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20.

 銃撃戦。

 私とサヤとの対戦でお互い痛み分けでマイナス二点。さらに、どこからか攻撃されて計マイナス五点となった。

 そして、今度は私とクルマミチとの対戦。彼は特別な道具である網鉄砲を持っている。


「…………ナルミか。このシャドウが引導を渡してやる。我が封印で末永(すえなが)く眠るがよい」


 素早い銃(さば)きで網鉄砲の引き金が引かれた。

 一瞬で私は網の中に捕らわれてしまった。

 このままでは人形が格好の的。

 私に目をくれず銃をセットしていく。

 網にかかってもカラーボールは投げられる。用意していたそれを網越しから投げつけた。

 直撃。

 クルマミチの横を通り直撃した。

 マイナス四点となった。そして、相手を三点を減点させた。もう一度投げようとボールを構えた。

「油断したな。まだ抗う力が残っているとは。やるな。流石(さすが)、我が仲間だ」

 いつの間にか仲間扱いされてる?

 きっとカルト集団の一員だったからだろう。

 彼は私の直線上へと立った。今投げてもクルマミチに当たるだけで人形には当たらない。


 マイナス三点──


 さらに一点を奪った。

 インク銃を放った人形とカラーボールの当てられたら人形。

 私の人形の行動を「攻撃する」にしていた。

 今度は「逃げる」を選択した。

 網に絡まり動けない私を放って一足先に逃げていく。それを彼は追っていく。

 彼は無防備だ。

 人形を追うクルマミチ、を追う人形に向かってカラーボールを当てた。これにより点数は計マイナス二点となった。

 クルマミチは私に目をくれずそのまま走り抜ける。もうボールは当たらない距離になってしまった。


 何とか網から脱出できた。

 ここから走っても間に合わない。

 腕時計を見る。少し操作すると私の人形の位置が詳しく出ていた。とっくに外に出て逃げ回っているようだ。

 このまま廊下を突っ切って走っても間に合わない。その間に沢山やられてしまうだろう。

 窓を開けて、そこから外へと出た。

 人形に先回りするように進んでいく。人形の無事だった。「着いてくる」にして再びともに行動する。

 クルマミチはまけたのだろうか。

 それならいいなと思いながら私は中庭へと向かった。


 時計が鳴る。

 ミッションだ。


「今から残り一時間になるまで一人の位置状況を詳しく知ることができる。ただし、その一人を選ぶことはできない。……か」


 スロットみたいな画面が出る。

 それを押すとスロットが回され、「コガネ」の所で止まった。

 コガネのいる位置と、コガネがいる付近の映像が幾つか映し出された。彼は二階の端側に構えている。

 なぜなのか分からないが、人形をその場に留まらせて彼自身はどこかへと向かっていった。よく見ると二階の様子を確認しているみたいだ。

 階段を越して近くの部屋に隠れていく。その合間にサヤが階段を登ってやってきた。彼女は浮いた駒にインク銃を向けて笑っていた。

 放たれたカラーボール銃弾。

 しかし、カラーボールは空中で爆散。色のついたインクは空中で落ちていった。


「どういうこと? 何が起きてるの?」


 画面越しではあまりよく分からない。

 唯一分かるのは、人形は囮で、その囮に引っかかったサヤは、サヤの人形は格好の的となっていたということだ。

 ヒュンッ。

 素早い軌道で何かが飛んでくる。思わず反射的に手を伸ばして人形をそれから守った。ピリリと痛みが全身を覆い手のひらは橙色のインクがついている。

 人形を「しゃがま」せて、軌道の中間に私が入る。

 放たれた方向を見ても何もない。

 何が起きたのか分からなかった。

 もう少し目を凝らして見る。誰かがインクライフルを向けている。

 よく見ると向こうにいる彼はフキだった。

 彼は眼鏡を輝かせてインクライフルの引き金に手をかけていった。

【ナルミ対フキ。コガネ対サヤ。戦いは激化していく──】

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