〈静夜思〉
〈静夜思〉(〈冒険者〉ギルド)
「鵲辭穿線月,花入曝衣樓。天上分金鏡,人間望玉鉤。」(【唐】李賀)
ギルド名は漢詩のタイトルを転用したものだが、実は地球世界における「一緒に遊び、一緒にボイスチャット」というのをサービスを提供するギルドであり、後ろには運営会社がある。ほとんどのメンバーが女性だり、一部男性メンバーもいる。
Botでゲーム貨幣を稼いでプレイヤーさんに売るのは、過去の10年間にゲーム業界に密着していた裏業界とも言える。ゲーム内の念話機能や、チャットソフトやビデオチャットソフトなどの音質、画質の上昇と共に、裏業界も「プレイヤーさんに直接的にサービスを提供する」という形で利益を得て始めた。「美女と一緒に遊び」(いわゆる「ゲームプレイマッチング」)——公式な名前は「ベテランのプレイヤーにより一対一オンライン付き添い&ゲーム指導サービス」——は、それらの斬新なサービスの一つである。ギルド〈静夜思〉は〈大都〉を拠点にしてこのようなサービスを提供するギルド、と、それを運営する産業組織である。
このような裏産業でサービスを提供しているのは、多くの場合は綺麗な女性であり(男性もいる!)、その中には、元々『エルダー・テイル』のプレイヤーであるものもいるし、この産業に携わってこのゲームを始めるものもいる。彼女たちにとって、『エルダー・テイル』はゲームもさることながら、お金を稼ぐ手段でもある。お客様たち、つまりこれらのサービスを利用しているプレイヤーさんは、自分のゲーム料金のみならず、付き添ってくれる人のゲーム料金と、サービス料金を全部払わなければいけないため、費用はかなり高いである。ゲーム運営会社〈華南電網会社〉にとっては、プレイヤーさん間の付き添いサービスそういうもの自体はゲームに何も悪影響を与えないし、プレイヤーさんの遊び時間の増加にも繋がっているため、楽に納得している。このようなサービスはよく枕営業と繋がって、さらにオフラインのサービスも提供していると言われる。これはまさかO2O(Online to Offline)の一つ曖昧な実践である。
〈真穿事件〉で、彼女たちもこの異世界に巻き込まれて、各々自分の考えを持って、この〈セルデシア〉世界に生きていく。(日本では〈大災害〉が起こった時点は24時なので、1時間の時差がある地球世界の中国では、〈真穿事件〉が起こった時点は23時だった。この時間は〈静夜思〉ギルドメンバーたちがサービスで忙しい時間だった。)