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第104話 絶叫?!

◆テータニア皇国▪ダンジョン入り口付近

カーナ視点


とは言ったものの、黒装束達との体格差はガリバー並。

取っ組み合いをしたら、指との取っ組み合いで終わってしまいます。(何故に肉弾戦?)

そうなったら私はともかく、テバサキは定番の鶏肉の各部位に切り分けられ、美味しく食べられてしまうでしょう。

いわゆる、料理されちゃうってヤツです。


定番の鶏肉の部位

もも肉

むね肉

ささみ

手羽先

手羽中

手羽元

レバー


『ゴケ!?』


私はいいんです。

私はね。

だけどその時は私も【ご相伴にあずかる】をしたいんです。

ええ、最近まったくお肉に縁がないものですから、そろそろ食べたいなぁと。

出来れば焼き鳥が食べたいですねぇ。

焼き鳥はビールのお供に最高なのです。


定番焼き鳥(人気順)

モモ

ネギ間

つくね

レバー

砂肝

ぼんじり


ゴケゴケゴケーッ(鬼畜鬼畜鬼畜)!』

「や~ね、テバサキ。何を怖がってるの?」

ゴケケゴケー(鳥殺しーっ)!』

「こらこら、騒いだら見つかっちゃうでしょ!静かにして」



ピロン

◉従魔は主人の大まかな考えを感知する事が出来る。


「は!?」


ピロン

◉従魔は主人の大まかな考えを感知する事が出来る。


「……………」


私は冷や汗をかきながら、ゆっくりとテバサキを見ました。

テバサキはいつの間にか私から離れ、神殿屋根の片隅から涙目で私を見ています。

涙が田舎っぺなんちゃらの涙クラッカーになってます。(良い子の皆はおじいさんに聞いて)

ナビちゃん、もっと早く教えて?!


「テバサキ、さっきのは間違いなの。ちょっと考えただけだから気にしないでね。てへっ」


可愛く愛想笑いをしてみました。

美幼女の私の至高な笑顔。

これでたちまちテバサキの機嫌は復活……


『|ゴケーゴケー《焼き鳥嫌、焼き鳥嫌~っ》!』


あっれーっ、おっかしいーなぁーっ?

テバサキが取り乱したままです。

鳥だけに(取り)乱し、なんちゃって。


『ゴケーゴケーゴケー』


え、面白くない?

テバサキが猛烈に抗議しています。

あちゃー、すっかり信用が無くなりました。

何で?(当たり前)


不味いです。

唯一の戦力だったテバサキが使い物になりません。

自業自得ですか?

そうですか。



「おい、何かコッコドゥがうるさくねーか」

「ああ、やたら騒いでるなぁ。こんな夜中におかしいんじゃないか?」

「確かにそうだ。コッコドゥが鳴くのは朝方のはずだ」

「それに何故か、神殿の屋根上から聞こえてくるぞ」

「おい誰か黙らせてこい!ここは立ち入り禁止区域だが、あまり騒がしいと警備隊が動くかも知れねぇ!」

「だが、神殿の屋根だぞ?どうやって上がるんだ?!」



テバサキの騒ぎが黒装束達に知れてしまいました。

まあ、神殿の屋根なんで、高さがありますから連中は上がってこれないと思いますけど。


ところでこの神殿、無人らしいです。

実はさっき黒子女性とお(かしら)が親玉に会いに行く前に話ていたんですが、神殿の役割はダンジョンに対する結界なんだそうです。

神殿がある事でダンジョン入り口の扉が開かないようになっているそうで、祭事がある時以外は無人になってるらしいです。

だから連中は夜間で立ち入り禁止、ゾンビ怖さに人も近寄らないから、この場所を親玉との待ち合わせに使ったのでしょう。


しかしテバサキが騒がしいこの状況、黒装束達の耳目(じもく)がテバサキに集中してオルデアンちゃん達から意識が離れています。


チャンスです。

私は騒ぐテバサキをほったらかしにして、羽根をバタつかせて飛び上がりました。

このまま一気にオルデアンちゃん達のところに向かいます。


「何だ、あの光は?」

「鳥だ!」

「バカラスだ!」(失礼な)

「未確認飛行物体?」(は?)



なーに黒装束達、騒いでるのかしら?

しかも私の方を見ています。

まさか、私の背後に何かいるの???


キラキラキラッ


あーら、綺麗ねぇ。

私の羽根から鱗粉が飛び散って、その粒一つ一つが銀色に輝いて散っていきます。

さしずめ、ピーターパンに出てくる妖精の粉でしょうか?

私が羽根を動かすたび、回りに光を伴って散っていきます。

日中は分からなかったんですが、私の鱗粉って光るんですね。

初めて知りましたって、これじゃあ目立ち過ぎて奇襲的救出が出来ない?(奇襲的救出とは?)

駄目じゃん!



「お前ら、何を騒いでるんだ?」

「「「「「お(かしら)!」」」」」



「!!」

あちゃー、チキン仲間のお(かしら)が戻ってきてしまいました。

するとあの黒子女子も戻ってきて……ん?

居ませんね??

どうしたんでしょうか。

途中で24時間ストアに夜食でも買いに行ったのでしょうか?


ちょっと寒くなったから私は肉まんが欲しいです。あと、おでん。

厚切り大根、昆布、こんにゃく、ガンモは美味しいですよね。ヤッパリ、汁の味付けの濃さがミソでしょうか。

ムム、転生してから食べてません。

次回のご褒美セットでお願いしてみましょう。


カランカランカランッ


「?」


飛んでる私の背後で、木が擦れる乾いた音がしました。

いったい何でしょう??



「「んーっ、んーっ、んーっ!!!」」


ありゃ?オルデアンちゃん達が目を見開き、焦った顔で私を見ています。

どうしたんでしょうか?


「「んんんっ、んーっんーっ!!!」」


え、私の服が汚い?

まあ、洗濯してないですからね。

一張羅(いっちょうら)なんで。

え、後ろ?

一体、何があります?背後霊かしら??



カランカランッ


あら、日本人形が浮いてます。

端正な造りで、人形職人さんの心意気を感じますね。

着ている着物も赤を基調に流れるような花吹雪をあしらって結構豪華って、どっかで見た事ある人形ですね?


カタンカタン、にこり。


あら、表情が変わるんです?

人形にしては美人さんですね。

カラクリ人形ですか。

よく、エヌエッチケーの人形劇放送を見た事を思い出しました。

あの人形劇、好きで次回が待ち遠しかった事もありましたね。

確か、南総里見八犬伝?んん???



ニタぁ、パカッ



「ぎゃああああ━━━━━━━━━?!」





絶叫絶叫絶叫絶叫絶叫絶叫絶叫━━━━ッ!


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