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〈桜の樹の下には鴿が埋まっている〉

〈桜の樹の下には鴿が埋まっている〉(〈冒険者〉ギルド)


「来週、来週絶対出来上がる。今週は忙しいので、手が回らない。」


  地球世界における、コスプレのサークルのなかに、「後勤」(後方勤務、雑用係)と呼ばれる人々がいて、彼らは、〈真穿事件〉後の〈大都〉の中で、武器、装備、服装の制作を主に行う生産系ギルドを設立している。


  20年の長い運営歴史が有るMMORPG『エルダー・テイル』の中には、クリエイティブなプレイヤーさんも少なくない。同人誌作者や絵師などのプレイヤーさん以外に、メジャーとは言えないけど、その得意な分野の表現形式でゲーム情報サイトやSNSに頻繁に『エルダー・テイル』を登場させて、注目させるプレイヤーさんがいる。これらのクリエイティブなプレイヤーさんはコスプレイヤーさんであり、中国語で「Coser」と呼ばれている。


  しかし、〈真穿事件〉後の〈大都〉というプレイヤー・タウンの中で、注目を集めているのはCoser達に関連する他のグループで、Cosplay活動の後方勤務の人々である。地球世界では、彼らは裁縫、道具師、撮影者、粧娘など呼ばれて、多くの場合はアマチュアで、ある程度の技術が持っていて、一部の人は生業としてしている。


(日本語読者ための説明:道具師——コスプレ用道具の制作者を指す。粧娘——化粧できないコスプレイヤーさんにメイクをする人を指す。多くの場合は、女性が男性コスプレイヤーにメイクをする。)


  なぜ〈真穿事件〉後に注目されているのは、キラキラしたコスプレイヤーさんじゃなくて、これらの「後勤」だというと、簡単に言えば、「元の世界でも毎日(これらの装備や服装の制作を)やっていたよ!」


  コスプレ活動の雑用係、特に裁縫や道具師たちは、地球世界でも毎日やっているのは、虚構作品のキャラクラーの様々で奇怪で、理屈の通らなくて、物理法則に反する服装や道具(特に大型の武器)を巧みである設計し、改造して、人の身体に着用できたり、手で持ったりするようにしていた。毎日、サイズの調整や持ちやすく改造することや、そして作品中の派手な武器や防具をCoserたちがステージの脚光を浴びて自由に振り舞うように軽い材料で製造することを研鑽していた。そのため、これらのコスプレ活動の「後勤」さんたちは、〈セルデシア〉の〈冒険者〉たちの中に、最もゲームの装備、服装の構造をわかる人であり、装備や服装の改造について、早く自分のアイディアを持つ人でもある。


  〈真穿事件〉後、暫くの間に起こった巨大な波乱が落ち着いたら、〈冒険者〉たち——最初は彼らの友人または顧客で、つまりコスプレイヤーさんたち——がより使いやすい服装や装備を得るため、各コスプレのサークルのギルでに分散されていた職人たちは、彼らが馴染んでいる場所——上海の「文廟」、つまり〈セルデシア〉世界における〈大都〉の〈文昌物華街〉に早々に集まって、服装や装備を改造する仕事を開業した。このような背景で、物流や倉庫管理をしやすくするために、これらの職人たちがギルド〈桜の樹の下には鴿が埋まっている〉を設立した。その中には、本来も生産系サブ職に就く人もいるし、〈真穿事件〉後に転職する人もいる。彼らのお陰で、それから数ヶ月後、〈文昌物華街〉が段々〈大都〉における装備品の販売、流通の街になった。


  ギルドの名前〈桜の樹の下には鴿が埋まっている〉について。メンバーの中には多くの日本文化の愛好者がいるため、出典が分からないまま、「桜の樹の下には死体が埋まっている」という日本文化のネタを借用した。また、中国語の「鴿」は発音が「哥」(兄、「俺」のような男性一人称)と同じで、「鴿」も「放鴿子」(鴿を放す。慣用語としての意味は:すっぽかす)に因むのだ。職人達は地球世界と同じく素晴らしい腕前が持っているが、注文が多すぎるため、いつもコスプレヤーさんの服装や装備の纳品を延期しがちだ。勿論、この悪い習慣も〈セルデシア〉世界に持って来てしまう。なので、〈桜の樹の下には鴿が埋まっている〉というギルド名前は、職人たちのこれから再び「放鴿子」しないという強い決意と、締め切りが迫る時、品物を取りにくるコスプレイヤーさんに対してもう一週間延期していただくように願っているという無力感を表す。


  ちなみに、コスプレイヤーさんと「後勤」さんたちは、分かれている二つグールプではない。多くのコスプレイヤーさんは、優れた技術を持って、サークル内のある分野の雑用を担当する。地球世界では、コスプレのサークルがそれぞれの団体で分けれいて、それぞれのゲーム内のギルドに所属していた。今度は、服装や装備の製作をきっかけに、新しいギルドを設立した。最初の人数が多くなかったが(現実生活でも「後勤」をやっていて、同時に『エルダー・テイル』でも生産系サブ職業を持つ人が少ない)、後ほど、転職などによって、あるいは本来、コプスレと関係がなかった人々(模型制作愛好者や、球体関節人形制作職人など)の加入によって、このギルドもますます大きくなって、〈大都〉における生産系ギルドの代表格になった。巧妙な改造で、持ちやすい武器や、使いやすい防具や、* 多種多様な服装を制作することでよく知られている。


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