二、〈大都〉の特徴
二、〈大都〉の特徴
〈大都〉の大きさ(広さ)
〈大都〉(ダァドン)の一番見やすに特徴は、その名前の通り——大きい。
〈アキバ〉や〈ススキノ〉が、地球世界の東京や札幌の一部の区画だけ参考にして作られたもので、それと比べて、〈大都〉は地球世界の上海の中心部全体を参考にして作れたもので、地球世界の黄浦江の西、東の両方エリアも含まれている。〈アキバ〉と同じように、多くの建物は〈神代〉の遺構であり、機能性のある場所は、街の中央に集まる傾向。街の広さから見れば、全世界の『エルダー・テイル』の各サーバーの中でも、〈大都〉は有数なものだとは言える。
この広さに対して、これが中原サーバーの運営会社 である華南電網公司が最初から中国語圏という巨大な市場を考えて、その一つのプレイヤー・タウンの大きな計画を立てたという風に認識している人もいうし、一方、プレイヤーさんに積極的に種々の移動速度上昇道具(水薬や騎乗生物)の獲得を促すため、マーケティングの手段として(例えば、何点の課金ポイントをチャージすれば、31個、つまり一ヶ月分の丸ごと一日の市街ゾーンで移動速度上昇の水薬がもらえる)、会社が最初からこんな広い街を開発したという風に指摘するプレイヤーさんもいる。
〈大都〉の雑さ
〈大都〉の主な街並みは世界各地と同じく、〈神代〉から数千年後の遺跡の世界とされている。しかし、華南電網公司が利益のために様々な異業界の会社とのコラボを積極的に展開しているので、〈大都〉の市街地には、一風変わった建物を見かけることもできて、ハイパーモダン様式の建築すらある。これらの建物は、華南電網公司が異業界の会社とのコラボの結果である。遺構群の中のクリスタルパレス(水晶宮)や、メタル機械風の城堡や、桜木の森など、ほとんどの場合は、地球世界の大手企業や組織が打ったゲーム内広告だ。これらの建物とともに、短い期間には、その会社の販促キャンペンも展開していた。しかし、短いキャンペン期間のあと、販促宣伝内容は撤収されて、建物のオブジェクトはそのまま残っていて、〈大都〉の異様な街並みになってしまう。
これらのゲーム内の販促キャンペンは、一部成功していたものが、長期的な、あるいは定期的なキャンペンになった。大失敗したものは、日本サーバーを運営している〈F.O.E〉(フシミ・オンライン・エンタテイメント)が芸能界とのコラボで作ったサブ職業〈アイドル〉のように、会社にとって、言いづらい黒歴史になった。
(設定意図の解説:ヤマトサーバーのように、中原サーバーの華南電網公司も異業界コラボの展開するのも納得できるのだろう。〈アイドル〉については、『知られざる力の担い手 アイドル』をご参考をどうぞ。)
それに対して、〈大都〉地方の多くのプレイヤーたちが、ゲーム内容の整合性をそんなに強く求めていないため、みんながこれらのゲーム内の宣伝内容を前向きに捉えてる。もちろん、〈大都〉に奇妙な建物を巧みに取り込むという前提である。
また、〈真穿事件〉*が起こった前の数年の間は、まさに地球世界の中国国内でモバイル決済の宣伝活動の繁栄期だった。そのため、ゲーム内の宣伝広告として、〈大都〉の建物の側面や、石板や、古文書などの様々なところに、たまには〈きゅーあーるコード〉も見かける。ゲーム時代には、これらのQRコードはただのゲーム内広告であり、NPCたちのセリフの中には、それについての内容はなかった。しかし、〈真穿事件〉後の今の世界で、それらのシンボルについて〈大地人〉の学者達が興味を示していて、それが神秘トーテムであり、〈冒険者〉たちの文化の高い段階の〈河図洛書〉であり、さらに、〈冒険者〉たちが持つ天地万有の秘密もそこに隠れていると信じている。そして、〈スキャン〉とは、〈冒険者〉たちの失われた密儀であると信じる。〈冒険者〉たちの根気よくて熱心に説明してくれる内容を聞いた〈大地人〉の学者達は、「スキャンする」は〈数魔布〉(すまほ)という失われた魔法の方鏡を儀式の触媒にして、それを使って〈きゅーあーるコード〉からトーテムの真意を解読し、秘密の知識を獲得するための偉大なる儀式だという風に理解している。
(*説明:〈真穿事件〉とは、ゲーム『エルダー・テイル』のプレイヤーさんたちが異世界「セルデシア」に巻き込まれた事件だ。つまり、〈弧状列島ヤマト〉の〈冒険者〉に呼ばれた〈大災害〉という事件だ。本設定では、中国語プレイヤーさんの間に、だんだんとこの事件を一緒に〈真穿事件〉という名前で呼んできた。以下同じ。)
ゲーム内容に対する政府、自治体から指導
地球世界における中国会社では、エンターテインメント作品にも教育の役割があると思う人が多くて、そのため、フィクション作品の内容に対しても厳しい審査を行う。もし、作品の中に主流な世論と合わない内容があれば、政府や自治体が内容の修正を求める。こんな社会的背景のため、華南電網公司が運営する『エルダー・テイル』は、その運営歴史上、何度も政府、各自治体に修正を求められて、それに応じて、何回も修正を行う。この原因で、華南電網公司がリリースした『エルダー・テイル』のクライアントソフトの表現内容は、他のサーバーと若干違いがあって、一部画面はより地味な(刺激がない)画像素材やモデルを使う。
そのため、国外の支払いを利用できる一部の中国のプレイヤーさんが、海外サーバーで登録してアカウントを作成して、クライアントソフトも海外サーバー版を利用している。他の中国人の友たちと一緒に遊びたいために、彼らがキャラクターを作成した直後、海外サーバーから中原サーバーに移動して、こちらのプレイヤー・タウンに登録する。もちろん、国外の支払い手段や、海外サーバー公式サイトの外国語などの問題で、このように遠回りで新規作成をするプレイヤーさんはごく一部である。特に『エルダー・テイル』の運営の始まりごろは、インターネットの国際的な支払い方法が普及していなっかたため、このようなプレイヤーさんがほんの僅かである。