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彼女の商量 第九話

 世論が大きく作用する私たち商業、金融関係者や政府関係者にとって、未知な影響力のある媒体での予期しない情報発信は非常に都合が悪いのです。連絡を受けた当日に急遽会合が設けられて、彼らに新聞内容の説明を求めました。そこ場で勇者側は、最初のしばらくの間は広く周知するための広告を打ち続けるだけだと説明をしました。

 それ以外について、例えば販売場所や輸送手段などについての質問事項に対して、会合に参加した勇者たちの発言は、わからないわからない、未定未定とばかり繰り返していました。本人たちもしらを切っている様子は無く本当にわかっていなかったので、翌日からの発行を止めるなど対応はせず、今後も会合を継続して行うとして締めくくられました。


 しかし、翌日発行された内容は広告などではなく、古典復興運動について大々的に報じたのです。勇者たちは古典派を後押ししているというような古典復興運動を煽るものでした。当時はまだ勇者という立場に権限があり、水を得たように古典派は活動をさらに活性化させていきました。

 北公の策略の一環であった古典復興運動が予想以上の効果を見せたので、北公はさらに多くの文献を流出させたのでしょう。

 火に油を注ぎ、さらに空気を送り込んだように運動は燃え上がり、連盟政府全土に広がりました。


 古典派を煽ることで支持を得られることに味を占めた勇者たちはさらに新聞で運動を煽りました。ですが、自らの名誉欲だけに後押しされたのではありません。それと同時に、運動を活性化させることで、政府をはじめとした諸機関への負担を増やし新聞社への介入が手薄になることも狙っていたのでしょう。


 諸機関が対応をこまねいているよこで収益をあっという間に加速させ、さらに規模を拡大しました。そのうちに古典派も革新派も、新聞社の規模の大きさと強烈な情報発信力に気づき始め、どちらの派閥も寄付という形で新聞社へお金を渡すようになったのです。


 結果的に新聞社にはすさまじい資金が集まることになりました。


 ですが勇者たちはそれでは足りないとさらに欲を掻きました。さらに集めるために、寄付の額が少ないと革新派を立て、逆に増えると古典派を後押しするようなことをはじめたのです。どっちつかずな状態ではありましたが、寄せては返すそのやり方に古典復興運動は波を起こされているかのように過激になっていきました。

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