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第120話 サードステージ4

◆惑星イオ京都タワー

カーナ視点


ウイィーン、ガコン


「扉が開いたのじゃ!」

「ああっ、待ってよ織姫(おりひめ)ちゃん?!」

「ほら、二人とも!いきなり駆け出さない。他のゾンビさんに迷惑でしょ!公共の場は静かに慌てずにゆっくりと歩くよ!」

「「はーい」」


うーん、二人とも返事だけはいいんですが、エレベーターから展望台に駆け込んで、かなり先までいっちゃいました。

幼稚園の引率先生になった気分で本当に困ったちゃん達です。


『いいのか、放っておいて?』

「まあ、いいでしょ。タワーは何か穴場ぽくってゾンビも僅かだし、理由は分からないけどオルデアンちゃんにはゾンビが近づかないみたいだから」


さてさて、展望台から眺める景色は如何なものでしょう。

久方ぶりの京都観光は私もテンション爆上がりです。(ダンジョンです)


ふむふむ、オルデアンちゃん達は赤い鳥居に入り浸り?

は?何でタワー内に鳥居があるの??


「あ、カーナ様!こっち、こっちです!」

「早く来るのじゃ!」

「はいはい何です、二人とも?」

「オミクジって何ですか?」

「オミクジって何じゃ?」

「いや、二人でオミクジ連呼?……ああ、おみくじね?おみくじ」


神社だから、おみくじがあるのは当たり前?ですか。

しかし困りましたね。

これは、おみくじを知らない外国人におみくじを教えるようなもの。

どうやって教えたらいいのでしょうか?



ズイッ

((ソレハ僕ガ教エテ《《アゲル》》))

「ぎゃっ?!いきなり何?このキノコみたいなキャラクターは?」


私が悩んでいると、真後ろに丸頭に円筒形みたいな胴体のキャラクターが現れました。

アンタ何者?!


「カーナ様、タワワ君!」

「おお、タワワじゃ!」

「は??」


いや、タワワって何じゃい!?



((僕タワワでス。コノ惑星イオ京都タワーのユルきゃらデス。どーぞヨロシク))

「あ、ご丁寧にどうも?」


名刺貰いました。

何々?タワワ君?惑星イオ京都タワーゆるキャラって、ああご当地ユルきゃらですね。

転生前に流行ってました。

たしか埼玉県羽生市で世界キャラクターさみっとがやってましたよ。(11月だよ)

観客よりユルきゃらの方が多くて、こんなに居るんだって驚いたのが印象深い思い出でした。


「ま、まあいいや。それで、おみくじだけど……」

((今日ノ運勢ガ分カリマス。ココカラ引イテ下サイ))


と、見せられたのがガチャガチャ?

いやいや、カプセルに紙が入ってるのが見えるけど、まさかコレがおみくじ?


「最近のおみくじはガチャガチャでやるもんなの?」

「カーナ様、やらせて下さい!」

「面白そうなのじゃ!」

『さっきから何に群がっているのだ、お前達?』


おう、ヒューリュリ様が参入して押しくらになってます。

いるんですよねー我先に群がって囲んじゃう人達。田舎者感が丸出しです。

はあ、ガチャガチャはお金が必要なんですよ、《《お金がね》》。


「コレ、お金はいくら入れるの?」

((白金貨一枚デス))

「ふーん、白金貨一枚……白金貨一枚?!」



白金貨 ▶平民の数年分の年収 (約一千万円)


ボッタクリですか、そうですかって一千万円のガチャガチャでおみくじヤル馬鹿が何処にいるか━━━━━━━━っ!




ガチャガチャッ、カラン。


「あ、カーナ様、おみくじ出ました」

「はい?お金は??」

「ちゃっちゃと入れたのじゃ!」

「は?」



居たわ。

けど白金貨ですが?

あの、一千万円だけど??



『我の分も入れるのだ』

「はい、ヒューリュリ様」

「もう一回引くのじゃ!!」

((カモネギ二名ト一頭ゴ案内))

「待てや、お前ら」



くっ、流石一国のお姫様達。

一千万円は六歳児のおこずかいですか。

駄菓子屋でカゴ一杯並みに軽いノリですね。

私が28号にコキ使われてパートのオバチャンと稼いだ1ヶ月は銀貨一枚でしたよ?

ビール券一枚付きでしたけど。


銀貨 ▶平民の1ヶ月分の給与 (約十万円)



ガサガサガサッ

「………カーナ様、読めません」

「はい?ああ日本語で書いてあるからね」

(わらわ)の分も読むのじゃ!」

(あるじ)、我の分も読んで欲しいのだ』


ありゃりゃ、そーですよね。

おみくじ、何故か日本語なんですから。



「待って待って順番に!最初はオルデアンちゃんね。どれどれ、おお大吉だわ。やったね、オルデアンちゃん」

「カーナ様、それいいの?」

「いいのいいの。最高の運勢よ」

「やった!」


あら、可愛いい。

やっぱり子供は笑顔が一番です。


「カーナたん、次は(わらわ)じゃ!」

「はい織姫(おりひめ)ちゃん。えっ、カプセルが2個あるんだけと?」

「2個買ったのじゃ!」

「いや2個って普通は悪いくじに当たった人がヤリ直しで引くのだけど」

「2個じゃ!」

「……ま、いいか。えーと一つ目、小吉」

「いいのか、それ、いいのか?」

「さっきより上よ。良かったわね、逆じゃなくて」

「良かったのじゃ!」ニカッ


やっぱり六歳児、二人とも可愛いいわね。

ま、いいのか。

こんな無駄遣いでも二人が笑顔になれるならね。



(あるじ)、我のも見て欲しいのだ』

「はいはい今度はヒューリュリ様ですね」

ガサガサッ「えーと?大…………」

『おお、大吉か!?最高の運勢か?』

「やりましたね、ヒューリュリ様」

「なんとヒューリュリもか。(わらわ)は最高がキチだったぞ。何か悔しいのじゃ」

「…………ま、まあ、そーゆう事で……」



いや普通は観光地でこんなの、おみくじに入れないでしょ?!(ダンジョンです)

まあ多分、めったに出ないものだろうし、ある意味当たりみたいなもの。

本人が喜んでるなら水差す必要もないですね。


それにしてもこのダンジョン。

日本語もだけど、何でこんなに日本的なんでしょうか。

うーん、謎謎キライです。




((オ買イ上ゲ、有リ難ウ御座イマシタ))


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