初下克上
俺は、神原真司。
高一の春休み学年のマドンナ四条奏との交際が始まった。
そんなある日俺と奏が付き合っている事が学年にバレてしまった!!その事で奏は、バカにされてしまった、おれの不甲斐なさが原因で。
そして、香取と揉めてしまった。
俺は変わるために、髪を切り、下克上をした。
三話
【初下克上】
ここ、佃丘学園には通称xと呼ばれる管理人が管理している『校内カースト順位』と呼ばれる掲示板が存在している。
上位のものは、下位の者に命令する事ができるが、絶対に従わなければならない、というもはない。
ただ、その代わり命令を無視すると管理人xによる罰が発生してしまう。
しかし『下克上』というシステムを使えば、命令を聞かずに済み、罰も発生しない。
こんな裏ルールが佃丘学園には存在する。
『下克上』中のルール
1 2週間以内に『校内カースト順位』を10位以上
上げること。
2 下克上中は、どんな命令でも無視する事ができ
る。
ルールは以上。
裏ルール
3 失敗すると下克上相手の奴隷となる。
『俺は、お前ら上位カーストに下克上してやる』
教室に震撼が走った。
「えっあいつって神原?」
「嘘!超イケメンじゃん」
とまぁ様々な意見があるみたいだけどハッキリ言って興味がない。
俺は、この世で四条さんただ一人に『カッコいい』と思って貰えれば。
「お前、今『下克上』って言ったな、この学園でそれを言う意味わかってるのか?あの3番の意味をよ」
「あんなの迷信だ。ちゃんとしたルールではない。先代のお前らみたいなのが勝手に付け足しただけだろ」
「いいや、俺に『下克上』する時は、3番のルールまで守ってもらう」
「『下克上』の3番目のルールってあれだよな………『奴隷』になるやつだよな」
「あんなの迷信でしょ?」
クラスの子の言う通りだ。
あんなの迷信だ。けど『アイツ』には、そんな理屈通用しない。
俺はもう決意したんだ、四条さんをバカにされないために。
「ああ、いいぜ。裏ルールで」
「それじゃ楽しみにしてるよ、2週間後お前が俺の『奴隷』になるのをよ」
そして場は、なんとか収まり放課後になった。
「………………………」
「あ、あの四条さん?」
「………………………………」
「なんで口聞いてくれないの?」
「………………………するからだよ」
四条さんの声はギリギリ聞こえなかった。
「えっ?なんて言ったの?」
「勝手な事するからだよ!」
四条さんは、初めて怒った。
俺は今まで、見た事がなかったのだ。彼女の怒っている顔を。
やばい、やばい怒らせちゃった。なんでだ?
わかんねー。最低だ、彼女怒ってる理由に気づけもしないなんて。
「ねぇ私『彼女』なんでしょう?なんであんな勝手な事するのよ。少しぐらい相談してくれたってよかったじゃない!」
「そうだね、ごめん」
「でも、俺決めたんだ。君に相応しい男になるって。実はね昨日………………」
そして、話をした。昨日陰でどんな事を言われたのか。
俺の悔しかった気持ちや腹がたった気持ちまで。
それはたいそうカッコ悪くダサイものだった。
ただ、彼女は黙って聞いてくれた。
時折相槌を打ったり、腹を立てたり、俺が変わるって言った時に嬉しそうな顔をしたり、コロコロと顔の表情を変えていた。
「そっか、そんな事があったんだね。でも私嬉しいんだよ私のために『変わる』って言ってくれて。そりゃ相談無しにあんな事になったら怒りますよ、『彼女』なんだから」
そっか彼女が彼女で本当によかった。
好きになった理由は、一目惚れだったけど、今は良いところを一杯知っている。
彼女の誠実さはカッコいい。
俺とは、正反対だな。
でも……………。
「その事はごめん。俺変わるよ、君のために」
「うん、ありがと」
「それより、『下克上』を果たすには、『校内カースト順位』を上げなきゃだけど、どうするの?」
一昨日の始業式で発表された、『校内カースト順位』は158位だった。
うちの学年は全体で165人いるので本当に下位の方だ。
まじ奇跡だな、四条さんと付き合えたのは。
ほんとなんで、俺の告白受け入れてくれたんだろ………。
「クラスの親睦会の幹事をやろうと思う」
「いいね、それ私も協力するよ」
「気持ちは嬉しいけど、これは俺一人でやった方が良いと思う。じゃないと変われない気がするから」
「うん、分かった。頑張ってね」
そして今日は、お別れした。
当面の問題は、順位を上げる事だ。
親睦会の幹事を務めるのは、あくまで過程に過ぎない。
でも、考えるべきポイントは順位を上げる事じゃない、どう『認め』させるかだ。
『アイツ』そう簡単に認めないだろう、ならどうすれば良い?
