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秋霖止まず 第二十六話

ルカス大統領がその場で連絡を取ると、ヘマさんはすぐに全員雇うと返事をしたのだ。

しかし、マフレナやイルジナは全員雇用では私から離れてしまうので断った。だが、ウリヤちゃんも二人には会いたい様子があったので、数人とその二人は交代でブエナフエンテの家にくることになった。


ルカス大統領はヘマさんと嫌味を言い合いながらも話が弾んでいた。かつて色々あったと聞いていたが、それを乗り越えた今では仲が良いのではないだろうか。


話合いが終わると早速ヘマさんが数人のメンズを連れて迎えに来た。そこでメイドさん達と話をしていた。彼女たちの口から近況を聞くことが出来た。


アニバルの安否は未だに分かっていないので、二人とも意気消沈しているところがあった。久しぶりのメイドさんたち顔に二人は嬉しそうになっていた。辛い時期を共に乗り越えたから絆もあったのだ。


だが、驚いたことがあったのだ。

メイドさんたちはマルタンで別れた者たちの消息を知っていたのだ。どうやらアニバルは今帰ることが出来ないらしい。大怪我をしているのではなく、怪我はしたものの無事であり、今は全快しているがまだすべきことがあり帰れないとのことだ。

その場で聞くことが出来たのはアニバルについてだけだった。ルクヴルール軍事顧問やギヴァルシュ政治顧問、ヴァジスラフ氏についても何か知っている様子はあったが、メイドコミュニティの情報網の掟に反するらしく、教えては貰えなかった。


その日の会議などを終わらせた後、マフレナは私と共にブエナフエンテの家へと帰った。帰るや否や、私をドレッサーの前に連行しティルナに切られて乱れていた髪を切りそろえて整えてくれた。


彼女とイルジナはブエナフエンテの使用人のうちの、私専属のメイドさんとして雇うことになった。つまり、結局雇用となったのだ。雇用の形態は、皇帝の髪を触ることが出来るマフレナと三人のメイドさんたちと言う形であり、その三人はシルベストレ家にいる者たちと週替わりで交代することになった。


(髪を触れるとか触れないとか、その辺りの伝統が非常に面倒くさいのだが、エルフ系メイドさんたちは私がまだ帝位に就いているのでそれは守られるべきと頑として譲らなかった)。



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