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1809/1860

アトラスたちの責務 第十七話

それから車は滑走路から裏に向かい、有刺鉄線の付いた柵の間のゲートを越えて一般道に出た。交差点の看板を見ていると、グラントルアを指す方へと曲がった。


すれ違う車は軍用車両が多い。これからユニオンや友学連、クライナ・シーニャトチカのあの基地に向かうのだろう。


涼しい車内からの景色は、緑が零れて橙になり始めた晩夏から無機質で自然にはない整列を持つモダンな建物の灰色に変わった。それを見ているうちに趣のある軍部省の建物へと着き、裏口へと入っていった。


駐車場で車を降りたがユリナのオフィスには向かわず、地下へと続く階段へ導かれた。

外とは対照的にここは空気の流れる音がして、空調が普段から低めに設定されているのか肌寒く感じるほどだ。

フラメッシュ大尉の案内に従い薄暗い廊下を進むと、歩みに合わせて廊下の照明ががしゃんがしゃんと点いていった。その方が速く、あっという間に廊下の先までを照らしていった。それからは機械が振動することで発せられる低い音が鳴り響く廊下を進んでいった。


だが、照明で見通せるようになった突き当たりまでは行かず、右の廊下の壁に等間隔で並んでいた金属扉の前で止まった。


フラメッシュ大尉がノックした後にそれを開けると、中から昼光色の灯りが漏れてきた。

その灯りは廊下よりも強く、目の奥が痛くなるような気がして目を細めていると、


「おーす、金髪白ゴリラ。呼び出して悪ぃな」


と白くなった視界の中にユリナの声が聞こえた。


「構いませんよ。こちらも確認したいことがあるので丁度良かったです。ところで、マルタン丘陵の戦いの件での呼び出しと言うことですが、何でしょうか?」


目が明るさに慣れてきたのでユリナの方を見ると、彼女は何も言わずに顎を動かした。

顎の先にはキャスターの付いた金属のテーブルがあり、その上には白い布が敷かれ、さらにそこには見覚えのある筒状の物が置かれていた。


「茶も出ないくらいに早速で悪いが、お前がラーヌヤルヴィのガキを運んだときに使った銃ってのはこれなんだな?」


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