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証明 〜Gray Secret〜  作者: 狐猫嶺
Ep.2 幾重の黒い紐
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道化師殺人事件

私は最近『ダイイング・メッセージ』という小説を読んでいる。

作者の佐々倉栄都は「ミステリーの道化師」の異名を持っている。

そんな私は、佐々倉のSNSを見た。

私はすぐさま、毎日更新しているはずのSNSが更新されていないことに気が付いた。

心は何か削ぎ取られたような気分になった。


私はいつの間にか眠りについていた。

今日もまた県警へと向かう。

行きの電車は窮屈(きゅうくつ)で、ニュースをただ見ているだけだった。


捜査一課へといつも通り歩いていた。

到着するとすぐさま、上司に話しかけられた。

佐々倉栄都(ささくらえいと)という男の遺体が栄團社(えいだんしゃ)の職員により発見された。今すぐ行け!」

「場所は…、近くの奴らについてけ!」

私は驚きを隠したまま、刑事の精神で出発した。


佐々倉の自宅は至って普通だった。

遺体は作業部屋で横たわっていた。

その奥には、普通の紙に書かれたダイイングメッセージ。

「男に俺は殺された」というA4の用紙に書かれた文だった。

私は、まず警察に復帰したばかりの傑に話を聞いた。

「殺されたのは何時ですか?」

「午前2時台です」

「死因は?」

「首に紐の跡があるため、窒息死だと思われますがーー」

傑が口を止めた。

「いや…、頭を鈍器で殴られた可能性もあります。」

髪の毛で隠れた傷がかすかに見えた。

部屋の端には、第一発見者の円良田夏美(つぶらだなつみ)に話を聞いた。

「あなたは何をしにここに来たんですか?」

「佐々倉さんの、連載小説の納期が過ぎてたんです。なので家に来たら…」

「では、午前2時頃にあなたは何をしていましたか?」

「家で寝てましたけど」

「それを証明できる人は?」

「いませんよ、1人暮らしなので」

「ご協力ありがとうございました」


私は、県警に帰った。

その後の捜査会議では、先輩刑事である熊谷千鶴(くまがやちづる)の報告から始まった。

「自宅付近の監視カメラからは、事件の後に4回、白い乗用車が映っていました。」

「現在、その車を運転していた人物を怪しいと見て捜査を進めています。」

つまり、佐々倉の自宅に2回行ったということだろう。

続いて、新人刑事の江島結城(えじまゆうき)の報告があった。

「机の上に置かれていた『男に俺は殺された』というダイイングメッセージは、

机に置かれていた、A4サイズのスケッチブックで書かれたと見て良いと思います」

つまり、佐々倉は最後の気力このダイイングメッセージを残したということだろうか。

にしては長すぎないか…。

また、『男』という表現から知らない人に殺害されたのだろうか。

私はそんな想像を膨らませながら考えていた。

次は、桜の報告だった。

「死因は、頭を何かで殴られたからだそうです」

「あと、首にあった縄の跡については現在捜査中だそうです」

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