〈月笙〉&〈黄包車隊〉
〈月笙〉(〈冒険者〉Botギルド)
このギルドに関しては、『【特別篇】光と闇:両方の秩序とも失われた〈魔都〉』で詳しく説明する。
〈黄包車隊〉(〈大地人〉を主とする非ギルド組織)
この組織は、〈大地人〉の黄包車(人力車)の俥夫たちを主とする緩いグループであり、その活動範囲は〈大都〉である。
〈真穿事件〉後、一定期間を経て、本来、ゲーム内の移動速度上昇道具が消費されたので、異世界では、運営会社の支払いシステムへ接続して新しい道具を獲得することもできなくなるため、広大な〈大都〉での移動は時間が掛かることになった。そこで、街には黄包車(人力車)を移動手段にするサービス業が段々現れてきた。つまり、〈大地人〉たちのグループである。〈大地人〉の筋力は〈冒険者〉に匹敵できないが、車輪という小さな力で移動させる道具を利用して、ひとりの力でも〈冒険者〉を載せることができる。これは有料サービスで、ゲームの金貨で支払う。普通の冒険者にとって、その料金は高くない。移動範囲を街の外へ伸ばす〈大地人〉俥夫がほとんどいない、何故ならというと、彼らにとって、街の外は危ないエリアであるためだ。
〈セルデシア〉のほかの街と同じように、〈大都〉も廃墟の街だ。そのため、〈黄包車隊〉は最初、平坦なエリア、或いは俥夫たちがよく知るエリアだけで車を引く。グループに参加する〈大地人〉の人数が増えるとともに、彼たちが廃墟の障害物を除去し始めた。このような行動も、大規模な道路整備工事を〈冒険者〉たちに考えさせた。
移動の手段として、〈冒険者〉たちは召喚された馬などの騎乗生物や、レンタル騎乗生物などの低コストな選択肢もある。そのため、〈冒険者〉から見れば、黄包車サービスは実用的な移動手段のみならず、リッチで情緒があるという象徴性もあるという。一般的な黄包車の座席幅は二人席で、データ時は二人の間の距離を縮められるという。これも〈大都〉の原型、地球世界の上海の19世紀の情緒を想起させる。情報コミュニケーションの観点から見れば、俥夫の中には〈冒険者〉たちの文化に対して興味を抱くおしゃべりさんの〈大地人〉が多くて、彼らは積極的に〈冒険者〉の相手によって話し掛けていて、お互いの社会生活の情報を話し合う。これも「〈大地人〉=NPC」という〈冒険者〉の認識を変えた。
〈黄包車隊〉の〈大地人〉のサブ職業について、彼らは本来、〈大都〉周辺に住んでいた〈楚地方〉の農業人口であって、〈真穿事件〉後からこちらにきて就労してきた。今の時点では、彼らの職業(サブ職業)は昔のまま、何か変化が確認されていないが、将来、サブ職業には何か変化を発見する可能性もある。




