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順位up


 四話

 【順位up】


『これより2年5組親睦会を始めます』


  「「「乾杯」」」



いよいよ始まった。

俺の戦いが。ここで、クラスの子の評価をある程度勝ち取らなければ順位は上がらない。

仕掛けるタイミングは、しっかり考えなければ。


まぁまず無難に自己紹介から始めますか。


「皆さん、今から自己紹介を始めて貰いたいと思いますので、出席番号1番の方よろしくお願いします」


そして自己紹介が始まった。


「出席番号1番の天野翔です。好きな事は………………」


こんな感じで順調に進んでいった。


今のところ問題は起こっていないな。

まだ始まってから間もないからだろう。

やけに緊張する。心臓の音が『ドクドク』と波打っている。

隣にいる奏にまで届きそうなくらいに。


そして、香取の番が来た。


「俺の名前は知ってると思うが香取春樹だ。俺の順位は2位だ。順位を上げたければ、俺の取り巻きに来い。以上だ」


「おおー、ブラボー」


「ピュー、ピュー」


手に指を入れ吹くものまで現れた。


言い方や態度は偉そうだが、カリスマ性は以上に高い。香取が2位である所以なんだろう。

そこは、認めている。いや、認めざるを得ないのだろう。

俺は、香取を差し押さえてカラオケ大会で優勝出来るのか………………。


そっと袖を掴まれた。


「不安なの?」


俺の袖に手をかけていたのは、奏だった。


「うん。やっぱり香取のカリスマ性を見た後じゃ少し」


「大丈夫だよ!ファイト!」


「うん、頑張るよ」


奏と話している間に鉄彦の番が終わり、俺の番が回ってきた。


「俺の名前は神原真司です。俺は、自分を変えたくて最近努力しています。一年の頃とは、高順位を狙っています。みんな、よろしく」


「よらしく」


「もう陰キャに戻んなよ」


反応は、まずまずだ。

この空気をさらに加速させるにはカラオケ大会をどう盛り上がるかだな。

大丈夫だ。策はある。あとは上手くやるだけだ。



「神原、全員自己紹介終わったよ」


よし、ここだな。


「今から、さらに場を盛り上げるためにカラオケ大会をやろうと思います。全員参加です。その代わり優勝者には、食堂での食券5000円分プレゼント!!」


「お!いいねー」


「みんなやろうぜ」


よかった、意見はまとまったみたいだ。


「これも昨日言ってた、策の一つかな?」


鉄彦は、何で言ってくれなかったんだよと言わんばかりに聞いてくる。

あれ、ちょっと怒ってる?


「そうだよ。てか、何で怒ってんの?」


「お前、俺が音痴だったの忘れたのか。全員参加は、聞いてねーよ」


そうだった。言うの忘れてたは。

すっかり抜けてたわ、鉄彦が音痴だったのは。


「ワリ、ジュース奢るから見逃してくれ」


「いいよ」



カラオケ大会も順調に進んでいった。

順番はバラバラだ。挙手制だったり、指名制だったり。

俺は、幹事という事で必然的に最後になった。

それはとても都合よかった。


やっぱり別格に上手かったのは上位ランカーの香取と奏だった。

香取は最近のメジャー曲を完璧に歌いきり、奏は女性に人気で有名なシンガーソングライターの曲を歌っていた。

2人とも95点を超える高得点だったが、僅差で香取が勝った。



いよいよ大取り俺の出番だ。

ここで、場をもう一度盛り上げればクラス内の評価は高くなるはずだ。


「それでは、歌わせいて貰います。聞いてください」


俺は、歌った。

練習以上に上手く歌えた。クラスのみんなもハッキリ言って誰も合いの手できないほどに聞き入っていた。

俺にとっては、とても長く感じた。

1秒が1分にも感じた。

でも、歌い切った。歌い切った瞬間、大きな歓声が上がった。 



 「オーーーーーー!!!!!!!!!!!!」


得点は香取の点数を超え俺が優勝した。





カラオケ店を出た後


「いやー楽しかったよ。次クラスで集まる時また幹事頼んでもいいかな?」


「俺、神原の事見直したよ」


賞賛の声を貰った。


「そう言ってもらえると嬉しいよ」


「じゃ月曜日また学校で」


そして帰路についた。



俺が主導となって始めたクラスの親睦会は大成功に終わった。

後は月曜日学校に行き掲示板を見るだけだ。


その間の土日クラスの子から沢山連絡があった。

嬉しかった、クラスに友達ができるのは。

今まで鉄彦以外の友達はいなかったから。



月曜日学校で掲示板を見ると順位が更新されていた。


『神原真司  順位63位』


上がった順位が。『下克上』成功だ。


『香取春樹  順位27位』

どうだったでしょうか?面白かったでしょうか?

今日は少し忙しいので失礼します。

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