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万引きJKGメン、盗賊に転生する。  作者: ざとういち
13/21

第13話 下着泥棒

ある晴れた日。マイカたちは洗濯物日和ということで、自分たちの下着を近くのオアシスで洗って、馬車の装飾の突起に引っ掛けて干していた。


「カラッと晴れてこれなら

 バッチリ乾くね!マイカ!」


「いやぁほんと良い天気で

 良かった……!」


満足気に自分たちの下着を干すマイカたち。リナは恥ずかしそうに下着を背中に隠しながら、顔を赤らめている。


「なんでそんな

 恥ずかしがってるの!?」


「そうだよ?友達じゃん!」


「だ、だってサイズが……!!」


マイカとツムギはサイズと言われ、マイカ→リナ→ツムギの順に目で確認する。


「リナはマイカより大きくて、

 あたいより小さいんだね!」


「そ、そういうのが

 恥ずかしいんだって!!」


「あ、お前らちょうどいい。

 俺のも干しといてくれ。」


「いぎゃあああああっ!?」


「えぇっ!?」


突然現れたレオに悲鳴を上げるリナ。普段、マイカとツムギは全く気にせず、レオの洗濯物と一緒に自分の下着を干していたのだった…。


「ほんと、あ、ありえない……。

 男の人と同じ場所に下着を……。

 もうお嫁に行けない……。」


結局、リナはツムギに下着を奪われ、レオと同じ場所にまとめて干されてしまった。


「まぁまぁ、リナ……。

 そんなに気にしなくても……。」


「あなたが気にしなさすぎるの!!」


妹のツムギならまだしも、女性として男性に羞恥心を抱いていないマイカに、リナは呆れていた。


「そもそも、同じ屋根の下で

 寝てること自体ありえないんだって……。」


「レオさんは確かに良い人だけど……。」


ずっと一人でブツブツと呟いているリナを、マイカは不思議そうに眺めていた。そこへ再びレオが姿を現した。


「お前ら、今日は盗賊業は休みだ。」


「休み……?」


レオはコインを握り締めながら、マイカとリナに声を掛けた。


「あ、レオには運が良い日と

 悪い日があって、運が悪いと

 能力が全然使えなくなるから、

 そういう日は一日中寝てるんだよ。」


「ふ、ふ~ん……?」


「そういうこった。お前らも

 寝るなりなんなり好きに過ごしな。

 ふわぁ〜あ……。じゃ、おやすみ。」


そう言うと、レオは馬車の上によじ登り、屋根で日向ぼっこしながら昼寝を始めた。


「あ、良いなぁ〜……兄貴。

 そこ気持ち良さそうで……。」


ツムギは、指を咥えながら羨ましそうに屋根の上を見ていた。


「よ〜しよし……。じゃ、じゃあ

 アルバード……。今日も親睦を

 ふ、深めようねぇ〜……?

 はぁ……はぁ……。」


休みと聞いたマイカはハァハァしながらアルバードの元へ向かい、ひたすらじゃれつき始める。


「マ、マイカってあんな

 一面もあるのね……。」


相変わらずアルバードは少し迷惑そうな顔をしながらも、拒絶はせず、マイカの気の済むまで触らせてあげている。


「……ふふっ。」


そんな2人の様子に微笑ましくなり、ふたりっきりにしてあげようとリナはその場を離れた。


ツムギはどこへ行ったのかと探すと、いつの間にか釣り竿とバケツを持っていた。


「あ、リナ!あたいこれから

 魚釣りに行こうと思うんだけど、

 一緒にやる……?」


「魚釣り……。わ、私

 魚釣りやったことない……

 というか、記憶が

 ないんだけど良いの……?」


「もちろん!教えてあげるし、

 誰かと一緒の方が

 楽しいからっ……!」


「う、うん。じゃあ一緒に……!」


「やった!じゃあこれは

 リナの分の竿ねっ?」


特に予定のなかったリナは、ツムギと釣りに行くことにした。とはいえ、馬車のすぐ近くにあるオアシスが釣り場なのだが。ツムギはウキウキしながら、リナにやり方をレクチャーし始めた。


