………」



あう、三角旗フリフリしたジェーTBゾンビお姉さんに引率された一行が現れました。

途中で雪だるまになっていたはずの黒装束達と黒子女子、モヒカン世紀末と偉そう男です。ついに追い付かれました。

どうしましょうか。



ガコンッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴッ


おお、体育館の床が割れてバレーコートがセリ上がります。

何かロボットアニメみたいで画期的ですね。

ん?


「ねぇ、踏ん張ると?まさか相手チームって!」

『レオだ。そうみたいだぞ』


ガーン

ちょっと、ちょっと待って下さい。

どうやら相手チームはあの誘拐犯達の様です。

という事は向こうは大人で、人間で、補欠要員までいる大チームという事じゃないですか!?



ガチャガチャガチャガチャ


ああ、あの恐怖人形がバレーボールでお手玉始めてます。

まさか黒子女子、人形で参加なの?

チート?チートじゃん!

いやいや勝てる気が全くありません!



「ちょっと、実力差が在りすぎなんだけど。ハンデとかないの?」

『判定するのは奴だ。奴に聞いてくれ』

「ヤツ?」


判定者は他にいるようです。

踏ん張るペンギンが指し示した方向、観客席には、あのサングラス掛けたインチキ手品師がいます?

あ、立ち上がって手を翳してます。

またインチキな壺を売りつけるのでしょうか???


((あるときはキテますキテますピラミッドパワー!のインチキ手品師。またあるときはルール判定者。その実体は!?じゃーん!サードステージボス、カメヘンカメヘンや。ヨロシク。そんでもってハンデ制は無し、やで))



うわぁあ!

あのインチキ手品師がクルって回ると、全身金ピカのサングラス掛けたツタンカーメンみたいな格好になりました。

殆んど怪しい成金ツタンカーメンにしか見えません。

え?アイツがサードステージのボスなの?

いやそれよりハンデ制無し?!


「くっ、こっち二人欠員でハンデ無しとか、試合にすらならないじゃない!」

「カーナ様、勝てないの?」

「ぬ、ビゲル……許せぬのじゃ!!」

『我が二人分カバーするのだ、(あるじ)!』


むむ、ヒューリュリ様の機動力はかなり期待出来ますがお互いにルール知らない素人。


だとしても千手人形が入ったら手数(てかず)で勝てる訳がありません。

いったいどうしたらいいのでしょう。



「カメヘンカメヘン、提案がある」


あ、相手チームの偉そう男が手を上げて観客席に近づきます。

GM(ゲームマスター)成金ツタンカーメンに話があるようです。


((キテますキテますピラミッドパワー!はい、なんやねん?))


「我々が勝ったら次ステージに行く時、相手チーム三名とメンバートレードを認めてほしい。こちらからは黒装束三人。向こうからは幼女二人と妖精だ」




「「「「!!」」」」


な、何を提案してるの?

え、私とオルデアンちゃん、織姫(おりひめ)ちゃんのメンバートレード!?


((カメヘンカメヘン、勝利チームにはお駄賃あげるで。メンバー交換認めたるわ))



「な?!」

「カ、カーナ様……」

「己れビゲル!また(わらわ)を拘束するつもりか。許さんのじゃ!」

『何だと?我が(あるじ)をどうすると?!』



ぐっ、これで試合に絶対負けられなくなりました。

だけど圧倒的物量の前に風前の灯です。


せめてチームメンバーが揃っていたら良かったんですが、このままでは最初から負け試合です。


いったいどうしたらいいの!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