考えろこの短期間で『認め』させる方法を。
もう一度考え直そう。
何故俺は下克上したんだ?その理由は?
簡単だ、四条さんに相応しい男になるためだ。
なら、どうやったら四条さんに相応しいと認めて貰える?………………。
そうか!分かったぞ『アイツ』らのフィールドで戦えばいいんだ。
それなら、親睦会の場所にも、もってこいだ。
次の日の放課後
やべー超緊張する。初めてだろ、クラスの子の前で話すなんて。
「大丈夫だよ、真司!」
四条さんがな、名前で呼んでくれた!!
これは、やる気MAXファイヤーだぜ。やってやるぜー。
「ありがと、か、奏」
やっぱ少し照れるな
「みんな聞いてくれ。来週辺りにクラスの親睦会やるって言ってたけどそれの幹事やらせてくれないかな」
俺は背中を45度に曲げ、綺麗に頭を下げた。
「「「………………………………」」」
反応は薄い。ダメなのか?
「いいんじゃない」
「たしかに、髪切ってなんか陰キャって感じもしにくくなったし」
「やらせてあげてもいいんじゃない」
よし、なんとか幹事になれたぞ。でも重要なのはここからだ。
「みんな、ありがとう。連絡したい事もあるから連絡先貰ってもいいかな?」
「「「「いいよ」」」」
「幹事頼んだよ!神原くん!」
クラスの中心にいる女子生徒がそう言ってくれた。
でも、『アイツ』のグループは、バツが悪そうに見ていた。
しかし、これだけの賛成意見が上がればそうそう、命令できるものじゃなかったらしい。
『校内カースト順位』には、ある程度人望もいるからね。
その日の下校中鉄彦が言った。
「『下克上』勝算は、どれくらいあるの?」
「かなり、高いよ」
「へー。どこで親睦会するの?」
来た。この言葉を待っていた。
「カラオケだ。そこでカラオケ大会をしようと思う」
「お前、まさか………」
そう、その通りだ。
俺の『日本刀ガール』は、超人気作だから、それのopもかなり有名だ。
しかも俺は原作者だから、生の歌を何回も聞いた事があるし、歌を教えて貰った事もある。
アニソンって引かれるイメージがあるがこのアニメのopなら、いける。
「なら、問題無しだな」
「ねぇ鉄彦私ら訳がわからんのだけど」
鉄彦の彼女の雪さんと奏が首をコテッとして聞く。
「雪、四条さん、それはね…………」
二人めちゃくちゃびっくりしていた。
奏に至っては生で聞けて良いなーというヲタクの驚き方だった。
「あんた、中々せこいはね。でも私好きよ、そういうやり方」
「まぁね。ラノベ作家を舐めるなよ」
「良いなー私も生で聞きたいな」
と奏は、ボソボソと言っていた。
でも、ごめんね。担当して貰ったのは、あの一曲だけだから原作者でも、会わせてあげることは、できないんだよ。
だから、そのまま素通りにした。
一週間後
大丈夫だ、一杯練習した。
それに、隣に奏が居てくれる。
じゃ始めますか。
「これより2年5組親睦会を始めます。皆さん乾杯」
「「「「乾杯ー」」」」
さあ、始めようぜ香取。
お前に俺の存在を認めさせてやる。
どうでしたでしょうか?面白かったですか?
今回は冒頭でもお話しした通りこの学園には『校内カースト順位』という掲示板が存在します。
端的にいうと自分が学年でどれくらいの位置にいるのかが分かるようになっています。
そんなものが現実にあれば恐ろしいですよね。
次回また見てくれると、嬉しいです。
2話からブックマークを押してくれたお二人さんありがとうございます。
一話から見てくださった方にも敬意を!!
ブックマークを押してくれると本当に嬉しいですし、励みになりますので押してください。
実際今日二人に押してもらえて嬉しかったです。
コメントもお待ちしています。