HAPPY BIRTHDAY
捜査会議が終わり、空は茜色に染まっていた。
薄っすらと月が映っているのも分かる。
私は、その時すでに、自宅の最寄駅・浅谷駅への電車に乗っていた。
今日は7月29日、傑の誕生日であった。
電車を降り、私は改札を通った。
私は、家の近くにある「Happiness cake」というお店に寄った。
店員さんは、可愛い制服を着ていた。
「いちごタルト1つと、チーズケーキ1つください」
私は、店員さんに話した。
店員さんは、「レジでお待ち下さい」と明るい口調で話していた。
それから少し経ち、商品をもらい、お金を払って店を出た。
私は、家まで歩き始めた。
気温は30℃を超えていて蒸し暑かった。
私は、何にも考えず家へと向かった。
「ただいまー!」
家に到着し、あの店員を見習い明るく言ってみた。
「明るくていいね、おかえり!」
リビングから、少し笑っている傑の声が聞こえた。
私は、そんな笑い声を聞きながら、リビングへと向かった。
私は、いつもより豪華な夕食を作り始めた。
傑は唐揚げが大好きで、野菜が嫌い。
そんな小学生みたいな好みをしてて、私はそんなところも好きだった。
夕食が完成し、私と傑は手を合わせた。
「いただきます!」
傑は、お皿に乗った唐揚げを小学生みたいに頬張り、美味しそうに食べていた。
私も、唐揚げが大好きだ。
だからこそ、今日はとてもウキウキしていた。
そして、話は盛り上がり、好きな本の話になった。
私は話し始める。
「私は、『ダイイング・メッセージ』っていうミステリー小説が好きかな」
そして傑も話す。
「俺は、『牛倉島の孤独な探偵』っていう、1年前くらいの小説が好き」
「特に、この『偽りの最終弁論』っていう章がめっちゃ好き!」
傑の目が輝いていた。
私は、この本を借りて、寝る前に読むことにした。
夕食を食べ終わり、冷蔵庫に向かい、ケーキを取り出した。
傑の大好きなチーズケーキを置くと、傑はまた目が輝いていた。
私は、ついでに買った2と8の[[rb:蝋燭 > ろうそく]]をチーズケーキに立て、火をつけた。
そして、お揃いのキーホルダーのプレゼントを渡した。
「え!?ありがとう!」
傑はとても嬉しそうだった。
ケーキはとても美味しかった。
寝る支度をし、ベッドの上で私は、傑に借りた本を読み始めた。
私は、傑が勧めてきた、『偽りの最終弁論』のページを開いた。
ベッドの近くのデジタル時計には「22:32」が示されていた。
私は、時間を忘れてどんどん読み進めていった。
読み終わった時、時計を見ると「23:57」が示されていた。
そして私は、あることに気付いた。
だが私は睡魔に負け、本を片付け、ベッドで横になった。