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第115話 セカンドステージ3

◆ダンジョンセカンドステージ▪宇宙?

カーナ視点


さて、【スキル▪植物操作】なる新スキルを得た私ですが使い方が分かりません。


「ナビちゃん!新スキルの使い方、教えて!」

ガンッ「ふぎゃ!?」

ドサドサッ

「カーナ様、大丈夫?!」

「痛たたた、だ、大丈夫よオルデアンちゃん。何か頭に落ちてきたの。何が落ちて?」


は?

目の前にブリタニカ百科事典のような分厚い本が一冊??

何々?新スキル取り扱い説明書って………まさか?


「ナビちゃん、これトリセツ(取り扱い説明書)!?」


シーン

当然の事ながらナビちゃんから返事は無く、私は仕方なくそのスマホの トリセツ(取り扱い説明書)より多いページを開きました。


「ぐはっ???!」


ビッシリ書かれたページ!

しかも300ページはありそうです。

おまけに保険関連で顧客に見せたくない情報を小さく表示する文字とほぼ同じ!

ナビちゃん、アンタ私にスキルを使わせる気無いでしょう?!

仕方なく最後のページを開きます。

ん?

【適当な呪文を言ってね】


ムカッ

……オフザケ、おふざけですか?

分かりましたよ!

言ってやりますからね?!

笑うんじゃないですよ!



「おいカーン、オルデアン姫はどうしてる?」

「は!織姫(おりひめ)様と同じ座席に座らせてあります」

「連れて来い。今から前車両を確認する」

「分かりました」



ヤバっ?!

あのモヒカン世紀末が此方に戻ってくるようです。

依然として宇宙海賊と人形(プラス)黒子女子の攻防は続いており、ローブイケおじもその場に釘付けです。

ですが次のターンの為にオルデアンちゃんを確保するつもりなのかも知れません。


いけません。

早く縄をほどかないと不味いです。


「くっ、恥ずかしながら呪文を唱えるわよ!えーとオキナーワニイルノハヤンバルクイナ(サリーちゃんの呪文口調で)」


アレ?上手くいきません。

もう一回!


「オキナーワニイルノハ《《ヤンバルクイナ》》!」


ざわざわざわっ

おお、オルデアンちゃん達を縛っていた縄がヘビの様に動き出しました。

そのまま縛りを解いて床を這っていきます。

そして通路を挟んで座席と座席を繋ぎました。

これって?


ドタッ「ぐわっ、だ、誰だ!?こんな所に縄を結んだのは!」


おお、モヒカン世紀末がその縄に引っ掛かり前のめりに倒れ込みました。

さっきの呪文、そんな事も含まれていたのでしょうか。

なんにしてもラッキーです。

私はオルデアンちゃん達にゼスチャーし、後部車両に誘います。

こそこそっと通路を早歩き、後部車両に辿り着きました。


気づいたのはゾンビ黒装束ですが、彼らはお弁当と新聞、サンドイッチにしか興味がないようです。


よくいるんですよ。

仕事で来ているのに、お土産や現地の食べ物だけ興味がある観光出張の人。

ちゃんと仕事はしましょうね。



「な、姫達が居ない?!」


ありゃ、モヒカン世紀末が姫達を座らせていた座席を見て驚きの声を上げました。


はーん、でももう私達は後部車両のドアを閉めちゃってます。

しかもパーサーお姉さんゾンビが来ていたので、私達は後部車両の座席に逃げ、お姉さんゾンビをやり過ごしました。

そして隣車両の後部に居た黒装束ゾンビがパーサーお姉さんゾンビに群がって買い物をしてるので当然通路は塞がってます。

モヒカン世紀末はゾンビに触らないで此方に来る事が出来ませんから、そこで足止めを喰らうという寸法です。

まさにシテヤッタリです。


「くそ、ゾンビ共が邪魔で後部に行けないぞ!?」

「いい、どうせ列車からは出られない。取り敢えずあの海賊ゾンビを何とかしろ、呪術師!」

「分かってる………………」



おっと、ローブイケおじは中々冷静でした。

私達に構わず黒子女子を叱咤、海賊ゾンビ殲滅を優先するようです。

でも確かに外は宇宙空間?だし、列車から離れられないのも事実。

うーん、どうしたものでしょう。


んん?あの顔の見えないゾンビ車掌が前側通路でお()でお()でしています。何でしょうか。


「ねぇオルデアンちゃん、あそこで車掌がお()でお()でしてるんだけどどうしようか?」

「カーナ様に従います。カーナ様が決めて下さい」

「え、私に従うとかじゃなくって意見を聞いたんだけど……」

「構わんのじゃ!どうせここに居たら捕まるだけじゃ。オルデアンの信じるソナタを(わらわ)も信じるのじゃ!」


って、目をキラキラさせて私に丸投げするのは止めなさい。

マジメに責任取れないから。

はぁ~、とはいえ精神年齢で云えば私が一番の年長者。

六歳児相手にゴネる訳にはいきません。

ええいっ女は度胸!男は愛嬌?

ここは私が仕切ります。


「えーと車掌さん?私達、悪人から逃げたいの。だけどゾンビになるのもケッコウです。how is it?OK?」


すると車掌さん、親指を立てて頷きました。

本当に理解してます??

はい?あ、手招きね。

まもなく車掌さん、私達を最後尾車両に案内してくれました。

いわゆる新幹線先頭車両と作りは同じです。

ここなら少し時間が稼げるかしら。

ん?車掌さん、何してるのですか??


車掌さん、何やら車両の連結部で不穏な動きをしています。

は?そして作業が終了したと云わんばかりに汗を拭うと、こちらに振り返ってニコニコしながら手を振ってます。


んん?あれ?目の錯覚でしょうか。

車掌さん、手を振ってるんですが身体が縮んでいきます。

え?ゴーストゾンビだから??


あれれ?!

今度は通路全体が縮んでいきますね?

不思議だなーっ、うんうん………




って?!


「こら━━━━━っ!!勝手に連結外すんじゃないよ!私達、宇宙の迷子になるでしょうが!絶対に訴えてやる!!」


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