各々が休日の過ごし方を決め、まったりとした時間が流れていた。…そこに不穏な影が迫っているとも知らずに。


岩陰から馬車の方を見る怪しい男。彼の手には手配書が3枚握られていた。


「あれが万引きJKGメンのマイカ。

 水鉄砲のリナ。猫被りのツムギ……。」


手配書と彼女たちを見比べ、男はニヤリと笑った。


「じ、実物、めっちゃ可愛い……。

 ハァハァ……。お、推せる……。」


美少女ハンターのハム。それが彼の肩書きだった…。美少女盗賊の手配書をコレクションし、本人を鑑賞するためにこの場に現れたのだった。


「ぐふふ……。先日手に入れた

 この撮影機が火を吹きますぞ。」


撮影機と呼ばれた道具は、マイカの世界のカメラと同等の道具であった。レンズを向け、少女たちを盗撮していくハム。


「美少女盗賊のオフショ……。

 これは激レアコレクション確定。」


写真を撮り終えご満悦のハムは、本命の“獲物”を狩るため行動を開始する。


誰も見ていないことを確認すると、馬車に干されていた下着へと手を伸ばす。色や形を確認することは後回しにし、素早く懐にしまい込んでいく。


そう。ハムは美少女の下着専門の盗賊であった…。


(よ、よし!ミッションコンプリート!

 戦線より離脱!……ラジャー。

 ハム、これより帰還します……!)


心の中で訳の分からない妄想を繰り広げながら、ハムはゆっくりとその場を後にした。


ひと気のない安全地帯まで移動し、ハムは岩陰で戦利品の確認を始めた。


「さて……。まずはこちら。」


奪った下着の中で一番小さく、シンプルなデザインの下着を鑑賞し始める。


「これはサイズ的にマイカ氏の

 物ですな……。確かに、彼女らの

 中では一番小さい……。だが、

 年相応にボリュームはある。

 膨らんでいることに

 喜びを感じる……。これぞ

 ベスト・オブ・ミニマム……。」


満足そうな顔で2枚目の下着を取り出す。少し大人っぽいデザインと色の下着だった。


「これはリナ氏の物ですな……。

 マイカ氏と歳はそう変わらないはず

 なのにこのデザインの差……。

 本人の女性としての意識の高さを

 感じさせますな……。ボリュームは

 十分……。理想が詰まった大きさと

 言っても過言ではない……。これぞ

 夢と希望の禁断の果実……。」


意味不明な品評を終え、3枚目の下着を取り出す。手に余る大きさに思わずハムは息を呑んだ。


「デ……デカい……。もはや

 それ以外言葉が出ない……。

 もうデザインとかどうでもいい……。

 もちろんこれはツムギ氏の物だ……。

 獣のような暴力的なサイズ……。

 今までのはなんだったのかとすら

 思ってしまうレベルの破壊力……。

 やはり大きさが全てなのか……?

 そう神に問い掛けたくなる……。」


興奮冷めやらぬ様子で、もう1枚の下着を確認した。ハムは衝撃で動けなくなった。


「な、なんだこの派手な下着は……。」


ヒョウ柄で布面積の小さいパンツ。彼女たちのイメージとかけ離れた物が紛れ込んでいた。


「こ、これをあ、あの3人の

 誰かが……は、穿いている……!?」


少女らしからぬ過激な下着に、ハムの興奮は頂点に達した。思わずそれを頭に被る。


「す、素晴らしい……。これぞ

 伝家の宝刀、ギャップ萌え……。

 レジェンド・オブ・カタストロフィー!」


ハムは、頭に被ったヒョウ柄のパンツ以外のお宝を再び懐にしまうと、一人でじっくりと楽しむため、アジトへと帰っていった。


そんなこととは露知らず、彼女たちは休日を満喫していた。アルバードを撫で終えたマイカが馬車の近くで伸びをしていた。


「いや〜……撫でた撫でた……。

 癒やされすぎて頭がとろけた……。」


意識が朦朧としたまま、マイカはふと洗濯物があった場所を見た。


「ん……?」


無い。1枚も無くなっている。誰かが取り込んだのかと馬車の中を確認する。無い。レオは相変わらず気持ち良さそうに爆睡している。風もほとんどない。洗濯物が飛ばされた形跡はなかった。


ここでマイカは、ようやく事の重大さに気が付いた。


「ね、ねぇっ!?2人とも!!」


慌てて釣りをしているツムギとリナの元へ駆け寄るマイカ。マイカの様子に2人は緊張感を高めていた。


「ど、どうしたのマイカ……?」


「し、下着が……。」


「下着……?」


「干してた下着が全部無くなってる!!」


「えぇっ!?」


リナはショックの余り持っていた釣り竿を落としていた…。

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